文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
※当社グループは当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値をIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による影響からは回復しつつあるものの、ウクライナ情勢の緊迫化やそれに伴う原油などの資源価格の高騰などもあり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループが属するインターネットメディア業界において、「インターネット広告費(媒体費+制作費+物販系ECプラットフォーム広告費)」は2兆7,052億円(前年比121.4%)と社会の急速なデジタル化を背景に継続して高い成長率を保っており、マスコミ四媒体広告費を上回る規模となりました(株式会社電通発表「2021年日本の広告費」)。
このような環境の中、当社グループにおいては、「世界中に、アタリマエとシアワセを。」というコーポレート・ミッションのもと、インターネットメディア事業を展開しております。
当社グループでは、就職系メディア「キャリアパーク!」及び「就活会議」、リフォーム系メディア「外壁塗装の窓口」、カードローン系メディア「マネット」等のインターネットメディアを展開し、マッチングビジネスで蓄積したユーザー基盤・顧客基盤をもとに、さらにクロスセル展開、リアルプロダクトやサービスの開発を積極的に推進しております。
また、新たに「エネルギー領域」に参入し、2022年1月4日付で「エネチョイス」、「引越手続き.com」等のマッチングDXメディアを運営する株式会社INEを子会社化するなど、当社の強みであるマッチングDXを主軸に、再生可能エネルギーの創出量増大に向け、様々な施策を展開しております。
さらには、中期経営計画実現のための重要ポイントである送客先拡大のためのアライアンス戦略として、株式会社チェンジとの資本業務提携の締結をはじめ、各領域において業務提携を積極的に行っております。
こうした施策の結果、就職領域が大きく伸長したことや、エネルギー領域において株式会社INEが第4四半期より連結子会社に加わったこと等により、 売上収益6,994百万円 (前年同期比49.2%増)と大幅な増収となり、積極的な投資活動を継続しているものの、営業利益599百万円(前年同期比465.0%増)、税引前当期利益564百万円(前年同期比253.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益332百万円(前年同期比107.3%増)となりました。
なお、当社グループの事業セグメントはインターネットメディア事業のみの単一セグメントであるため、記載を省略しております。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は5,878百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,098百万円増加しました。これは主に、現金及び現金同等物が1,551百万円、営業債権及びその他の債権が702百万円増加したことによるものであります。
また、非流動資産は4,443百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,468百万円増加しました。これは主に、のれんが1,428百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は10,322百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,566百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は3,060百万円となり、前連結会計年度末に比べ957百万円増加しました。これは主に、社債及び借入金が387百万円、未払法人所得税等が330百万円、その他の流動負債が232百万円増加したことによるものであります。
また、非流動負債は4,274百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,644百万円増加しました。これは主に、社債及び借入金が2,092百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は7,335百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,601百万円増加しました。
(資本)
当連結会計年度末における資本は2,986百万円となり、前連結会計年度末に比べ964百万円増加しました。これは主に、第三者割当増資により資本金及び資本剰余金がそれぞれ99百万円増加したこと、及び当期利益の計上により利益剰余金が332百万円増加したことによるものであります。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は、22.9%(前連結会計年度末は29.9%)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,551百万円増加し、当連結会計年度末には3,962百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は614百万円(前連結会計年度比426百万円増)となりました。これは主に、税引前当期利益の計上564百万円、減価償却費及び償却費の計上206百万円、営業債権及びその他の債権の増加△414百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は469百万円(前連結会計年度比763百万円減)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出360百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,406百万円(前連結会計年度比214百万円増)となりました。これは主に、長期借入れによる収入2,536百万円及び長期借入金の返済による支出556百万円等によるものであります。
当社グループは、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
当連結会計年度における販売実績を事業別に示すと、次のとおりであります。なお、当社グループの事業セグメントはインターネットメディア事業のみの単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。成長のための重要ポイントである送客先拡大のためのアライアンス戦略として、各領域において業務提携を積極的に展開し、会員基盤をベースに主軸の就職領域を中心に各領域が成長し、あらたな領域として参入したエネルギー領域においても、第4四半期より株式会社INEが連結子会社に加わったこともあり、売上収益については、業績予想レンジを若干下回ったものの、EBITDA、営業利益は業績予想レンジ内での着地となりました。
今後も当社グループを取り巻く経営環境等に常に留意しつつ、2023年3月期予想の売上収益93億円、EBITDA15億円の達成に向けて、各領域ともに更なる事業成長を目指してまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。また、持続的な成長を図るため就活領域をはじめとした既存事業の拡大と新規メディア開発を行っており、これらに必要な資金については必要に応じて多様な資金調達を実施しております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債(社債及び借入金)残高は4,933百万円、現金及び現金同等物の残高は3,962百万円であります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
(3) 並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、次のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
また、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、百万円未満を切り捨てて表示しております。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
第2四半期連結会計期間より、就活会議株式会社及び株式会社ドアーズの株式を取得し、子会社化したことに伴い、同社を連結の範囲に含めております。
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
第4四半期連結会計期間より、株式会社INEの発行済株式数の50.91%を取得し、子会社化したことに伴い、同社を連結の範囲に含めております。
1.収益認識に関する会計基準等の適用
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することといたしました。
なお、従来人材紹介サービスにおける紹介手数料の将来の返金に備えるため、将来発生すると見込まれる返金見込額を返金引当金として計上しておりましたが、売上高から控除するとともに、同額の返金負債を計上する方法に変更しております。これによる当連結会計年度の損益及び期首利益剰余金に与える影響はありません。
また、収益認識会計基準第89-2項に定める経過的な取扱いに従って、前連結会計年度について、新たな表示方法により組換えを行っておりません。
2.時価の算定に関する会計基準等の適用
「時価の算定に関する会計基準」(企業会計基準第30号2019年7月4日。以下「時価算定会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用し、時価算定会計基準第19項及び「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号2019年7月4日)第44-2項に定める経過的な取り扱いに従って、時価算定会計基準等が定める新たな会計方針を、将来にわたって適用することといたしました。これによる、連結財務諸表への影響はありません。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「29.初度適用」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準ではのれんを一定期間にわたり償却していましたが、IFRSではのれんの償却は行われず、毎期及び減損の兆候が存在する場合には、その都度減損テストを実施することが要求されております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が260百万円減少しております。
お知らせ