業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当社の事業領域である人材・就職支援業界においては、2021年12月の有効求人倍率が1.16倍(前年同月は1.05倍。厚生労働省調査)、完全失業率が2.7%(前年同月は2.9%。総務省統計局調査)を記録しており、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が依然として残りつつも雇用環境は緩やかな改善傾向にあります。また、株式会社リクルートキャリアが発表している「就職プロセス調査(2022年卒)」においては、2022年3月大学等卒業予定者の就職内定状況は、当該大学等卒業予定者の就職内定率が95.2%(2021年12月1日現在。前年同月は93.4%)と、前年を上回っておりコロナ以前の水準まで回復しております。オミクロン株の流行は依然として継続しているものの、社会全体が徐々に経済活動を後押しする体制に戻りつつあること、また、事業のDX化推進に伴うIT人材に対する企業需要の高まりなどにより、市場全体の雇用環境や企業の採用戦略も総じてポジティブなものに変わりつつあり、特に優秀な人材に対する企業の需要は引き続き堅調に推移しております。

当社は、このような事業環境の中で、2020年3月11日に公表した3カ年の中期経営計画の2年目を終えました。当事業年度は、前事業年度に実施した戦略的な投資を踏まえ、既存の事業であるキャリアプラットフォーム事業では、新卒学生をターゲットとしたキャリアプラットフォーム「外資就活ドットコム」、第2新卒市場を中心に若手ハイクラス層をターゲットとしたリクルーティング・プラットフォーム「Liiga」の安定的な高成長を継続していくことで当社全体の成長性を促進いたしました。

「外資就活ドットコム」に関しては、従来注力してきたビジネス職に加え、先端IT職へと事業ドメインを拡大し、また、高まるジョブ型(専門職)採用需要を見据えた取り組みを実施してまいりました。さらに、新規CtoCサービスとして、個人と個人の知見の取引の場としての「知見共有プラットフォーム事業」を立ち上げ、新収益モデルの創出に取り組んでまいりました。

当事業年度における「外資就活ドットコム」の複数卒年会員数は累計92,852人(前期比5,080人減)、累計送客注1数は812,408人(前期比47,943人減)、MAU注2数は27,778人(前期比5,691人減)となりました。また、「Liiga」当事業年度末における登録会員数は65,823人(前期末比10,195人増)、第4四半期会計期間におけるMAU数は7,381人(前年同期比769人減)、マッチング数は4,575人(前年同期比1,002人増)となりました。

以上の結果、当事業年度の売上高は1,144,334千円(前期比31.8%増)、営業利益は46,700千円(前期は営業損失215,005千円)、経常利益は44,633千円(前期は経常損失218,345千円)、当期純利益は79,388千円(前期は当期純損失235,828千円)となっております。

なお、当社はキャリアプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

注1 送客:当社のサイトから、クライアントの採用ページまたは募集の応募フォームに送客した数を示しております。

注2 MAU:Monthly Active Userの略称であり、1カ月の間に一度でも当社サービスを利用したユーザーの数を示しております。

 

当事業年度末における流動資産は前事業年度末より35,227千円増加し、453,423千円となりました。主な増加要因は、売掛金の増加61,107千円によるものであります。

当事業年度末における固定資産は前事業年度末より23,459千円増加し、333,310千円となりました。主な増減要因は、繰延税金資産の増加45,574千円、償却の進行に伴う有形固定資産の減少14,290千円によるものであります。

当事業年度末における流動負債は前事業年度末より41,283千円増加し、380,996千円となりました。主な増減要因は、未払消費税等の増加58,298千円、未払法人税等の増加19,889千円、未払金の減少37,558千円によるものであります。

当事業年度末における固定負債は前事業年度末より71,362千円減少し、18,908千円となりました。主な減少要因は、長期借入金の減少71,397千円によるものであります。

当事業年度末における純資産は前事業年度末より88,766千円増加し、386,830千円となりました。主な増加要因は、株式の発行に伴う資本金及び資本準備金の増加各4,370千円、当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加79,388千円によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,582千円減少し、309,471千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動により得られた資金は130,991千円(前期は178,106千円の支出)となりました。主な収入要因は税引前当期純利益44,633千円、減価償却費74,690千円、未払又は未収消費税等の増加額73,157千円であり、主な支出要因は、売上債権の増加額61,107千円、未払金の減少額34,289千円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動により使用した資金は69,917千円(前期は173,336千円の使用)となりました。主な支出要因は、無形固定資産の取得による支出66,186千円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動により使用した資金は62,657千円(前期は275,585千円の獲得)となりました。収入要因は、株式の発行による収入8,740千円、支出要因は、長期借入金の返済による支出71,397千円であります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注実績

当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

c.販売実績

サービスの名称

前事業年度

(自 2020年2月1日

至 2021年1月31日)

当事業年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日)

販売額(千円)

前期比(%)

販売額(千円)

前期比(%)

外資就活ドットコム

723,904

102.1

896,284

123.8

Liiga

141,730

177.6

247,476

174.6

その他

2,797

6.2

572

20.5

合計

868,432

104.1

1,144,334

131.8

 (注)1.当社の事業セグメントは、キャリアプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、サービス別の販売実績を記載しております。

2.主な相手先別販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」及び「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。また、当社の経営成績に影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載しているとおりであると認識しております。これらのリスクについては、適切なコントロールを行っていくとともに、万が一そのリスクが顕在化した場合にはしかるべき対応に努める所存であります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社の運転資金需要のうち主なものは、キャリアプラットフォーム事業における事業運営のための人件費、外部協力者への報酬支払いであります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、キャリアプラットフォーム事業及び新規事業におけるシステム開発投資における人件費、キャリアプラットフォーム事業におけるユーザー獲得のための広告宣伝費であります。

 当社の運転資金は、営業活動によって獲得した自己資金の充当を基本とし、資金需要等を考慮した上で外部資金調達手段として金融機関からの借入により調達することとしております。

 資金の流動性管理にあたっては、適宜、資金繰り計画を作成・更新して手元流動性等をモニタリングするとともに、取引金融機関との当座貸越契約の締結、長期借入の実施等により、将来に渡り必要な資金流動性を確保できるよう計画しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらは過去の実績等を勘案し合理的な判断のもとに見積りを行っておりますが、見積りによる不確実性のため、実際の結果は異なる場合があります。

 当社の財務諸表で採用する重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 「2 事業等のリスク」に記載をしましたとおり、当社は、市場環境の変化、業績の季節変動、競合他社との競争、特定人物への依存、少人数編成組織であること並びに優秀な人材の確保及び育成等、様々なリスク要因が当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があるものと認識しております。

 このため、当社は、当社が提供するサービスの拡張及びコンテンツの充実、当社サービスの認知度の向上、優秀な人材の確保及び育成並びに社内管理体制の強化等に積極的に取り組むことにより、財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を低減させ、リスク要因に対して適切に対応していく所存であります。

 

⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の通り、売上高及び登録会員数を重要指標としております。この点につきまして、2022年1月期は、引き続き増収決算を達成し「Liiga」の登録会員数が伸長する一方、「外資就活ドットコム」の複数卒年会員数は、前期末比で減少しております。今後も継続的な増収及び生産性向上を目指し、株主価値向上を目標とした経営施策を実施してまいります。

 

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