(経営成績等の状況の概要)
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済状況は、一時は沈静化したとみられた新型コロナウイルス感染症がオミクロン株の発生により再拡大したことにより、依然として経済活動の制約を受ける状況が継続しています。ワクチン接種率の増加とともに感染リスクを低減させつつ、社会経済活動が継続されている状況ではありますが、ロシアによるウクライナ侵攻に対する各国政府の経済制裁の実行による影響等も懸念され、先行きが不透明な状況が続いております。
当社グループが主要市場とする接骨院業界におきましては、接骨院数の増加に伴う他院との差別化、柔道整復療養費の減少に伴う経営の悪化、新規出店に伴う資金及び人員(有資格者)の確保、人員の増加に伴う教育制度の構築、接骨院オーナーの老後資金の確保等、様々な経営課題が発生しております。
このような状況の中、当社グループの接骨院ソリューション事業では、接骨院に対して経営・運営における様々な問題(売上の減少、資金難、経営戦略不全、教育制度の未整備等)に対するソリューションの提供を行ってまいりました。新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言下では対面での営業活動は自粛し、オンライン営業やWebセミナーを開催すること等で、新規・既存顧客への対応を行ってまいりました。また、血行促進による疲労回復・筋肉の疲れやこりの緩和等の使用効果が期待できるヘルスケアブランド「Dr.Supporter」の販売を2021年6月より開始し、多くの方々に使用効果を体感していただくためのサンプリングや商品認知度を高めるための広告施策及び営業人員の積極採用のほか、主要ソフトウェア「レセONE」の機能追加による減価償却費を計上したこと等で売上原価、販売費及び一般管理費がそれぞれ増加しました。
金融サービス事業でも緊急事態宣言下では営業活動は制限されましたが、オンライン営業や電話対応により、顧客への丁寧な対応を行ってまいりました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は売上高3,202,949千円(前年同期比19.2%増)、営業利益158,501千円(前年同期比35.9%減)、経常利益151,218千円(前年同期比37.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は和解費用31,230千円を特別損失に計上したこと等により、72,405千円(前年同期比54.0%減)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
<接骨院ソリューション事業>
ソフトウェアでは、接骨院向け患者情報管理システム「Ligoo POS & CRM」とレセプト計算システム「レセONE」の機能を併せ持った「レセONEプラス」を積極的に販売しましたが、大型案件の受注があった前年に比べて減収となり、売上高は381,211千円(前年同期比24.0%減)となりました。
機材・消耗品では、接骨院での自費施術メニューの拡大をサポートする為のツールである機材や消耗品及び当社のコンサルティングノウハウを集約した接骨院向けの運営教材等の販売を行いました。また、2021年6月より「Dr.Supporter」を販売した結果、売上高は1,104,494千円(前年同期比49.0%増)となりました。
教育研修コンサルティングでは、接骨院における新規利用者のWeb集客を目的としたWebコンサルティング及び各顧客の需要に合わせた継続型のコンサルティングを行いました。また、接骨院の幹部または幹部候補者等向けの研修プログラム「GRAND SLAM」や経営者向けの「経営実践塾」等を展開したこと等により、売上高は581,193千円(前年同期比73.0%増)となりました。
請求代行では、接骨院等における事務負担の軽減を目的とした療養費請求代行サービスを展開した結果、売上高は258,844千円(前年同期比11.6%増)となりました。
以上の結果、売上高2,325,744千円(前年同期比28.4%増)、営業利益134,148千円(前年同期比31.9%減)となりました。
<金融サービス事業>
保険代理店では、オンライン営業にて募集行為を行ったほか、接骨院ソリューション事業において構築された接骨院ネットワーク及び提携先からの紹介先に対し、生命保険及び損害保険の販売を行った結果、売上高は395,357千円(前年同期比4.2%増)となりました。
IFA(金融商品仲介業)では、株式や投資信託等の金融商品を用いて、長期的で安定的な資産形成や資産運用を目的にサービスを展開しております。オンライン営業や電話対応により、顧客への丁寧な対応を行ったことで、口座数と預かり資産が増加しました。一方で、世界的な金融の引き締め等の影響で金融マーケットが軟調に推移し、販売手数料が減少したこと等により、売上高は463,497千円(前年同期比6.6%減)となりました。
その他では、一般事業会社等の財務コンサルティングを受託したことにより、売上高は18,350千円(前年同期の売上高は1,200千円)となりました。
以上の結果、売上高877,205千円(前年同期比0.0%増)、営業利益24,352千円(前年同期比51.6%減)となりました。
(2) 財政状態の状況
①資産
当連結会計年度末の資産合計は3,279,717千円となり、前連結会計年度末と比べ38,857千円の減少となりました。
流動資産は2,128,585千円となり、前連結会計年度末と比べ288,856千円の減少となりました。これは主に、商品が114,365千円、リース債権及びリース投資資産が151,006千円増加したものの、現金及び預金が544,578千円減少したことによるものであります。
固定資産は1,151,132千円となり、前連結会計年度末と比べ249,999千円の増加となりました。これは主に、本勘定振替によりソフトウエア仮勘定が372,417千円減少したものの、ソフトウエアが480,981千円、のれんが129,603千円増加したことによるものであります。
②負債
当連結会計年度末における負債合計は2,135,044千円となり、前連結会計年度末と比べ124,868千円の減少となりました。
流動負債は1,045,742千円となり、前連結会計年度末と比べ32,353千円の増加となりました。これは主に、未払金が37,738千円、未払法人税等が37,863千円減少したものの、預り金が107,391千円増加したことによるものであります。
固定負債は1,089,302千円となり、前連結会計年度末と比べ157,222千円の減少となりました。これは主に、長期借入金が159,876千円減少したことによるものであります。
③純資産
