業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計は12,696百万円(前連結会計年度末7,831百万円)となり、前連結会計年度末と比較して4,865百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が2,881百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が1,617百万円、繰延税金資産が188百万円増加したことによるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は5,375百万円(前連結会計年度末2,531百万円)となり、前連結会計年度末と比較して2,843百万円増加しました。主な要因は、買掛金が1,268百万円、未払法人税等が996百万円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は7,321百万円(前連結会計年度末5,300百万円)となり、前連結会計年度末と比較して2,021百万円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を2,121百万円計上したこと等により利益剰余金が2,012百万円増加したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は57.6%(前連結会計年度末は67.6%)となりました。

 

②経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年5月1日~2022年4月30日)における当社グループを取り巻く環境は、上半期においては新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言等も発令され経済活動の制限がある状況となりましたが、国際的なスポーツ案件が実施される明るい兆しもありました。下半期においては変異株の拡大など先行きが不透明な中、各種イベントでも入場制限が緩和され、上半期よりも人流や経済も回復基調にあります。2021年(1~12月)の日本の総広告費は、動画広告需要の高まりやデジタルプロモーションの活用拡大を背景に、インターネット広告費の成長が加速したことで6兆7,998億円、前年比110.4%となり回復しつつあります。(「2021年日本の広告費」株式会社電通調べ)。

 このような中、当社グループでは、事業機会や顧客ニーズの変化に迅速かつ柔軟に対応したことで、デジタル

プロモーションやオンラインイベントの受注が堅調に推移しました。また、人材領域の受注体制を整備・推進

し、収益の確保に努めたほか、BPO案件などの売上も貢献して、増収増益を確保することができました。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高は25,136百万円(前年同期比59.9%増)、売上総利益5,282百万円(同84.2%増)、営業利益3,131百万円(同316.9%増)、経常利益3,182百万円(同237.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,121百万円(同308.4%増)となりました。

 

 なお、当社グループはプロモーション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して2,792百万円増加し、5,897百万円となりました。営業活動による資金の増加3,124百万円、投資活動による資金の減少223百万円、財務活動による資金の減少108百万円などによるものです。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、3,124百万円(前連結会計年度末625百万円の増加)となりました。主な要因は、売上債権及び契約資産の増加額1,619百万円、法人税等の支払額257百万円による資金の減少があった一方で、税金等調整前当期純利益3,176百万円、仕入債務の増加額1,268百万円による資金の増加があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、223百万円(前連結会計年度は69百万円の減少)となりました。主な要因は、定期預金の純増加額89百万円、投資有価証券の取得による支出119百万円による資金の減少があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、108百万円(前連結会計年度は235百万円の減少)となりました。主な要因は、配当金の支払による支出108百万円による資金の減少があったことによるものです。

 

④制作、受注及び販売の実績

a.制作実績

当連結会計年度の制作実績は、次のとおりであります。

事業の名称

当連結会計年度

(自 2021年5月1日

至 2022年4月30日)

前年同期比(%)

プロモーション事業(千円)

19,854,178

154.5

合計(千円)

19,854,178

154.5

 (注) 当社グループはプロモーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の制作実績の記載はしておりません。

 

b.受注実績

 当社グループの受注実績は、制作段階及び運営段階等において当初の内容や金額が変動することが多いことから、受注残高の正確な把握が困難なため、受注実績の記載を省略しております。

 なお、当社グループでは社内の制作受注管理システムにより、案件の進捗度合いの正確な把握に努めております。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

事業の名称

当連結会計年度

(自 2021年5月1日

至 2022年4月30日)

前年同期比(%)

プロモーション事業(千円)

25,136,556

159.9

合計(千円)

25,136,556

159.9

 (注)1.当社グループはプロモーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりません。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりで

  あります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年5月1日

  至 2021年4月30日)

当連結会計年度

(自 2021年5月1日

  至 2022年4月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

凸版印刷株式会社

7,723,728

49.1

8,842,179

35.2

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、当連結会計年度末時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、見積りを使用する必要があります。経営者はこれらの見積りについて過去の実績などを勘案し合理的に判断しておりますが、結果として見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと実績が異なる場合があります。当社グループが採用しております会計方針のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

(売上高)

 当連結会計年度は、事業機会や顧客ニーズの変化に迅速かつ柔軟に対応したことで、デジタルプロモーションやオンラインイベントの受注が堅調に推移しました。また、人材領域の受注体制を整備・推進し、収益の確保に努めたほか、BPO案件などの売上も貢献して増収増益を確保することができました。

