課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営理念、グループスローガン及び経営方針

① 経営理念

当社グループは、以下の文章をグループ経営理念として掲げております。

私たちは「人との出会い」を大切にし、

共に過ごす時間の中で、共に学び、共に成長しながら

豊かな社会の創造に邁進し、

「笑顔が溢れる社会づくり」に貢献する。

 

② グループスローガン

当社グループは「Rise for it」というグループスローガンの下、これまで主として製造請負・製造派遣事業、技術者派遣事業といったモノづくりに関わる労働サービスの提供を行い、また、ITサポート事業、受託製造事業、電子部品卸売業、修理サービス事業といったメーカー等の顧客支援事業へも進出してきました。

このグループスローガンには、人々の毎日がより豊かなものとなるように、”モノづくりを支援する会社”として地球環境、お客様、従業員など、さまざまな「it」を向上させられる存在でありたいという思いが込められております。

 

③ 経営方針

当社グループは、以下の文章をグループ経営方針として掲げております。

千変万化

私たちは変化し続ける社会環境に対して

常に新たな挑戦を行い、お客様に感動を与える事を

使命として活動し続ける

 

(2) 経営戦略

当社グループは、2022年3月期から2025年3月期までの4か年を計画期間とする以下の中期経営計画を策定し、その実現と新たな企業価値創造に取り組んでおります。

 

『2022-2025中期経営計画』

① 基本方針

 「事業規模の拡大」「新たな技術の取り込み」「高付加価値化による収益性向上」「成長を支える財務戦略」

 

② 成長戦略

 1.効率的な営業拠点の拡大

 既存拠点の機能をコンパクト化しつつ拠点統合を進めるとともに、グループ拠点を相互活用しながら効率的に未進出エリア、戦略的エリアに対しエリア拡大を推進。

 2.スマートものづくりの推進

 賃借型工場による汎用性のある生産体制提案やロボット導入による自動化オペレーション提案など、市場や顧客ニーズに臨機応変に対応できるものづくり体制を推進。

 3.サービス事業の拡大

 修理サービス事業で培ってきたノウハウを活かし、今後ますますニーズが高まるエネルギー周辺事業やリサイクル関連事業をターゲットとして事業拡大を目指す。

 4.高度人財教育の拡充

 企業ОBによる実践的な教育を強化するとともに、これらの教育ノウハウをコンテンツ化し、一般企業に対し教育受託サービスとして展開。

 5.ASEAN地域での人財DBの拡充

 海外現地での有力大学や教育機関との提携を進め、日本語及び日本文化教育を展開するとともに、日本での就職を希望する海外人材と日本企業を繋ぐサイト運営を推進。

 6.M&Aの活用・推進

 当社グループが保有する技術・ノウハウが活かせる新領域に進出することで各領域でのシナジーを創出し事業ポートフォリオの整備を進めながら事業価値の向上を図る

(3) 目標とする経営指標

 当社グループは、『2022-2025中期経営計画』の実行期間を「確立した事業ポートフォリオの強化・拡張により成長を加速」させる期間と捉え、2025年3月末で売上高600億円、EBITDA40億円を目標としております。また、高付加価値サービスの提供とともに業務の効率化を図り、高収益な経営体制を確立すべく、売上高経常利益率の改善を経営上の重要課題として捉えております。

 

(4) 経営環境

 新型コロナウイルス感染症の経済への影響については、コロナワクチン接種の促進とともに日本政府もウィズコロナ政策に舵を切り始め、国内経済ではDX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)など新たな需要の創出により製造業の景気動向は改善傾向にありますが、一方で世界的な半導体不足が製造業界全体の回復を鈍らせ、十分な正常化までには依然として時間を要するものと予測されます。このような環境下において、当社グループの主要顧客であるIoT及び5G関連企業がDX化の進展等を背景に旺盛な需要に対応した結果、当連結会計年度は引き続き増収を確保することができました。

