業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)業績

当連結会計年度における売上高は12,656,671千円(前期比13.2%減)となりました。これはマーケティングによる成果を保証するKPI保証サービスが伸び悩み、ECマーケティングテック売上高が減少したことによるものであります。

 売上総利益は、1,958,443千円(前期比20.3%減)となりました。これは「#SAVE YOUR LIFE」プロジェクトで販売していたマスク等の評価減処理を行ったものの、売上高減少に伴い外注費も減少し、売上原価を10,698,228千円(前期比11.8%減)計上したことによるものであります。

 営業損失は、136,052千円(前期は営業利益503,636千円)となりました。これは業容拡大に伴う人件費や営業経費の増加により、販売費及び一般管理費を2,094,495千円(前期比7.2%増)計上したことによるものであります。

 経常損失は、111,504千円(前期は経常利益469,897千円)となりました。これは営業外収益として補助金収入27,428千円及び投資有価証券償還益22,551千円を計上した一方で、営業外費用として投資事業組合運用損23,568千円及び支払利息10,589千円を計上したことによるものであります。

 税金等調整前当期純損失は、255,387千円(前期は税金等調整前当期純利益469,904千円)となりました。これは特別損失として、海外子会社において固定資産を減損処理したことなどによる減損損失59,219千円及び投資有価証券評価損84,727千円を計上したことによるものであります。

 親会社株主に帰属する当期純損失は、259,815千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益334,263千円)となりました。これは主に法人税等を4,360千円計上したことによるものであります

 

 なお、当社グループはEC支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

(2)財政状態

(資産)

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ301,682千円減少し、3,684,159千円となりました。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ273,579千円増加し、1,344,535千円となりました。

 この結果、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ28,102千円減少し、5,028,694千円となりました。

(負債)

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ122,764千円減少し、2,456,104千円となりました。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ368,679千円増加し、639,824千円となりました。

 この結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ245,915千円増加し、3,095,929千円となりました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ274,017千円減少し、1,932,764千円となりました。

 

(3)キャッシュ・フロー

  当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ310,995千円減少し、当連結会計年度末には1,955,840千円となりました。

  当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動の結果使用した資金は430,205千円(前連結会計年度は778,284千円の資金の収入)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純損失255,387千円の計上及び仕入債務の減少324,637千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動の結果使用した資金は396,579千円(前連結会計年度は398,626千円の資金の支出)となりました。主な要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入132,451千円があった一方で、投資有価証券の取得による支出226,324千円及び無形固定資産の取得による支出227,411千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果得られた資金は515,059千円(前連結会計年度は270,751千円の資金の収入)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出258,694千円及び自己株式の取得による支出121,412千円があった一方で、短期借入金の純増額155,000千円、長期借入による収入720,000千円があったことによるものであります。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当社グループ全体における生産及び受注実績の金額的重要性が乏しく、提供する主要なサービスの性格上、当該記載が馴染まないことから記載を省略しております。

 

(2)受注実績

 当社グループでは一部個別の受託開発を行っておりますが、「(1)生産実績」に記載の理由から、記載を省略しております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはEC支援事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。

サービスの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

ECマーケティングテック

9,488,260

△11.3

広告マーケティング

2,954,525

△14.5

その他

213,884

△51.0

合計

12,656,671

△13.2

 (注)1.サービス間取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

プレミアアンチエイジング㈱

1,570,097

10.8

2,080,458

16.4

㈱アイム

2,410,458

16.5

1,214,934

9.6

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 なお、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界的な経済活動の停滞により厳しい状況が続きました。2020年末から感染再拡大の兆しがみられる中、度重なる緊急事態宣言により、景気は減速感が強まり個人消費の停滞をもたらしました。

 国内EC市場規模は2020年20兆円から2026年には29兆円に拡大(「ITナビゲーター2021年版」発表データ)、世界の越境EC市場規模は2020年0.9兆ドルから2027年には4.8兆ドルに拡大することが予想(「ZION Market Research」発表データ)されており、国内外においてEC市場規模は急速に拡大しております。当社グループの主要な事業領域である、ヘルスケア&ビューティ及び食品市場においても、シニア人口の増加に伴う、セルフメディケーション(ヘルスケア)、アンチエイジングといった健康・美容志向の高まりなどを受け、必然的にマーケティングコストの拡充も見込まれます。