 これらの結果、売上高は、25,136百万円(前年同期比59.9%増)となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

 当連結会計年度は、BPO案件等により、売上原価は、19,854百万円(同54.5%増)となりました。この結果、売上総利益は5,282百万円(同84.2%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当連結会計年度は、積極的な事業拡大に伴うコンサルティング費用等の増加により、販売費及び一般管理費は、2,150百万円(同1.6%増)となりました。この結果、営業利益は3,131百万円(同316.9%増)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用及び経常利益)

 当連結会計年度は、営業外収益につきましては、雇用調整助成金47百万円等により、53百万円(同72.4%減)となり、営業外費用につきましては、受取手形のファクタリング手数料である売上債権売却損2百万円等により、2百万円(同44.6%増)となりました。

 この結果、経常利益は3,182百万円(同237.4%増)となりました。

 

(特別利益、特別損失及び税金等調整前当期純利益)

 当連結会計年度は、特別利益につきましては、投資有価証券売却益1百万円により、1百万円(同94.7%減)となりました。

 特別損失につきましては、固定資産除却損6百万円により、6百万円(同66.4%減)となりました。

 この結果、税金等調整前当期純利益は3,176百万円(同237.1%増)となりました。

 

(法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額及び親会社株主に帰属する当期純利益)

 法人税、住民税及び事業税を1,247百万円、法人税等調整額を△192百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,121百万円(同308.4%増)となりました。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通り、事業内容、海外での事業展開に伴うリスク等、様々な要因の変化の影響を受ける可能性があります。このため、優秀な人材の採用と組織体制の整備、内部統制システムの強化等により、これらのリスク要因に対応するように努めてまいります。

 経営戦略の現状と見直しについては、クライアント各社は、インターネットの普及に伴い、従来のマスメディア4媒体のみの広告効果には疑問を呈しつつ、「マスメディア×インターネット」や「マスメディア×インターネット×イベント」等といった、統合マーケティングコミュニケーションへとマーケティング予算をシフトさせており、今後も流れは加速すると考えております。よって、広告市場におけるプロモーション領域の重要性は増していくと考えられます。

 マスメディア自体の効果が相対的に弱まり、クライアント各社が総合的なプロモーションへと予算をシフトさせることは、大手広告会社が従来取り扱ってこなかったプロモーション領域へ進出することにもつながっております。そういったことからもプロモーション業界は、今後も継続的に発展していくものと考えております。一方で、大手広告会社各社がプロモーション専業部門の設置・子会社の再編等、プロモーション領域の強化を行うといったように、今後のプロモーション領域においては、限られた市場の中でのシェア争いという新たな局面を迎える可能性があります。

 上記の現状を踏まえ、当社グループは、そのような市場環境下においても優位性を保つ手段として、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載しておりますが、従前の市場に縛られず事業領域を拡大する等の施策を実行してまいります。

 当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上総利益を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度は、上半期においては新型コロナウイルス感染症によるイベント自粛の影響がありましたが、国際的なスポーツ案件やBPO案件を受注したことにより、売上総利益が増加し、売上総利益率も上昇しています。また、プロモーション領域におけるデジタル案件への速やかな移行や、大型案件へ対応可能な社内体制の構築等により、事業環境の変化にも対応してまいりました。

 経営者の問題意識と今後の方針について、当社グループの今後の成長のためには、当社グループの経営方針に基づき、クライアントへのサービス内容の向上を常に考え、信頼を向上させていくことが不可欠であると考えております。そのためには、今後の事業規模の拡大に合わせて適時に人員補充を進め、これと併せて組織体制の整備を進めていくことが重要と認識しております。

 具体的には、優秀な人材の採用を積極的かつ適時に行うとともに、教育研修制度を充実させ、幅広い知見を具備した人材の育成を図っていく所存であります。同時に、組織としてのノウハウの蓄積、組織的なナレッジシェアリングシステム、営業活動の「見える化」等、社内のインフラ整備を進め、個人の能力を組織として補完できるように内部管理体制の強化を行うと共に、組織改革を進めてまいります。

 

(資本の財源及び資金の流動性についての分析)

 キャッシュ・フローにつきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、イベントやセールスプロモーションの制作費ならびに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であり、原則として自己資金でまかないますが、一時的な運転資金を効率的に調達するために、当座貸越を利用する場合がございます。

 今後、既存事業の事業成長の推進と併せて、積極的に新規事業の創出などに取り組んで参りますが、その折に必要となる資金に関しましては、資金需要の必要性に応じて、柔軟に資金調達を実施致します。

 

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