当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度(2021年10月1日~2022年9月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止による行動制限が段階的に緩和され、停滞していた業種の本格的な経済活動の再開が進みました。一方、世界各国の根強いインフレや政策金利の利上げ、急激な円安の進行に加え、ロシアのウクライナ侵攻の長期化による資源高や穀物高が続き、輸入品を中心に物価が上昇していることから、景気の先行きに不透明感が広がっています。
当社グループを取り巻く各市場においては、プロモーション市場では広告・販促の市場規模は、(マスメディア4媒体広告を除く)は前年同期比約103.5%となり、復調傾向にあります。媒体別ではダイレクトメール等のアナログ系媒体が同約99.2%と横ばいとなったものの、SP・PR・催事企画が111.5%となり、コロナ禍で落ち込んだ前年同期から回復しています。インターネット広告も同約109.5%と引き続き伸長し、広告分野は全体的に伸長しています(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」より当社グループ調べ)。採用市場では、有効求人倍率が1.32倍(2022年8月)となり、安定的に推移しています。教育機関市場では、大学・短大への進学率が58.9%と過去最高水準にある状況となっています(2021年度「学校基本調査」)。
このような状況の中、当社グループのプロモーション支援事業では、ニーズの高いキャンペーン事務局代行を中心とした事務局運営の受託、新型コロナウイルス関連事業の受託拡大に注力をしました。採用支援事業では、来年度入社対象の求人の引き合いが増加したことによるマッチング企画の規模を拡大して実施したほか、ダイレクトリクルーティングサービスの運用代行を含む採用代行業務の運営や新卒紹介、官公庁雇用促進事業の受託に注力しました。教育機関支援事業では、引き続き、大学の寄付・募金関連を中心とした入学広報関連以外でのプロモーション・業務代行のほか、外国人の入国が再開されたことに伴う外国人留学生事業の進学サービスを推進しました。また、グループ全体として、イベントスペース「アクセスフォーラム」の一部縮小と閉鎖に合わせたオフィス移転、事業子会社の固定資産売却などを含めた経営合理化施策を推進いたしました。
その結果、全ての事業セグメントで増収となりセグメント利益を確保したことから、連結ベースでも増収となり、各段階利益が黒字に転じました。当連結会計年度における売上高は3,683百万円(前年同期比12.2%増)、営業利益は54百万円(前年同期は営業損失226百万円)、経常利益は38百万円(前年同期は経常損失246百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は11百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失429百万円)となりました。なお、イベントスペース「アクセスフォーラム」の合理化に係る原状回復費用や移転費用により販売費及び一般管理費、営業外費用が期初予想より増加しましたが、合理化による費用の増加分を除いた営業利益は、概ね想定通りの結果となりました。
当連結会計年度における、事業セグメント別の業績は、以下のとおりです。
(プロモーション支援事業)
当連結会計年度(2021年10月1日~2022年9月30日)のプロモーション支援事業におきましては、キャンペーン事務局を中心とした事務局代行の受託を中心に大きく伸長したほか、新型コロナウイルス関連の事務局運営等を足掛かりとした受託事業も順調に進んだことから、自治体・公的機関・共済分野を中心に堅調に推移いたしました。デジタル関連商材も概ね想定どおり推移した結果、売上・利益面ともに前年同期を大きく上回り、セグメント利益を確保しました。
その結果、売上高は1,481百万円(前年同期比19.7%増)、セグメント利益は32百万円(前年同期はセグメント損失60百万円)となりました。
(採用支援事業)
当連結会計年度(2021年10月1日~2022年9月30日)の採用支援事業におきましては、ダイレクトリクルーティングの運用代行、官公庁からの受託を含む雇用関連イベント運営関連の個別案件が堅調に推移したほか、新卒向け人材紹介が大きく伸長しました。また、来年度入社を対象にしたマッチング企画の引き合いが多く、企画を拡大して実施したことが利益面に貢献しました。販売費及び一般管理費の削減も奏功し、前年同期を上回ってセグメント利益の確保しました。
その結果、売上高は1,100百万円(前年同期比8.3%増)、セグメント利益は11百万円(前年同期はセグメント損失225百万円)となりました。
当連結会計年度(2021年10月1日~2022年9月30日)の教育機関支援事業におきましては、特に個別案件が伸長しました。引き続き、デジタル関連広告が売上を牽引したほか、教育機関の職域接種運営代行や寄付・募金関連プロモーションが結実し、前年同期を上回りました。また、外国人留学生募集関連では、外国人の新規入国制限の緩和措置により、高等教育機関における学生募集広報のニーズが回復基調となりました。当社グループの合理化による人員配置の適正化により人件費が増加し、利益面では前年同期比減となりましたが、売上・利益ともに想定どおりに推移しました。
その結果、売上高は1,101百万円(前年同期比7.0%増)、セグメント利益は35百万円(前年同期比22.3%減)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末と比べ810百万円減少し、2,067百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少852百万円、受取手形及び売掛金の増加50百万円によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末と比べ25百万円増加し、274百万円となりました。これは主に、有形固定資産の増加6百万円、無形固定資産の増加12百万円、差入保証金の増加22百万円によるものであります。
(繰延資産)
