当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断しているものであります。
a.経営成績等の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の新たな変異株が相次いで出現する中で、緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用が繰り返されるなど社会経済活動の制限も続き、回復する動きも見られたものの、不透明感が払拭されずに推移いたしました。また昨今のウクライナ情勢による社会的な不安やロシアに対する経済制裁などによるエネルギー価格の上昇などの影響もあり、依然として先行き不透明な状況になっております。
当社グループが属する保育・幼児教育市場においては、2021年平均の女性就業者数は前年に比べ増加しているものの、保育の受け皿拡大に加え、新型コロナウイルス感染症を背景とした利用控えにより、保育所等の利用児童数は横這い、待機児童数は減少傾向が続いております。
一方で、教育感度の高い保護者様を中心とした、未就学児向けの教育関連サービスは底堅い需要に支えられ、同市場は拡大を継続しております。
このような環境の中、当社グループは、「教育を通じて社会に貢献する」・「未来に輝く子どもたちを育てる」を使命として、東京都を中心とした大都市圏に66園の認可保育所と、プレスクール一体型保育所、幼児教室及び学童施設を7施設展開し運営しております。(2022年3月31日現在)
新型コロナウイルス感染症に対しては、お預かりするお子様・保護者様・取引先・従業員の安全と安心を最優先に考え、自治体と連携しながら感染防止対策を徹底するとともに、感染拡大防止にも迅速かつ適切な対応に取り組んでまいりました。一方で当社グループが強みとする民間教育サービスにおける幼児教育のノウハウを認可保育事業にも積極的に取り入れ、「利用者から選ばれる園」としてのサービス向上に努めてまいりました。
新規開設施設につきましては、2021年4月1日に東京都内に認可保育所9園、及び学童・幼児教室併設の民間教育サービス施設を1施設開設いたしました。また2021年10月1日に当社初となる1歳から9歳のお子様を対象とした保育・幼児教育・学童が一体となったフラッグシップ施設「キッズガーデン南青山」を開校いたしました。当該施設は、施設内に25m専用プールを完備し、都内最大級(約2,200㎡)の大型保育・教育施設として、当社グループの教育プログラム・コンテンツの開発拠点としての役割も担ってまいります。
以上により、当連結会計年度の当社グループの連結業績は、売上高は10,659百万円(前連結会計年度は9,113百万円)、営業損失は214百万円(前連結会計年度は営業損失382百万円)、経常利益は1,147百万円(前連結会計年度は983百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は686百万円(前連結会計年度は547百万円)となりました。
b.資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の財政状態における総資産は、14,660百万円(前連結会計年度末は13,944百万円)となり、716百万円増加しました。その内訳は以下のとおりとなります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、4,549百万円(前連結会計年度末は3,679百万円)となり、870百万円増加しました。これは前払費用の減少(45百万円)及び未収入金の減少(99百万円)等があったものの、現金及び預金の増加(1,014百万円)等があったことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、10,111百万円(前連結会計年度末は10,264百万円)となり、153百万円減少しました。これは建物及び構築物(純額)の増加(1,000百万円)、工具、器具及び備品(純額)の増加(24百万円)並びに敷金及び保証金の増加(124百万円)等があったものの、建設仮勘定の減少(1,269百万円)等があったことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、3,665百万円(前連結会計年度末は4,999百万円)となり、1,334百万円減少しました。これは1年内償還予定の社債の増加(145百万円)、1年内返済予定の長期借入金の増加(54百万円)並びに未払法人税等の増加(45百万円)等があったものの、短期借入金の減少(1,581百万円)等があったことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、4,985百万円(前連結会計年度末は3,654百万円)となり、1,331百万円増加しました。これは長期前受金の減少(29百万円)等があったものの、社債の増加(855百万円)、長期借入金の増加(258百万円)、並びに繰延税金負債の増加(237百万円)等があったことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、6,009百万円(前連結会計年度末は5,290百万円)となり、719百万円増加しました。これは新株式発行による資本金の増加(23百万円)及び資本剰余金の増加(23百万円)、並びに親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加(686百万円)等によるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,014百万円増加し、3,153百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2,276百万円(前連結会計年度は1,601百万円の増加)となりました。