 また、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言の発令や外出自粛等の影響から実店舗での消費が減少する一方で、巣ごもり需要によりEC販売へのニーズが増加する等の顧客行動の変容が見られるものの、ヘルスケア&ビューティ及び食品市場においては景表法・薬機法等の表現の規制も一層厳しくなり、広告業界はクリーン化に向けての対応が急務となりました。

 このような状況下において、当社グループは「全てがWINの世界を創る」という経営理念のもと、「Smart Marketing For Your Life」をビジョンに、ヘルスケア&ビューティ及び食品市場の通販DX事業を軸として、クライアントのオールデータパートナーとなるべく、事業開発から商品開発、インフラ整備、ブランディング、オンライン・オフラインでの新規顧客から既存育成等を一気通貫の専門ソリューションとして提供してまいりました。また、それらの知見を活かしてエンタメDX事業等の異業種への拡張、越境EC市場への需要の高まりを受けグローバル展開等、事業領域を拡大してまいりました。さらに、企業ミッションを「すべての人に価値ある体験を創りつづける」に変更し、今まで主軸としていたヘルスケア&ビューティ及び食品市場から、横展開可能な通販DXサービスの異業種への展開を開始しました。

 既存事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、リアルイベントの中止や広告媒体の発刊中止が相次いだほか、東南アジアでの海外事業の展開が想定よりも鈍化しました。また、景表法・薬機法の規制強化による一時的な広告効率の悪化が売上に影響を及ぼしました。景表法・薬機法の規制は、日々厳しさを増しており、2021年8月には、薬機法の改正により、違反した広告主だけでなく広告代理店、広告を掲載するメディア、インフルエンサーに課徴金が課されることとなりました。各大手ネットワーク側での審査も厳しさを増しており、YouTubeでは検出システムが改善され違反広告を55万件削除する等、市場のクリーン化に向けた動きが活発化しております。一方で、各大手ネットワークの自主審査基準は景表法・薬機法の規制以上に厳しくなり、今までであれば可能であった広告表現や法的に問題がないクリエイティブや、過去には使用可能であったクリエイティブにも規制が入り使用することができなくなる等、当社においても一時的に広告効率の悪化が見られました。しかし、景表法・薬機法が厳重になることにより違反広告が淘汰されていくなか、広告の安全性を求めるクライアントからの依頼は増加しました。中長期的にみると、違反広告が減少し広告業界がクリーンになることが予想されるので、引き続き安全な広告会社としての当社の優位性を発揮すべく厳重なチェックを行う体制を構築してまいります。

 このように、市場のクリーン化は加速しているものの、市場では景表法・薬機法に違反している広告のすべてがなくなるわけではなく、それらの違反広告と、法律に則った当社の広告を比較すると、違反広告のほうが目につきやすく、大ヒット商品へとつながる広告の制作が困難な状況が続いております。これらを受け、Webを中心としたKPI保証の新規顧客獲得や既存顧客の育成を中心としていた事業形態(KPI保証サービス)から、ブランディング広告やTVCM等にも事業領域を拡大し、オンライン・オフラインのデータを一気通貫で分析し広告効果を効率化するための通販DXサービスを本格稼働しました。通販DXサービスとして、TVCM効果を可視化するサービス「CM-UP」や、オフライン広告とWebを連動するサービス「オフラインDX」、ミドルファネル施策、インフルエンサー施策、インフォマーシャルに注力しました。また、これらのサービスは他業種への応用も容易であり、ヘルスケア&ビューティ市場の広告市場が健全化に向かう中での積み上げ施策として異業種に横展開し、収益源の拡充を進めました。さらに、ヘルスケア&ビューティ市場における通販DXサービスでは、事業領域拡大による収益拡大だけでなく、幅広い層に商品の認知を広めWeb広告への流入を増加させることが可能で、KPI保証サービスの収益拡大への寄与も見込まれます。しかし、通販DXサービスは受注してから企画・制作に時間を要し売上の計上が当連結会計年度から来期以降に後ろ倒しになる案件が多数発生しました。

