業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)当期の経営成績の概況

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」をいう。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)における我が国の経済環境は、前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染拡大(コロナ禍)の影響を受ける結果となりました。2021年初頭からデルタ株やオミクロン株の感染拡大により、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が繰り返し発令され、サービス業を中心に困難な状況が続いていたものの、2022年3月に全てのまん延防止等重点措置が解除され、今後の経済正常化が期待されております。一方、海外では、2022年2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まり、地政学的リスクが高まっているとともに、資源や穀物の供給に影響が出ており、原材料の高騰によるインフレが懸念され、国内経済に悪影響を与える可能性が出ております。

 この事態に屈することなく、当社グループの経営理念である「共存共栄の精神で世の中に新たな価値と笑顔を創出します」を実践し、中小・地方企業様の経営者に対して真摯に向き合う事業推進パートナーとして、常に顧客の想いに応える存在であり続けます。

 また、当社グループの主要事業領域である国内インターネット広告市場につきましては、株式会社電通が公表した「2021年日本の広告費」によれば、総広告費は6兆7,998億円(前年比110.4%)と回復基調にあります。また、「インターネット広告費」は2兆7,052億円に達し、「マスコミ四媒体広告費」の総計2兆4,538億円を初めて上回りました。さらに、「インターネット広告費」から「インターネット広告制作費」および「物販系ECプラットフォーム広告費」を除いた「インターネット広告媒体費」は、動画広告やソーシャル広告の伸びが成長を後押しし、2兆1,571億円(前年比122.8%)となりました。

 このことから、社会全体が急速にデジタルシフト化している事やデジタル庁の設置などもあいまって、今後も市場規模の成長が大きく期待されます。

 当社グループではニューノーマルに対応すべく、営業・マーケティング・カスタマーサクセスなどの重要な業務のオンライン化を進めて参りました。その結果、依然として先行き不透明な情勢ではあるものの、このような環境下でも十分に対応できる経営体制を築いて参りました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は4,939,399千円(前期比11.7%増)、営業利益は111,275千円(前期は営業損失114,481千円)、経常利益は109,339千円(前期は経常損失116,176千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は81,919千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失42,104千円)となりました。

 

 セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりであります。

 

a.ブランド事業
 当該事業におきましては「ブランドファースト」の考えのもと、中小・地方企業様が抱える収益拡大課題、人材採用および育成課題等に対して、顧客の「ブランド(=らしさ)」を明確にし、顧客の競合差別化および顧客とのコミュニケーションデザインに基づき、オウンドメディア構築運用および経営サポート、コンテンツマーケティング、歯科経営コンサルティング等を提供しております。

また「建築業」「不動産業」「歯科医療分野」を重点的な業界と捉え、業界特化のノウハウを蓄積し、研究結果に基づいたコンテンツ制作やオンラインセミナーの開催、中小・地方企業様が成長するために必要な情報をまとめたレポートのリリース等を行い、新規顧客の獲得に注力して参りました。

なお、当社は、業務の一部をグループ会社である株式会社ファングリーおよび株式会社アザナ、VieTry CO.,LTD.に委託することで、適切な分業による効率的な制作体制を整えております。

 当連結会計年度におきましては、主要業界におけるマーケティング活動を強化することにより、デジタル投資に積極的な企業の新規顧客の獲得を行って参りました。

この結果、当連結会計年度における売上高は1,446,428千円(前期比11.9%増)、セグメント利益は334,016千円(前期比28.3%増)となりました。

 

b.デジタルマーケティング事業
 当該事業におきましては、中堅・中小・地方企業様向けにデジタル領域における総合マーケティング支援を展開しております。多額の予算が確保できないために大手ネット系広告代理店に依頼ができない企業や、専門特化したマーケティング責任者がおらずノウハウがない企業に対して、当社グループのフロント人材※がマーケティング戦略を設計し、現状分析、戦略立案・実行、効果測定までワンストップで提供できることを強みとしております。

 プロモーション戦略を立案し、各種インターネット広告を活用することによって、サイトのアクセス数を増加させるとともに、サイトのレポーティングを通じて課題の明確化および改善を行うことで、中堅・中小・地方企業様の収益機会の拡大に貢献して参りました。