主な内訳は、前受金の減少(25百万円)等による資金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益(1,065百万円)、減価償却費(841百万円)及び売上債権の減少(112百万円)等による資金の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,021百万円(前連結会計年度は2,327百万円の減少)となりました。
主な内訳は、保育施設の新規開設に伴う有形固定資産の取得(1,019百万円)等による資金の減少があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、241百万円(前連結会計年度は1,339百万円の増加)となりました。
主な内訳は、長期借入による収入(1,169百万円)、社債の発行による収入(981百万円)及び新株予約権の行使による株式の発行による収入(47百万円)等の資金の増加があったものの、短期借入金の純減額(1,581百万円)、長期借入金の返済による支出(856百万円)による資金の減少があったことによるものであります。
当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
当社グループは受注生産を行っていないため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
なお、当社グループは幼児教育事業の単一セグメントであります。
(注) (会計方針の変更)に記載のとおり、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用し、収益認識に関する会計処理方法を変更しております。このため、当該会計基準適用前の前連結会計年度の実績値に対する対前期増減率(%)は記載しておりません。なお、当該変更により、従来の方法に比べて、当連結会計年度の売上高は178千円減少しております。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、一定の会計基準の範囲内で見積りが認められている部分があり、資産及び負債、並びに収益及び費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は10,659百万円(前連結会計年度は9,113百万円)となりました。これは、2021年4月に東京都内に認可保育所9園、及び学童・幼児教室併設の民間教育サービス施設を1施設、また、2021年10月に当社初となる1歳から9歳のお子様を対象とした保育・幼児教育・学童が一体となったフラッグシップ施設「キッズガーデン南青山」を開校したことにより、施設数が認可保育所66園、プレスクール一体型保育所、幼児教室および学童施設が7施設となったことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、認可保育所の施設数の増加及び新規開設等に伴い9,629百万円(前連結会計年度は8,254百万円)となりました。主な内訳は、給与及び手当3,366百万円、地代家賃1,461百万円等であります。この結果、売上総利益は1,029百万円(前連結会計年度は858百万円)となり、売上総利益率は9.7%(前連結会計年度は9.4%)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、認可保育所の新規開設に伴う採用費及び本社人員等を増加させたことによる人件費等の計上に伴い1,244百万円(前連結会計年度は1,240百万円)となりました。主な内訳は、役員報酬143百万円、給与及び手当280百万円、採用費316百万円等であります。この結果、営業損失は214百万円(前連結会計年度は営業損失382百万円)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は1,425百万円(前連結会計年度は1,402百万円)となり、主な内訳は補助金収入1,418百万円等であります。営業外費用は63百万円(前連結会計年度は36百万円)となり、主な内訳は支払利息27百万円及び支払手数料12百万円等であります。この結果、経常利益は1,147百万円(前連結会計年度は983百万円)となり、売上高経常利益率は10.8%(前連結会計年度は10.8%)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は1,065百万円(前連結会計年度は847百万円)となりました。また法人税等合計(法人税等調整額を含む)は379百万円(前連結会計年度は299百万円)となり、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は686百万円(前連結会計年度は547百万円)となりました。
b.資本の財源及び資金の流動性について
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1) 経営成績等の状況 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
また、今後の中長期的な成長に向けて、事業基盤強化のための投資等を推進していきたいと考えております。資金需要のうち短期運転資金につきましては、主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの短期借入にて、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入等にて対応していくこととしております。
なお、資金の流動性については、金融情勢等を勘案しながら、現金及び現金同等物の残高が適正になるように努めてまいります。
c.経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
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