業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度(2021年4月1日~2022年3月31日)におけるわが国の経済は、景気は持ち直しの動きが続いているものの、新型コロナウイルス感染症による影響を受けた一年となりました。当社の主要顧客である大手製造業においては、原材料価格の高騰や半導体不足等の影響を受けており、更にウクライナ情勢によって、先行き不透明な状況が続いております。

このような環境の下、当社は当事業年度において、業績の早期回復に向けての準備に取り組んでまいりました。主力のエンジニア派遣サービスでは、稼働人員数は期初より継続して増加し、10月以降の稼働人員数は6ヶ月連続で前年同月を上回り、稼働率はコロナ前の高水準を維持いたしました。また、期初より待機者の改善に注力し、当事業年度末の待機者数は前年同期末に比べ大幅に減少いたしました。新型コロナウイルス感染症の影響を受け減少したエンジニア派遣サービスの案件数は、派遣エンジニアの需要も回復基調にあり、当事業年度末にはコロナ前の水準まで戻ってまいりました。

以上の結果、当事業年度の売上高は26,914百万円(前年同期比2.9%減)、営業利益は1,834百万円(同21.9%減)、経常利益は1,816百万円(同20.2%減)、当期純利益は1,248百万円(同7.1%減)となりました。

なお、当社はエンジニア派遣・紹介事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(資産)

当事業年度末における流動資産は17,359百万円となり、前事業年度末に比べ742百万円減少いたしました。これは、主に投資有価証券の取得や自己株式の取得により現金及び預金が607百万円減少したことによるものであります。固定資産は3,408百万円となり、前事業年度末に比べ617百万円の増加となりました。これは、主にERPシステムが608百万円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は20,768百万円となり、前事業年度末に比べ125百万円減少いたしました。

(負債)

当事業年度末における流動負債は8,793百万円となり、前事業年度末に比べ29百万円減少いたしました。これは、主に課税所得の減少により未払法人税等が184百万円減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は8,793百万円となり、前事業年度末に比べ29百万円減少いたしました。

(純資産)

当事業年度末における純資産は11,974百万円となり、前事業年度末に比べ95百万円減少しました。これは、株式報酬制度の導入による自己株式を189百万円取得したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は57.7%(前事業年度末は57.8%)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ787百万円減少し13,690百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は1,456百万円(前年同期は2,695百万円の獲得)となりました。

これは主に、法人税等の支払額が716百万円あった一方で税引前当期純利益1,816百万円計上されたことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は838百万円(前年同期は373百万円の使用)となりました。

これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出615百万円や投資有価証券の取得による支出200百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は1,405百万円(前年同期は2,806百万円の獲得)となりました。

これは主に、配当金の支払額1,237百万円や自己株式の取得による支出205百万円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社は、エンジニア派遣を中心とするサービスを提供しているため、該当事項はありません。

 

b.受注実績

当社は、エンジニア派遣を中心とするサービスを提供しているため、該当事項はありません。

 

c.販売実績

当社はエンジニア派遣・紹介事業の単一セグメントでありますが、エンジニア派遣とその他の二つのサービスがあります。当事業年度における販売実績は、次のとおりです。

名称

当事業年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

販売高(百万円)

前年同期比(%)

エンジニア派遣サービス

26,772

96.9

その他

141

140.0

合  計

26,914

97.1

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の販売先がないため、省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等の分析

当社の当事業年度の経営環境としては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が一年を通して継続し、日本国内においても感染拡大防止が最優先となるなど、経済活動の一定の制限が続く状況となりました。

このような環境の下、我が国が現在直面している構造的なエンジニア不足の環境において、AIを駆使した当社独自のスキルマッチング技術「コグナビ」各サービスの浸透と拡充に取り組んでおります。

エンジニア派遣サービス「コグナビ 派遣」は、回復基調にある顧客企業の需要に確実に応えるべく、待機者数の減少が進んだ11月以降、中途採用の強化並びに翌事業年度に向けて新卒採用の拡大等による人材確保に取り組みました。

中途採用向けエンジニア紹介サービスである「コグナビ 転職/転職IT」は、企業の採用意欲が次第に回復している中、サービスのターゲットとなる事業所の求人需要を的確に把握することに注力し、求人獲得に向けたアプローチを強化いたしました。また、10月下旬から11月上旬にかけて首都圏のJRや東京メトロ各線等に交通広告を掲出し、会員数の増加を促しました。

理工系学生のための就職支援サービスである「コグナビ 新卒」は、サービスを利用して企業に採用された学生数は当事業年度末時点で前年度の年間採用者数の4倍以上に増加しました。

エンジニア育成の研修を大学で実施するために両者の連携をサポートするサービス「コグナビ カレッジ」は、当事業年度末時点において、研修受け入れ先として東西に亘る複数の大学と契約を締結しました。

企業内エンジニア配置最適化サービスである「コグナビ タレントマネジメント」では、利用契約を企業単位だけでなく技術部門など部署単位でもご利用いただけるサービス「部署マネ」を導入した結果、トライアル実施企業並びに導入企業が増加いたしました。

以上の結果、当事業年度の売上高は26,914百万円(前年同期比2.9%減)、営業利益は1,834百万円(同21.9%減)、経常利益は1,816百万円(同20.2%減)、当期純利益は1,248百万円(同7.1%減)となりました。

なお、当社はエンジニア派遣・紹介事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの業績の記載は行っておりません。

また、財政状態及びキャッシュ・フローの分析については、(1)「経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因について

前記 2「事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

c.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社の運転資金・設備資金については、主に自己資金により充当しております。当事業年度末の現金及び現金同等物は13,690百万円となり、将来に対して十分な財源及び流動性を確保しております。

また、不測の事態に備えた資金の流動性を確保する手段として、取引金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しております。

今後の重要な資本的支出としては、第3「設備の状況」3「設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり、基幹系情報システム(ERP)等の、ソフトウエア開発投資を予定しており、その調達源については、自己資金を予定しております。

 

d.経営者の問題認識と今後の方針について

当社の経営課題として、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による景気の落ち込みからの回復への対応が挙げられます。当社は、2022年3月期の売上高・利益が前事業年度より減少したことから、2023年3月期には次のような打ち手を実施いたします。

ワクチン接種による経済活動の正常化に伴うエンジニア需要の回復に合わせ、エンジニア派遣サービスでは、2022年3月期に就業していない技術社員の減少に注力し、稼働率がコロナ前の水準まで回復したことから、技術社員の新規採用並びに理工系新卒学生の採用に積極的に取り組んでまいります。

さらに、経済活動の正常化に合わせ、エンジニア紹介サービスなど当社が提供する各種「コグナビ」サービスの本格的な成長を目指してまいります。

なお、当社の中長期的経営課題とそれらへの取組状況につきましては「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しておりますので、ご参照ください。

 

 

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