当連結会計年度末における純資産は1,144,672千円となり、前連結会計年度末と比べ86,011千円の増加となりました。これは主に、新株予約権の行使による払込み等により資本金及び資本剰余金がそれぞれ12,246千円増加したこと及び親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより、利益剰余金が72,405千円増加したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は1,361,973千円となり、前連結会計年度と比べ548,679千円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動の結果、得られた資金は80,065千円(前連結会計年度は207,191千円の収入)となりました。これは主に、リース債権及びリース投資資産の増加額151,006千円、棚卸資産の増加額138,776千円があったものの、税金等調整前当期純利益118,863千円、減価償却費192,272千円、預り金の増加額107,021千円等によるものであります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動の結果、使用した資金は474,611千円(前連結会計年度は495,687千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出39,911千円、無形固定資産の取得による支出255,740千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出171,245千円等によるものであります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動の結果、使用した資金は154,133千円(前連結会計年度は1,267,461千円の収入)となりました。これは、長期借入れによる収入280,000千円、新株の発行による収入21,462千円があったものの、長期借入金の返済による支出444,709千円、自己株式の取得による支出10,887千円によるものであります。
(4) 生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(5) 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、金融サービス事業の仕入実績はありません。
セグメントの名称 |
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
接骨院ソリューション事業 |
621,597 |
174.7 |
合計 |
621,597 |
174.7 |
(6) 受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
(7) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごと、サービス区分ごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称及びサービス区分 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
接骨院ソリューション事業 |
|
|
ソフトウェア |
381,211 |
76.0 |
機材・消耗品 |
1,104,494 |
149.0 |
教育研修コンサルティング |
581,193 |
173.0 |
請求代行 |
258,844 |
111.6 |
接骨院ソリューション事業 合計 |
2,325,744 |
128.4 |
金融サービス事業 |
|
|
保険代理店 |
395,357 |
104.2 |
IFA(金融商品仲介業) |
463,497 |
93.4 |
その他 |
18,350 |
1,529.2 |
金融サービス事業 合計 |
877,205 |
100.0 |
合計 |
3,202,949 |
119.2 |
(注)セグメント間取引については相殺消去しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
①資産
当連結会計年度末の資産合計は3,279,717千円となり、前連結会計年度末と比べ38,857千円の減少となりました。これは主に、商品が114,365千円、リース債権及びリース投資資産が151,006千円、ソフトウエアが480,981千円、のれんが129,603千円増加したものの、現金及び預金が544,578千円、本勘定振替によりソフトウエア仮勘定が372,417千円減少したことによるものであります。
②負債
当連結会計年度末における負債合計は2,135,044千円となり、前連結会計年度末と比べ124,868千円の減少となりました。これは主に、預り金が107,391千円増加したものの、未払金が37,738千円、未払法人税等が37,863千円、1年内返済予定の長期借入金を含む長期借入金が164,709千円減少したことによるものであります。
③純資産
当連結会計年度末における純資産は1,144,672千円となり、前連結会計年度末と比べ86,011千円の増加となりました。これは主に、新株予約権の行使による払込み等により資本金及び資本剰余金がそれぞれ12,246千円、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより利益剰余金が72,405千円増加したことによるものであります。
b.経営成績
①売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ515,355千円増加の3,202,949千円(前年同期比19.2%増)となりました。
接骨院ソリューション事業におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い、対面での営業活動の自粛や社員の感染、濃厚接触等で営業活動に影響はありましたが、前期に比べ増収となりました。
カテゴリー別では、ソフトウェアは大型案件の受注があった前年と比べて減収となりました。機材・消耗品は世界的な半導体の供給不足により、主要機材の仕入の一部に影響が出ましたが、既存顧客向け販売が伸長したことや2021年6月より新商品である「Dr.Supporter」を販売した結果、増収となりました。教育研修コンサルティングはWebコンサルティングや継続型コンサルティング、Webセミナー等を展開し、既存顧客向け販売が伸長した結果、増収となりました。請求代行は療養費請求代行サービスの利用者が増加した結果、増収となりました。
以上の結果、接骨院ソリューション事業の売上高は2,325,744千円(前年同期比28.4%増)となりました。
