文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは「データによる意思決定」はシンプルでとても効率の良いものであると考えております。この仕組みを確立して世の中に広めたいという想いから当社を創業致しました。
・お客様が抱える課題を解決するためのデータ活用の専門家でありたい
・データをシンプルかつ正しい方法で価値に変換していきたい
・データに関わった人達に楽しさや幸せを感じてもらいたい
当社グループは、上記の3つの価値観を軸に、世の中の様々な領域において、データを使った効率化を行うことが当社グループの使命であると考えております。
(2)経営戦略等
当社グループは「データを用いて人々の意思決定を簡単にする」というコンセプトの下、以下の経営戦略により事業の拡大を図る方針です。
①IM-DMPを用いたオンラインマーケティングソリューションの拡販
よりスピーディーにデータを活用したマーケティング施策を広めるため、広告代理店と連携した拡販を強化する方針です。また3rd Party Cookieの規制により収益獲得に課題が発生するメディアパートナーやアドテクベンダー、広告代理店等との連携を進めることで、Ad Tech分野におけるIMポストCookieアドネットワークを利用できる範囲や機会を増やし、拡販を加速させる方針です。
②X-Tech
Ad Tech領域で培ったデータや基盤技術をもとに、セールスやコマース、金融領域等にデータ活用領域を広げており、各領域の事業者と協業することで、サービス開発速度を加速し、事業領域の拡大を図る方針です。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは継続的な事業拡大と企業価値向上のため、売上高及び営業利益を重要指標としております。
(4)経営環境
当社グループのIM-DMPのデータ活用先は、主にデジタルマーケティング領域です。インターネット広告市場の市場規模は、2020年は2兆2,290億円、2021年は2兆7,052億円に達しています(株式会社電通「2021年日本の広告費」)。インターネット広告市場の内、当社が実際にサービスを提供している市場規模は成果報酬型広告で940億円、運用型動画広告他で4,333億円、運用型ディスプレイ広告で6,059億円の合計1兆1,332億円であります(株式会社電通「2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」)。
デジタルマーケティング領域は、取得可能なデータの種類、データ量が増大しており、これに伴うマーケティング全般へのデータ活用ニーズが高まっており、当社グループのデータ活用分野は順調に拡大しているものと認識しております。また当社グループはIM-DMPのデータを活用することで、インターネット広告の配信効率の最適化を実現したいと考えております。
一方で、近年のプライバシー保護への意識の高まりや、2024年後半に予定されているGoogle ChromeにおけるCookieの廃止により、Cookie保有比率は今後も低下し続けると予想され、3rd Party Cookieを活用できるブラウザの比率は低下し続けることが予想されることから、メディアの収益性及びターゲティング効率の悪化が課題となっておりますが、当社の提供するIMポストCookieアドネットワークを利用することで、Cookieの有無を問わずリターゲティング広告を配信できることが優位に働くと考えております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは以下のような経営課題に取り組むことで、サービス領域の拡大及び経営基盤の強化を行っていく方針であります。
①新サービス等の開発体制
インターネット市場における技術革新のスピードは非常に早く、競合優位性の確保及び事業の拡充を図るため、
新サービスの開発、投資を行っております。当該開発に際しては、システム開発の必要性や優秀な人材の拡充が必要となるため、迅速な開発が行える体制整備や優秀な開発人材の確保を行ってまいります。
②優秀な人材の確保と教育制度の充実
当社グループは、今後の成長のために、多様で優秀な人材の確保が不可欠であると認識しております。ソーシャルメディアの活用等、採用方法の多様化を図り、当社グループの求める専門性や資質を兼ね備えた人材の登用を進めるとともに、研修制度の充実等、教育体制の整備を進め、人材の定着と能力の底上げを行っていく方針であります。
③内部管理体制の強化
当社グループは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。このため、バックオフィス業務の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。具体的には、業務運営上のリスクを把握してリスク管理を適切に行うこと、定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実などを図っていく方針であります。
④認知度の向上
当社グループは、これまで広告宣伝活動に頼らず、提供サービスの機能優位性に拠る形での営業活動に専念してまいりました。その結果として、現在、幅広い業種、企業に当社グループ製品を導入頂き、継続的な取引による確固たる顧客基盤の構築を実現することが出来ていると考えております。一方で、更なる成長を続けていく上では、当社グループ及び当社サービスの認知度を向上させ、新規案件を獲得していくことが重要であると考えております。今後は広告宣伝活動による積極的な販売促進活動に取り組み、認知度の向上に努める方針であります。
⑤新型コロナウイルス感染症について
新型コロナウイルス感染症が蔓延する現況下において、当社グループは、取引先、従業員及びその家族の安全及び健康の確保を最優先とし、リモートワークや時差出勤、オンライン会議の積極利用を推進するなど、感染予防策へ迅速に取り組むことで事業の安定運営に努めております。
足もとの感染者数は徐々に収束しているものの、行動制限の緩和による再拡大の懸念も残ります。感染拡大が長期的に継続した場合、経済活動の縮小により、当社サービス導入企業の一部に、企業収益の減少や企業活動の停滞などの影響を及ぼすことが予測され、当社の業績にも影響が及ぶ可能性があるため、当社グループへの影響を見極めながら、環境変化に対し迅速かつ柔軟に必要な対応ができるように施策を変化させてまいります。
⑥改正個人情報保護法や3rd Party Cookie廃止を含めた環境変化
「個人情報保護法」の改正や各ブラウザ提供会社の仕様変更により、3rd Party Cookieに対する規制が強化されつつあるように、プライバシー保護の観点からデータの利活用を取り巻く環境は随時変化し、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、3rd Party Cookieに依存せずプライバシーに配慮した形でデータの利活用ができるポストcookieソリューション「IMポストCookieアドネットワーク」を開発し、提供しておりますが、今後もデータの利活用に関する新たな規制が発生する可能性があるため、社会情勢を速やかに察知し、環境変化に対応したサービスの開発が迅速に行える体制整備を行ってまいります。
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