課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 営業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を軸として法人営業改革を支援する、さまざまなサービスを提供し、高成長かつ高収益な企業グループであることを目指します。

 

(2)経営戦略等

 新型コロナウイルス(COVID-19)の感染症の影響から、企業活動においてテレワークやオンラインミーティングの活用等、新しい形態での事業運営が行われており、今後コロナ禍収束後においても、同様の形態が必要とされていくと見込んでおります。従来、訪問が中心であった法人営業活動も電話やメール、オンラインツールを活用したインサイドセールスが標準のモデルとなり、さらに営業部門全体のDXへの取り組み推進が拡大している状況にあります。また多くの企業は競争力向上を目的としたDX推進のための社内人材の育成やITリテラシーの強化を実施しており、そして、その研修形態も集合型研修からオンライン研修へシフトしているため、研修市場の拡大が見込まれており、総合的な改革を支援することで当社グループ全体の成長を目指しています。

 

①インサイドセールス事業

当社グループは、上記の経営方針の下、法人営業の問題を解決する一つの手法としてインサイドセールスに注目してサービスを提供しております。インサイドセールスとは実際には顧客には訪問せずに、内勤で電話やメールまたはWEBなどの様々な営業チャネルを活用し、法人営業の一部のプロセスを担当して実行する営業活動または営業担当者を意味します。従来、一人の担当者がすべての営業プロセスを担当し、また訪問で活動を行う属人的な営業モデルから、プロセス分業で、インサイドセールスで行うプロセスを取り入れるよう業務設計を行い、そのインサイドセールスの実行、そして実行するための道具であるシステム構築を提供するサービス事業を行っております。

 

「コンサルティングサービス」

営業活動のDX推進を支援するコンサルティングサービスを提供する子会社「ClieXito株式会社」において、企業戦略の上流領域である営業戦略立案のコンサルティングサービスを提供し、その後のアウトソーシングサービス、システムソリューションサービス、研修サービスでそのDX推進の実現を支援できるよう、提言を行います。

 

「アウトソーシングサービス」

既存の売上高を中心に毎年10-15%程度の安定成長が見込める、企業のインサイドセールスの実行を担う、リソース提供のアウトソーシングサービスです。従来は外資系IT企業が主な顧客でありましたが、近年、特にコロナ禍によりインサイドセールスの認知度が向上し、金融・製造業等からの需要増加にも伴い、顧客ポートフォリオの拡大を継続して図ってまいります。

 

「システムソリューション」

従来、受託開発(SFA・CRMのシステムインテグレーション)を始めとするフロー収益が中心のサービスでしたが、2020年12月期よりインサイドセールス支援顧客管理ツール「Funnel Navigator」を始めとするライセンスサブスクリプションおよびインサイドセールスのAI支援システム「SAIN」のサブスクリプションサービスを中心とするストックビジネスへの転換を進めてまいりました。今後は営業データ分析ツール構築・利用料を加え、より顧客のDXを推進できるソリューションツールの提供を目指します。

 

②研修事業

研修事業を提供する連結子会社「株式会社アイ・ラーニング」は、従来、システムインテグレーター等のIT事業者向けの研修サービスの実績を生かし、今後は全事業会社向けに、また非エンジニア人材に対するDX人材育成、またリスキリング(※)のパートナーとして事業領域を拡大させてまいります。

 

※リスキリング

経済産業省が推奨する、コロナ禍による働き方の変化、デジタル時代の到来に対応した人材育成に企業が従業員に対して行う取り組み。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、売上高及び営業利益を重要な経営指標と位置づけ、2025年までに売上100億円、営業利益15億円達成のために、高成長領域としているコンサルティングサービス、システムソリューションサービス、研修サービスの3つの高成長領域のサービスで、売上の4割を形成するべく成長目標をおいています。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループの対処すべき課題は以下のとおりであります。

①安定的な人材確保

インサイドセールス事業においては、人材獲得競争激化により、タイムリーな人材確保の困難な状況が続いております。このような環境の下、当連結会計年度につきましては、新卒採用及び中途採用の強化を行いました。また新型コロナウイルスの感染防止の観点からテレワーク就業のためのITツール導入及び規定の整備を実施いたしました。社員がより働きやすい環境を考え、働き方・ライフスタイルを考慮した労働環境への柔軟な対応を講じてまいります。

 

②システムの安定性確保

当社グループは、インターネットを活用して顧客にサービスを提供しており、システムの安定稼働の確保は必要不可欠です。新型コロナウイルス感染防止の観点から、テレワーク就業の比率が向上しているため、当連結会計年度につきましては、一部ネットワークシステムの改善増強を行いました。安定してサービスを提供するために顧客社数の増加や社員の就業スタイルにあわせたサーバーの増設等の設備投資を継続的に行い、新しいシステム稼働環境を創造していくことに取り組んでおります。

 

③デジタルマーケティングによる販促活動強化

新型コロナウイルスの感染症防止の観点から、どの企業においても従来主流であった訪問をして営業活動ができなくなり、インサイドセールス機能で顧客接点を実施せざるを得ない状況が発生しており、多くの企業が本格的な営業モデルの改革を試みています。これに伴い、日本においてインターネット上で「インサイドセールス」というキーワード検索数は、2013年からの7年間で85倍まで増加(※)しております。このような環境の下、当社グループといたしましては、2020年12月期より、自社開催するセミナーを全面的にオンライン、ウェビナーへ切替、WEBマーケティングを強化してまいりました。今後は、よりインサイドセールス及びDX支援を求める需要にお応えできるよう、オンラインで得られるあらゆるデータやタッチポイントを利用するデジタルマーケティングで販促活動を強化してまいります。

 

※Google広告 キーワードプランナーによる自社調査結果

 

④収益基盤の拡大

新型コロナウイルス感染症拡大の影響から国内外の経済活動の先行きは不透明な状況が続く中、多くの企業が、顧客コンタクトを「対面型」から「非対面型」への変更を模索しており、法人営業部門におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速されてきております。その結果、「非対面型」のインサイドセールスの導入が加速され、また、デジタルマーケティングの強化が今まで以上に必要となっています。そのような環境の下、当社グループは以下の課題に取り組んでまいります。

 

(アウトソーシングサービス)

インサイドセールスの認知促進により、顧客ポートフォリオの拡大を継続して図ってまいります。顧客ニーズに合ったサービス提供を進め、拡大するインサイドセールス市場での新規顧客獲得および成長を図ります。

 

(コンサルティングサービス)

当社連結子会社「ClieXito株式会社」より、顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)に対応する営業活動のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するコンサルティングサービスを提供し、安定成長領域であるアウトソーシングサービスを始めとする当社グループ全体のサービス提供につながる、法人営業改革の提言を行うことに注力してまいります。

 

(システムソリューションサービス)

従来の受託開発(SFA・CRMの開発)のフロービジネスからストックビジネスへの転換をさらに進め、高成長領域である営業データ分析ツール構築・提供を強化してまいります。

 

(研修サービス)

当社連結子会社「株式会社アイ・ラーニング」は、1990年以来、システムインテグレーター及びIT事業者向けの研修サービス提供実績を生かし、今後は全事業会社向けのDX人材育成、リスキリングのパートナーとして、事業領域拡大に取り組んでまいります。

 

⑤コーポレート・ガバナンス体制及び内部管理

当社グループが継続的な成長を続けるためには、コーポレート・ガバナンスの更なる強化と内部管理体制の強化が重要であると認識しております。コーポレート・ガバナンスに関しては、経営の効率性、健全性を確保すべく、監査役監査、内部監査、会計監査及び内部統制システムの整備によりその強化を図ってまいります。

 

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