 一方で、当社グループの主要サービスである人材アウトソーシング業界においては、少子高齢化の潮流や経済活動の回復に伴い、多くの産業で若年就業者を中心とした人材需要が急激に高まり、コロナ禍による海外人材の入国制限なども影響し、人材確保競争の激化に伴う採用コストの高騰が懸念されております。

 しかしながらウィズコロナ・アフターコロナの社会において、これら経営環境及び人材需要のパラダイムシフトをチャンスと捉え、長年培ってきた海外人材事業を当社グループの強みと認識し、より積極的に採用強化を推し進め、新市場・新規顧客開拓及び利益確保に努めてまいります。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 経営環境の変化への対応

 新型コロナウイルス感染症に対しては、近時、経済活動は回復基調にあるものの、先行きについては未だ不透明であり、ウィズコロナを基本にさらなる経営基盤の強化に努めてまいります。当社グループでは、「人財」が未来を拓く原動力であり持続的な成長に繋げる資源であると考え、現在の生活や将来のキャリアプランに対する安心・充実した労働環境作りを最優先事項として制度及び財務の両面で対策を講じております。

 制度面につきましては、「働き甲斐をもって働ける」体制整備を進めております。その一環として待機休業中においても一定の給与保障を行うほか、高度人材を育成するテクニカルセンターなどの拠点拡充により、従業員の新たな高度技能習得を促し、自律的成長意識の醸成と更なる定着率の向上に努めております。

 また、財務面では、今後の積極的な事業展開の資金需要に備えたコミットメントラインを契約するなど、より機動的・安定的な運営が可能となるよう、財務体制の強化を進めております。

 

② 人材の確保と育成

 現在、我が国では少子高齢化による労働人口の減少により、多くの産業で労働力不足が常態化しています。また、経済活動の回復とともに今後も多くの産業で人材需要が高まり、採用コストの上昇と人材確保競争が激化する状況が続くものと予想されます。

 このような市場変化に対応すべく、当社グループでは業容の拡大とともに十分な人材の確保とキャリア形成を重要課題と認識し、採用システムの改善とともに、採用後も段階的、継続的にキャリアアップが可能な教育体制の強化を進めております。

 人材の確保については、自社求人サイトをはじめとした多様な採用チャネルの効果的活用により、応募数の増加とエントリーから採用までの迅速化による採用機会損失の減少及び採用コスト低減に注力してまいります。加えて、当社グループが長年培ってきた「ASEAN地域での人財データベース」の拡充により、海外人材の雇用に関する体制及び環境作りを進めてまいります。

 人材の育成については、採用後のフォロー体制として、資格を持ったキャリアコンサルタントによるキャリアアップサポートを充実させ、また、グループ内での職種転換を可能にするジョブポスティング制度の浸透により個々の価値観に沿った多様なキャリアプランに対応するなど、継続して最適な人材育成体制の構築と研鑽に努めてまいります。

 

 

③ 顧客業種の拡大

 2022年3月期の連結売上高構成比は、マニュファクチャリングサポート事業が62.3%、コンストラクションサポート事業が13.3%、ITサポート事業が9.0%、EMS事業が13.7%であります。中核であるマニュファクチャリングサポート事業においては、特定業界の景気変動による業績への影響を抑制するため、新規顧客開拓及び未進出地域へのエリア開拓に努め、また、GX(グリーントランスフォーメーション)に関連する事業強化などにより、経営の更なる安定性を高めてまいります。

 また、その他主要3事業においては、コンストラクションサポート事業及びITサポート事業については、継続的に技術者の需要が見込まれることから、市場ニーズを捉えた教育プログラムを構築し、高付加価値人材の育成と積極的な営業展開を進めてまいります。EMS事業については、世界的な半導体不足に対処すべく、新規ベンダー開拓により部品等の調達力強化を図り、顧客ニーズに迅速に対応していくことで営業を強化してまいります。

 今後も時代の変化に合わせ、グループ全従業員や各事業相互の有機的な連携によるグループシナジーを創出し、一層の事業基盤の強化と業績向上に努めてまいります。

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