 当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による生活者のインターネット利用時間の増加に伴う、動画視聴ニーズの増加、SNS利用の増加等を背景に中小企業様の動画活用支援、SNS活用支援コンサル等に注力して参りました。

 テレビを中心としたマス広告や、紙媒体などからインターネット広告へ予算を移す顧客が増加傾向にあります。

 この結果、当連結会計年度における売上高は3,348,162千円(前期比10.8%増)、セグメント利益は222,758千円(前期比101.1%増)となりました。

 

c.オフショア関連事業
 当該事業においては、株式会社アザナおよびVieTry CO.,LTD.と連携し、Webサイトの制作および運用、ネット広告の運用などを行っております。また、アザナにおいては地域振興事業として、沖縄エリアの地域ブランディングやSDGsに関連した取り組みなどを行っております。

 また、ブランディングテクノロジーのオフショア・ニアショアの役割も果たしており、ブランド事業およびデジタルマーケティング事業の顧客が求めるサービスを、安価かつ効率的に提供しております。

 当該事業で培ったノウハウを活かし、沖縄県およびベトナムでサービスを提供することで、アジア圏に事業所を持つ日系企業や現地企業に対して、オウンドメディアの構築および保守運用、デジタル領域における総合マーケティング支援を展開しております。

 当連結会計年度におきましては、グループ会社アザナのオウンドメディア構築を中心に販売してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、新規案件の獲得機会減少や既存顧客の投資抑制などの影響を受けております。

 この結果、当連結会計年度における売上高は144,807千円(前期比38.6%増)、セグメント利益は20,175千円(前期比107.4%増)となりました。
 

② 経営成績の分析

経営成績の分析については、前述の「(1)当期の経営成績の概況 ① 経営成績の状況」をご参照ください。

 

 ③ 当期の財政状態の概況

 当社グループの連結会計年度末における財政状態は、資産2,394,918千円(前連結会計年度末比70,963千円の増加)、負債1,253,459千円(前連結会計年度末比17,680千円の減少)純資産1,141,459千円(前連結会計年度末比88,643千円の増加)となりました。

 

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ受取手形及び売掛金の増加等により、2,179,557千円(前連結会計年度末比83,154千円の増加)となりました。

 

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産は、無形固定資産および投資その他の資産の減少等により、215,360千円(前連結会計年度末比12,190千円の減少)となりました。

 

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債は、買掛金および短期借入金、ならびに未払費用の増加等により、928,601千円(前連結会計年度末比118,900千円の増加)となりました。

 

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債は、長期借入金の減少等により、324,857千円(前連結会計年度末比136,581千円の減少)となりました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益81,919千円の計上および為替換算調整勘定の増加等により、1,141,459千円(前連結会計年度末比88,643千円の増加)となりました。

 

 ④ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8,765千円増加し、1,537,838千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は131,600千円となりました。(前連結会計年度は80,522千円の獲得)この主な内訳は、税金等調整前当期純利益101,414千円、法人税等の還付額11,221千円等があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は24,613千円となりました。(前連結会計年度は61,222千円の獲得)この主な内訳は、有形固定資産の取得による支出24,098千円等があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は100,198千円となりました。(前連結会計年度は476,821千円の獲得)この主な内訳は、長期借入金の返済による支出133,320千円があった一方で、短期借入金の純増額30,000千円等があったことによるものです。

 

 ⑤ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループのサービス提供は、生産実績の記載になじまないため、生産実績に関する記載は省略しております。

 

b.受注実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

ブランド事業

1,446,428

11.9

デジタルマーケティング事業

3,348,162

10.8

オフショア関連事業

144,807

38.6

合計

4,939,399

11.7

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度において、主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合について、売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

 ① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 また、当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営成績の分析については、前述の「(1)当期の経営成績の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。また、経営成績に重要な影響を与える要因については、前述の「2 事業等のリスク」に含めて記載しております。

 

 ③ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの資金の流動性は、主に営業活動による純現金収入によります。営業活動による純現金収入により、外部からの多額の借入や、その他の資金調達手段に頼らずに、大部分の運転資金の確保や設備投資の支払が可能となっております。仮にいずれかの子会社において借入が不可能になったとしても、当社からグループの各社に対して資金を供給することが可能であると考えております。また、資金需要について大きな季節変動はありません。

 以上から、現状の事業運営に必要な運転資金は長期、短期とも十分であると考えております。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

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