当連結会計年度末における繰延資産の残高は、前連結会計年度末と比べ0百万円減少し、0百万円となりました。これは社債発行費の減少0百万円によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比べ641百万円減少し、1,478百万円となりました。これは主に、短期借入金の減少667百万円、1年以内償還予定社債の減少24百万円、買掛金の増加17百万円、未払消費税等の増加29百万円によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比べ163百万円減少し、410百万円となりました。これは主に、長期借入金の減少109百万円、長期未払金の減少6百万円、社債の減少40百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ19百万円増加し、453百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加11百万円、自己株式の処分による増加12百万円によるものであります。
現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ582百万円減少した結果、当連結会計年度末は1,105百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は20百万円(前連結会計年度に支出した資金は436百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益14百万円の計上、保険解約返戻金△16百万円、売上債権の増加△30百万円、棚卸資産の増加△47百万円、仕入債務の増加17百万円、未払消費税等の増加29百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は269百万円(前連結会計年度に獲得した資金は56百万円)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出13百万円、差入保証金差入による支出13百万円、定期預金の預け入れによる支出29百万円、定期預金の払戻による収入300百万円、保険積立金の解約による収入31百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は831百万円(前連結会計年度に支出した資金は256百万円)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出667百万円、長期借入の返済による支出109百万円、社債の償還による支出64百万円があったことによるものであります。
当社はプロモーション支援事業、採用支援事業、教育機関支援事業を行っており、提供するサービスの性質上、生産実績及び受注実績の記載になじまないため、省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度および当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社グループは、貸倒引当金、固定資産の減損、投資その他の資産の評価、税効果会計などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計上の見積りは「第5 経理の状況 1財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
なお、新型コロナウイルス感染症に関する会計上の見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における売上高は3,683百万円(前年同期比12.2%増)、営業利益は54百万円(前年同期は営業損失226百万円)、経常利益は38百万円(前年同期は経常損失246百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は11百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失429百万円)となりました。なお、イベントスペース「アクセスフォーラム」の合理化に係る原状回復費用や移転費用により販売費及び一般管理費、営業外費用が期初予想より増加しましたが、合理化による費用の増加分を除いた営業利益は、概ね想定通りの結果となりました。
セグメント別の当第連結会計年度の事業成績は、以下のとおりです。
① プロモーション支援事業
プロモーション支援事業におきましては、キャンペーン事務局を中心とした事務局代行の受託を中心に大きく伸長したほか、新型コロナウイルス関連の事務局運営等を足掛かりとした受託事業も順調に進んだことから、自治体・公的機関・共済分野を中心に堅調に推移いたしました。デジタル関連商材も概ね想定通り推移した結果、売上・利益面共に前年同期を大きく上回り、セグメント利益を確保しました。
その結果、売上高は1,481百万円(前年同期比19.7%増)、セグメント利益は32百万円(前年同期はセグメント損失60百万円)となりました。
② 採用支援事業
採用支援事業におきましては、ダイレクトリクルーティングの運用代行、官公庁からの受託を含む雇用関連イベント運営関連の個別案件が堅調に推移したほか、新卒向け人材紹介が大きく伸長しました。また、来年度入社を対象にしたマッチング企画の引き合いが多く、企画を拡大して実施したことが利益面に貢献しました。販売費及び一般管理費の削減も奏功し、前年同期を上回ってセグメント利益の確保しました。
その結果、売上高は1,100百万円(前年同期比8.3%増)、セグメント利益は11百万円(前年同期はセグメント損失225百万円)となりました。
③ 教育機関支援事業
教育機関支援事業におきましては、特に個別案件が伸長しました。引き続き、デジタル関連広告が売上を牽引したほか、教育機関の職域接種運営代行や寄付・募金関連プロモーションが結実し、前年同期を上回りました。また、外国人留学生募集関連では、外国人の新規入国制限の緩和措置により、高等教育機関における学生募集広報のニーズが回復基調となりました。当社グループの合理化による人員配置の適正化により人件費が増加し、利益面では前期比減となりましたが、売上・利益ともに想定通りに推移しました。
その結果、売上高は1,101百万円(前年同期比7.0%増)、セグメント利益は35百万円(前年同期比22.3%減)となりました。