 また、2020年に設立した連結子会社株式会社ピアラベンチャーズにおいて設立したファンド「ピアラベンチャーズ1号投資事業有限責任組合」より5社に投資を実行いたしました。これらの投資はファンドからの資金援助だけでなく、当社からのマーケティング支援の提供を実施し、投資先企業の成長の最大化及び当社の既存事業への収益寄与が見込まれます。加えて当社からは、セルフエステやセルフネイル、病院に行かずに医師の診察を受けることのできるオンライン診療の実施を構想するE-Medical株式会社に、投資を実行いたしました。当社の通販DXサービスにより、投資先企業のマーケティングを全面的に支援し、集客やCRMを担ってまいります。さらに今後は、オンライン診療において、当社のオンライン接客ツール「リモートせっきゃくん」の提供や、ドクターズサプリやコスメ等の事業展開等、シナジーの最大化を目指す予定です。

 新規事業につきましては、エンタメ業界におけるあらゆるサービスを1つに集約した次世代型総合エンタメプラットフォーム「サイバースター」に、アーティストのデジタルコンテンツをNFTとして発行し売買することができるNFTモールのオープンの準備を進めました。

 

 以上の結果、当連結会計年度における売上高は12,656,671千円(前期比13.2%減)となりました。これは前述のとおり、マーケティングによる成果を保証するKPI保証サービスが伸び悩み、ECマーケティングテック売上高が減少したことによるものであります。

 売上総利益は、1,958,443千円(前期比20.3%減)となりました。これは「#SAVE YOUR LIFE」プロジェクトで販売していたマスク等の評価減処理を行ったものの、売上高減少に伴い外注費も減少し、売上原価を10,698,228千円(前期比11.8%減)計上したことによるものであります。

 営業損失は、136,052千円(前期は営業利益503,636千円)となりました。これは業容拡大に伴う人件費や営業経費の増加により、販売費及び一般管理費を2,094,495千円(前期比7.2%増)計上したことによるものであります。

 経常損失は、111,504千円(前期は経常利益469,897千円)となりました。これは営業外収益として補助金収入27,428千円及び投資有価証券償還益22,551千円を計上した一方で、営業外費用として投資事業組合運用損23,568千円及び支払利息10,589千円を計上したことによるものであります。

 税金等調整前当期純損失は、255,387千円(前期は税金等調整前当期純利益469,904千円)となりました。これは特別損失として、海外子会社において固定資産を減損処理したことなどによる減損損失59,219千円及び投資有価証券評価損84,727千円を計上したことによるものであります。

 親会社株主に帰属する当期純損失は、259,815千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益334,263千円)となりました。これは主に法人税等を4,360千円計上したことによるものであります。

 

(3)財政状態

(資産)

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ301,682千円減少し、3,684,159千円となりました。主な要因としましては、現金及び預金の減少310,995千円によるものであります。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ273,579千円増加し、1,344,535千円となりました。主な要因としましては、投資有価証券の増加138,615千円及びソフトウエア並びにソフトウエア仮勘定の増加134,699千円によるものであります。

 この結果、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ28,102千円減少し、5,028,694千円となりました。

(負債)

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ122,764千円減少し、2,456,104千円となりました。これは主に、短期借入金が155,000千円、1年内返済予定の長期借入金が109,502千円増加した一方で、買掛金が324,637千円、未払法人税等が99,861千円減少したことによるものであります。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ368,679千円増加し、639,824千円となりました。主な要因としましては、長期借入金の増加351,804千円であります。

 この結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ245,915千円増加し、3,095,929千円となりました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ274,017千円減少し、1,932,764千円となりました。これは主に、当期に設立したピアラベンチャーズ1号投資事業有限責任組合が外部有限責任組合員より出資を受け入れたことを主因として非支配株主持分が83,008千円増加した一方で、利益剰余金の配当及び親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が295,387千円減少したことに加え、自己株式を121,146千円取得したことによるものであります。

 

(4)キャッシュ・フローの分析

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (3)キャッシュ・フロー」に記載しております。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、以下のとおりです。

 当社グループは、必要な資金を主に自己資金及び金融機関からの借入で賄っております。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループのサービスを効果的に拡大していくための外注費及び人件費です。投資を目的とした資金需要は、設備投資及び業務提携による関係強化等を目的とした戦略的投資によるものです。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

 「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

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