業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染症の世界的な流行の影響により、緊急事態宣言の措置をそれに伴う経済活動の停滞がみられましたが、感染拡大の防止策としてワクチン接種が本格的に進み、一時は経済活動の正常化への期待が広がりつつありました。しかしながら、新型変異株の流行への危惧は依然としてまだあり、先行きは不透明な状態が続いております。

企業活動においては、引き続きテレワークやオンラインミーティングの活用等、新しい形態での事業推進は継続拡大しており、今後コロナ禍収束後においても、同様な広がりがみられると思われます。また法人営業の活動も訪問中心から、電話やメール、オンラインツールを活用したインサイドセールスが標準の営業モデルになり、さらに営業部門全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)への取組推進は拡大している状況であります。また多くの企業は競争力向上を目的としたDX推進のための社内人財の育成やITリテラシーの強化を実施しており、そして、その研修形態も集合型研修からオンライン研修へシフトしているため、研修市場の拡大が見込まれています。
 

このような環境のもと、当社グループはそれぞれの事業拡大に注力した結果、当連結会計年度の売上高は、5,593百万円(前年同期比 53.4%増)、営業利益は644百万円(同 47.1%増)、経常利益は649百万円(同 47.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は493百万円(同 68.3%増)となりました。

 

当社グループの各事業のサービス別業績の概要は、以下のとおりであります。

 

・インサイドセールス事業

当社グループのインサイドセールス事業を取り巻く環境としては、コロナ禍で非対面の営業モデルであるインサイドセールスの需要の拡大は継続しており、アウトソーシングを活用してのインサイドセールスの導入、およびその活動領域の拡大による需要は引き続き高い状況となっております。また顧客体験(カスタマーエクスペリエンス:CX)に対応した営業活動を変革させるDXの需要も続いており、営業成績を起点とする営業力の強化を目指すセールスイネーブルメント※への関心も高まっております。

このような環境のもと、主要サービスであるアウトソーシングサービスは特に既存顧客からの受注が伸び、売上高は、3,634百万円(前年同期比 11.5%増)となりました。コンサルティングサービスの売上高は、117百万円(同4.7%増)。システムソリューションサービスは、AIを活用した営業活動支援ツール 「SAIN(サイン)」の自社クラウドツール提供サービスが、前年同期33百万円から54百万円(同 62.1%増)と伸び、システムソリューションサービス全体の売上高は、337百万円(同 22.3%増)。インサイドセールス事業全体の売上高は、4,089百万円(同12.1%増)となりました。

 

※「セールスイネーブルメント」Sales Enablement:営業組織を強化・改善するための取組。営業研修や営業ツールの開発・導入、営業プロセスの管理分析といった改善施策を総合的に設計し、目標達成状況や各施策の貢献度などを数値化することにより、営業活動の最適化と効率化を目指す取組のことを指します。

 

・研修事業

当社グループの研修事業の属する企業向け研修市場は、このコロナ禍において企業内での集合研修や対面教育の制限があることから、その代替え手段としてオンライン研修が有効であり、需要が引き続き拡大しております。

当連結会計年度における研修事業の売上高※1は、1,504百万円となりました。

また「DX推進研修※2」プログラムが引き続き好調に伸び、292百万円となりました。
 

※1:2021年3月31日付にて、株式会社アイ・ラーニングの全株式を取得、連結子会社になったことに伴い、第1四半期連結会計期間において新たに「研修事業」を報告セグメントとして加え貸借対照表のみ連結、第2四半期連結会計期間より、損益計算書においても連結をしているため、2021年4月から2021年12月までの9カ月間の売上高となります。

※2:「DX推進研修」AI、クラウド、データサイエンス等の分野の知識力・デザイン思考力を高め、社内のDX推進リーダーを担う人財を育成するための研修プログラムを示しています。
 

 

当社グループの報告セグメントは、従来「インサイドセールス事業」の単一セグメントでありましたが、2021年3月31日付にて、株式会社アイ・ラーニングの全株式を取得、連結子会社になったことに伴い、第1四半期連結会計期間において新たに「研修事業」を報告セグメントとして加え、貸借対照表のみ連結。第2四半期連結会計期間より、損益計算書においても連結をしております。
 

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ820百万円増加して2,799百万円となりました。これは、株式会社アイ・ラーニングの連結子会社化による現金及び預金の増加等によるものであります。

当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ191百万円増加して1,302百万円となりました。これは、株式会社アイ・ラーニングの連結子会社化による建物附属設備及び工具器具備品の増加等によるものであります。

この結果、前連結会計年度末に比べ1,011百万円増加して総資産は4,101百万円となりました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ457百万円増加して1,035百万円となりました。これは、株式会社アイ・ラーニングの連結子会社化による賞与引当金の増加等によるものであります。