金融サービス事業におきましても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い、対面での営業活動の自粛や社員の感染、濃厚接触等で営業活動に影響はありましたが、前期に比べ微増ではありますが増収となりました。
カテゴリー別では、保険代理店はオンライン営業にて募集行為を行い契約単価では減少したものの、契約件数では前期に比べ高水準で推移しました。また、接骨院ソリューション事業において構築された接骨院ネットワーク及び提携先からの紹介等により生命保険及び損害保険の販売を行った結果、増収となりました。その他では財務コンサルティングの受託やM&A仲介手数料が発生したこと等で、増収となりました。一方で、IFA(金融商品仲介業)は世界的な金融引き締めやロシアによるウクライナ侵攻等の影響で、金融マーケットが軟調に推移し販売手数料が減少した結果、減収となりました。
以上の結果、金融サービス事業の売上高は877,205千円(前年同期比0.0%増)となりました。
②売上原価及び売上総利益
接骨院ソリューション事業におきましては、機材・消耗品において、世界的な半導体不足による主要機材の仕入の一部に遅れが生じたことにより、代替商品の販売による売上原価が増加したことで売上総利益が減少しました。ソフトウェアは、「レセONE」の追加機能による減価償却費を計上した結果、売上総利益が減少しました。
金融サービス事業におきましては、FA・IFA人員への手数料、提携先からの紹介案件増加に伴う原価の増加等が生じました。
その結果、当連結会計年度の売上原価は1,568,237千円(前年同期比25.9%増)となりました。
当連結会計年度の売上総利益は、売上総利益率の高い商品販売及びサービス提供した結果、1,634,711千円(前年同期比13.4%増)となりました。
③販売費及び一般管理費並びに営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、人員の増員に伴う人件費の増加やDr.Supporterの認知度向上を目的とした広告宣伝費の増加等により1,476,210千円(前年同期比23.6%増)となりました。その結果、当連結会計年度の営業利益は158,501千円(前年同期比35.9%減)となりました。
④営業外損益及び経常利益
助成金収入及び受取賃貸料等により営業外収益4,960千円を計上した一方で、支払利息10,065千円、株式報酬費用消滅損2,031千円等を営業外費用に計上した結果、当連結会計年度の経常利益は151,218千円(前年同期比37.1%減)となりました。
⑤特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
和解費用31,230千円、固定資産除却損1,125千円を特別損失に計上しました。また、法人税、住民税及び事業税46,967千円を計上した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は72,405千円(前年同期比54.0%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は1,361,973千円となり、前連結会計年度と比べ548,679千円の減少となりました。
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (3) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要の主なものは、商品の仕入及び外注費、並びに販売費及び一般管理費であります。また、投資を目的とした資金需要として、ソフトウェアを中心とした設備資金等であります。
資金の源泉は主として、自己資金及び金融機関からの借入金による調達を基本としております。資金の流動性については、事業計画、設備投資計画に応じた現金及び預金残高の確保と必要に応じて外部資金の調達を行うことにより維持してまいります。また、複数の金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、資金調達手段を確保することで、流動性リスクをコントロールしております。
(3) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産及び負債の数値、連結会計年度の収益及び費用の数値に影響を与える見積りを必要としております。当該見積りについては、過去の実績値や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき行っておりますが、見積りについては不確実性が存在するため、実際の結果と異なる可能性があります。この見積りについては継続して評価し、必要に応じて見直しを行っております。
a.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
b.固定資産の減損
当社グループは、固定資産において、減損の兆候がある資産グループについて、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。事業計画や市場の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損損失が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
c.新型コロナウイルス感染拡大に伴う会計上の見積り
詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境や事業活動等、当社グループにおいて様々な要因の変動による影響を受ける可能性があると認識しております。そのため、当社グループを取り巻く外部環境及び内部環境に留意し、内部統制システムの強化や優秀な人材の確保と育成、様々なニーズに合った商品やサービスの開発等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切な対応を図ってまいります。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループが今後より成長していくために、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、様々な経営課題に対処することが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、当社グループを取り巻く外部環境及び内部環境に留意し、様々なニーズを識別して経営資源の最適化に努めること及び継続的に収益を確保し、事業規模の拡大を図ってまいります。
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