キャッシュ・フローの状況の分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、「2 事業等のリスク(2)当社グループの事業に関するリスク④継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載の通り、当社グループは、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。このような状況に対し、当社グループは、当座貸越契約等に基づく資金の借入を行うことにより、必要な運転資金を確保しております。これにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
当社グループにおける資金需要の主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金及び設備投資資金であります。当社グループの資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入となります。
内部留保金の使途につきましては、更なる成長に向け、長期的な視点に立ったサービス開発への設備投資、事業拡大のための資金確保に活用していく方針としております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
わが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況によって行動意識が変化するなど、感染状況による行動変化は大きいものの、行動制限による影響を受けていた業種の経済活動の回復が本格化しました。一方、世界的なインフレによる政策金利の利上げ、地政学リスクの高まりによる資源高や円安傾向による輸入品を中心とした物価上昇、中国のゼロコロナ政策緩和による経済的な混乱など、景気の先行きが不透明な状況が広がっています。
当社グループを取り巻く市場環境も、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって大きく変化しました。今後は行動制限のない経済活動が進む一方で、経済の不透明感は継続するものと想定しております。当社グループは、各セグメントのマーケットを俯瞰し、行動制限を受けにくい事業モデルへの変革と経営合理化に注力し、2022年9月期は全てのセグメントで黒字に転換しています。更に、就活時期の早期化、通年化へ進む昨今の状況や、教育機関支援事業の主たる取引先である大学等の予算執行時期を鑑みて決算期を9月末から3月末に変更し、大口の受注活動を加速化させることで成長を加速させてまいります。なお、当社グループは、従来より業績の季節変動要因を抱えており、特に教育機関支援事業において売上集中期が4月以降となることから、2023年3月期の半期決算においては、その傾向を踏まえた業績予想としています。
各セグメントごとの戦略と見通しは以下のとおりです。
セールスプロモーションを含む日本の総広告費推移は、新型コロナウイルスの影響から脱却しつつあり、2021年は6兆7,998億円となっています。(電通「2021年 日本の広告費」より)。また、当社が注力するキャンペーン等の事務局代行は、SNS運用支援や分析ツールの市場規模推計で2021年の316億円から2027年には663億円に伸長する予測となっています(サイバー・バズ「デジタルインファクト調べ」より)。今後、プロモーションは一層手法が多様化し、業界を牽引するのはデジタル広告とそれを下支えするアウトソーシング業務であると見通しております。
これらを背景に、当事業では伸長しているキャンペーン等の事務局代行の拡充を図ります。昨今のキャンペーンは、行動制限の緩和により対面型の復活やSNS等によるデジタルツールの普及により広く注目されていますが、SNSの選定や運用方法などは益々多様化してきているほか、対象の商品やプロモーション戦略によって業務が複雑になってきています。当事業では、最新の情報と知見によりキャンペーンプロモーションの提案を行い、その業務を内製化させることで利益効率を高めてまいります。また、ワクチン接種会場運営等で広がった官公庁との取引を足掛かりとした他分野での運営業務の受託促進に努めてまいります。
採用支援市場では、若年者人口の減少を背景として社員の獲得競争が一層激化しています。特に、新卒採用市場においては、インターンシップが本格化し就活が早期化する一方で、通年採用が拡大し、就職活動のスケジュールは従来以上に変化をしています。これらの動きと相まって、企業の採用担当の業務の増加や複雑化により、採用業務やスカウト型メディアの運用を一部外注する動きが盛んになっているほか、費用対効果を明確にするための成果報酬型の人材紹介モデルの引き合いが増加をしています。
当事業では、伸長している採用業務代行やスカウト型メディアであるダイレクトリクルーティングの運用代行に一層注力するほか、大学と連携したエージェント型の人材紹介モデルの構築等、自社の強みである「事務局代行」「大学との連携」を活かしたサービスの拡充を進めます。対面型イベントにおいても、復調傾向であることから市場ニーズに応える企画開発に取り組むとともに販売強化をしてまいります。
教育機関支援市場では、高等教育機関への進学率が83.8%(文部科学省報道発表「学校基本調査/令和3年度(確報)参考資料)となり、アフターコロナと18歳人口の減少を据えて、各大学や専門学校とも学生確保に向けた広報を強化しています。また、当社グループの強みである外国人留学生マーケットにおいても、入国規制の緩和により入国者数が回復、2022年8月末時点で121,677人となり2019年末の水準となりました(法務省「出入国管理統計」)。また、大学運営において寄付・募金による収入確保も本格的な課題となってきています。
当事業では、大学を中心とした教育機関の面的な取引実績を強みに「教育機関の運営・発展のための総合プロデュース企業」として、大学の入試広報以外の部門だけでなく、寄付・募金の活性化に向けたアルムナイ(卒業生)分野、スポーツ振興分野の提案を強化するとともに、入国制限が解除され活性化している外国人留学生分野にも再注力します。復調した事業環境を好機と捉え、今後も教育機関の総合支援化にリソースを投入するとともに、教育関連企業・団体や自治体の支援も見据え事業フィールドを広げてまいります。
また、グループ全般においては、従来の事業領域にとらわれず、当社が積極的にグループ各社を牽引する形で、他社との業務提携や新規事業、M&A等の検討を引き続きおこなってまいります。
経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
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