当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ54百万円増加して124百万円となりました。これは、長期借入金の増加等によるものであります。

この結果、前連結会計年度末に比べ511百万円増加して負債合計は1,159百万円となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ500百万円増加して2,941百万円となりました。これは、利益剰余金の増加によるものです。

この結果、前連結会計年度末に比べ7.3%低下して自己資本比率は71.7%となりました。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ670百万円増加し、1,758百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は905百万円となりました。(前連結会計年度は396百万円の獲得)これは主に法人税等の支払額168百万円があったものの、税金等調整前当期純利益が614百万円、減価償却費が201百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は347百万円となりました。(前連結会計年度は431百万円の使用)これは有形固定資産の取得による支出64百万円、無形固定資産の取得による支出159百万円及び貸付による支出150百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は112百万円となりました。(前連結会計年度は86百万円の獲得)これは主に長期借入金の返済による支出が83百万円ありましたが、長期借入れによる収入200百万円等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(b)受注実績

当社グループのサービス提供の実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。

 

(c)販売実績

当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。当社グループの報告セグメントは、従来「インサイドセールス事業」の単一セグメントでありましたが、2021年3月31日付にて、株式会社アイ・ラーニングの全株式を取得、連結子会社になったことに伴い、新たに「研修事業」を報告セグメントとして加えております。

 

サービスの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

販売高(千円)

前年比(%)

インサイドセールスアウトソーシングサービス

3,634,121

11.5

インサイドセールスコンサルティングサービス

117,939

4.7

システムソリューションサービス

337,043

22.3

インサイドセールス事業 計

4,089,107

12.1

研修事業        計

1,504,626

-

合計

5,593,733

53.4

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

②経営成績等

(a)財政状態の分析

財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(b)経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は5,593百万円となり、前期に比べ1,947百万円増加いたしました。これは主に、株式会社アイ・ラーニングが連結子会社になったこと、及びインサイドセールス事業の売上が堅調に推移したことによります。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は3,865百万円となり、前期に比べ1,292百万円増加いたしました。これは主に、売上高の増加に伴い労務費が528百万円の増加、外注委託費が320百万円の増加等によるものであります。

この結果、当連結会計年度の売上総利益は1,728百万円となり、前期に比べ654百万円増加いたしました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,083百万円となり、前期に比べ448百万円増加いたしました。これは主に、本社の一部移転等に伴う一過性の費用増加や、事業規模拡大に伴う業務委託費の増加等によるものであります。

この結果、当連結会計年度の営業利益は644百万円となり、前期に比べ206百万円増加いたしました。また、当連結会計年度の売上高営業利益率は11.5%となり、前期と比べ0.5ポイント下がっております。

 

(営業外損益、経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は7百万円となり、前期に比べ4百万円増加いたしました。

当連結会計年度の営業外費用は2百万円となりました。これは主に、借入金の増加に伴う支払利息の増加です。

この結果、当連結会計年度の経常利益は649百万円となり、前期に比べ208百万円増加いたしました。

 

(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の特別利益は発生せず、前期に比べ増減はありません。

当連結会計年度の特別損失は35百万円となり、前期に比べ35百万円増加いたしました。これは、固定資産除却損を計上したためです。

この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は493百万円となり、前期に比べ200百万円増加いたしました。

 

(c)キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及びシステム開発等にかかる設備投資によるものであります。当社グループの運転資金につきましては、自己資金(利益等の内部留保資金)で賄っており、資金の流動性は確保できております。また、自己資金で手当てできない場合は、金融機関からの借り入れによる資金調達となりますが、借入先・借入金額等の条件は所定の手続きにより資金調達を行うことになります。

 

④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。当社グループでは売上高及び営業利益を重要な指標としております。

当連結会計年度における売上高は前期に比べて1,947百万円増加し、5,593百万円となりました。また、営業利益は、前期に比べて206百万円増加し、644百万円となりました。引き続きこれらの指標について増加するよう取り組んでまいります。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境の変化や組織体制の整備等、さまざまなリスク要因が当社グループの成長や経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは、常に新技術の動向や市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保育成し、顧客ニーズを満たす製品・サービスを提供していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因の低減を図ってまいります。

 

⑥経営戦略の現状と見通し

当社グループは今後も拡大されることが予想されるIT市場において、競争優位性を確保するために、顧客企業に対して高付加価値を提供するサービスの創造に鋭意努めてまいります。また、より強固なポジションを獲得するために、開発体制及び営業体制の強化を重要な経営戦略と認識し、事業の拡大に取り組んでまいります。

 

⑦経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループが今後事業を拡大し、より高品質なサービスを継続提供していくためには、経営者は「2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。

 

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