事業の内容

3【事業の内容】

1.当社グループについて

 当社グループは、当社及び連結子会社4社(株式会社FPデザイン、株式会社ヘルスケア・フィット、株式会社ヒゴワン及び日本ソフトウエア販売株式会社)の計5社により構成されており、『健康寿命を延ばし、生きることを楽しむ社会へ』というグループビジョンを掲げ、接骨院などのヘルスケア産業の経営・運営を支援することで、人々の健康意識を高め、健康で豊かな暮らしができる社会の実現を目指しております。

 具体的には、柔道整復術(注)の施術所である接骨院・整骨院(以下、総称して「接骨院」という。)の経営・運営における様々な問題(売上の減少、資金難、経営戦略不足、教育制度の未整備等)に対するソリューションを提供する接骨院ソリューション事業、保険代理店や金融商品仲介業を行う金融サービス事業の2つのセグメントで事業を展開しております。

 なお、上記の2つのセグメントは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

(注)柔道整復術とは、柔術に含まれる活法の技術を応用して、骨・関節・筋・腱・靭帯等に加わる外傷性が明らかな原因によって発生する骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷等の損傷に対して、整復・固定等を行い、人間の治癒能力を発揮させる施術を行うことをいいます。

 

2.各事業の製品・商品又はサービスの特徴

A:接骨院ソリューション事業(当社、株式会社ヘルスケア・フィット、株式会社ヒゴワン及び日本ソフトウエア販売株式会社)

ⅰ.ソフトウェア(当社、日本ソフトウエア販売株式会社)

(1)Ligoo POS & CRM

 Ligoo POS & CRM(以下、「CRM」という。)は、接骨院向け患者情報管理システムであります。接骨院は、日々の施術内容をCRMに入力することで、CRMの分析機能により自院の課題を分析することができます。また、複数の接骨院を展開するグループ院においては、本部がグループ全体の運営状況をリアルタイムで把握することができます。

 CRMの導入院数は、1,491院(2022年3月末)となっており、約507万人の患者データが蓄積されております。CRMでは、接骨院業界における全国平均や地域別平均等の様々なデータを集計することができるため、当社では、この集計データを指標として用いたコンサルティングを提供しております。

 なお、CRMの売上高は、導入時に発生する初期設定費用、導入後のシステム利用をサポートする導入支援費用、月額利用料にあたるシステム利用料で構成されております。

 

■Ligoo POS & CRMの各年月時点における導入院数

年月

導入院数

患者データ数

2018年3月末

1,070院

334万人

2019年3月末

1,169院

381万人

2020年3月末

1,252院

413万人

2021年3月末

1,342院

461万人

2022年3月末

1,491院

507万人

 

(2)レセONE

 レセONEは、健康保険組合等の保険者に対して、療養費支給申請書(以下、「レセプト」という。)を提出する際に使用するレセプト計算システムであります。接骨院で行われている柔道整復術は、医療保険制度の適用対象(注)となっております。

 当社では、2019年2月よりレセONEの販売を開始し、その導入院数は、757院(2022年3月末)となっております。CRMとのデータ連携により、接骨院はレセプト情報の入力だけで、CRMの分析機能を活用できることが特徴となっております。また、2020年6月よりCRMとレセONEの機能を併せ持ったレセONEプラスを販売しております。

 なお、レセONEの売上高は、導入時に発生する初期設定費用、月額利用料にあたるシステム利用料で構成されております。

 

(注)接骨院で骨折、脱臼、打撲及び捻挫等の施術を受けた場合に、保険対象になります。なお、骨折及び脱臼は、緊急の場合を除き、あらかじめ医師の同意を得ることが必要となります。

 

■レセONEの各年月時点における導入院数

年月

導入院数

2019年3月末

69院

2020年3月末

310院

2021年3月末

485院

2022年3月末

757院

 

ⅱ.機材・消耗品(当社)

(1)EMS-indepth-

 EMS-indepth-(以下、「EMS」という。)は、外部から身体に電気刺激を与えることにより、筋肉を運動させる電気的筋肉刺激装置であります。EMSでは、一般的に鍛えにくいとされているインナーマッスル(注1)を運動させることができるとともに、全身運動が難しい方でも部分的なトレーニングが可能なため、当社では、接骨院における自費施術(注2)での健康増進メニューとして、EMSを販売しております。

 

(注1)深層筋とも呼ばれ、身体の深い部分にある骨・内臓・関節等を支える筋肉の総称であり、姿勢の保持や動作のサポート、内臓の正しい働きを促すために作用しています。

(注2)保険適用外であり、利用者の100%自己負担となる施術。

 

(2)トムソンベッド

 トムソンベッドは、骨盤や背骨の歪みが原因となる痛みへの対処法とした油圧電動式の施術台(一般医療機器)であり、施術者と利用者の両方に負担が少なく、施術時間も短縮できるという特徴があります。当社では、接骨院における自費施術メニューを補助する医療機器として、トムソンベッドを販売しております。

 

(3)Inject Energy

 Inject Energyは、150Vを超える高電圧を用いて身体の深部を刺激することで、疼痛の軽減や筋肉の萎縮の改善等に用いられる低周波治療器(特定保守管理医療機器)であります。当社では、接骨院における自費施術での急性疾患改善メニューとして、Inject Energyを販売しております。

 

(4)Dr.Supporter

 Dr.Supporterは、IFMC.技術(注)を採用した一般医療機器で、身体に装着することで血行促進や疲労回復、筋肉の疲れ・こりの緩和、神経痛・腰痛・筋肉痛の緩和、体幹の安定等の様々な効果が期待されます。当社では、健康サポート領域への展開として、自社ブランドを立ち上げ、2021年6月より全国の接骨院等の店舗向け販売を開始するとともに、自社のECサイトでも販売しております。

 

(注)IFMC.(イフミック:集積機能性ミネラル結晶体)は株式会社テイコク製薬社が温泉療法に着眼して製造したナノメーターレベルの非常に微小なミネラルの結晶体です。数種類の鉱物を組み合わせて鉄分の多い温泉水に一定時間浸漬し、その溶出液を特殊処理して抽出した物質です。

 

(5)各種教材

当社では、経営・運営・教育・組織等の各分野における当社のコンサルティングノウハウを集約した教材や施術方法等の技術用DVD等を販売しております。

 

(6)その他

 当社では、接骨院向けECサイトである「LiGUA Market」等にて、接骨院で使用する消耗品等を販売しております。また、接骨院における自費施術メニューの充実化を図るため、EMS、トムソンベッド、Inject Energy以外の機材も販売しております。

 

ⅲ.教育研修コンサルティング(当社、株式会社ヒゴワン)

(1)各種コンサルティング

 年単位など一定の契約期間を基本とした継続型のコンサルティングであります。業績の向上を目的としたもの、財務状況の改善を目的としたもの、組織体制の整備を目的としたもの等、主に接骨院での経営面、運営面の課題解決を図るものであります。

 

(2)GRAND SLAM

 GRAND SLAMは、接骨院の幹部または幹部候補者等のカテゴリ別で行う集合型の研修プログラムであり、当社による教育研修や外部講師による技術講習等の複数回のカリキュラムで構成されております。接骨院の業績を向上させることを主眼に置き、各参加者のリーダーシップ力・運営力・問題解決力・数値管理力・人材育成力・技術力等の向上を図るものであります。

 

(3)Webコンサルティング

 当社連結子会社の株式会社ヒゴワンは、接骨院業界の特性やガイドライン等を踏まえたWeb集客コンサルティングを行っております。

 

(4)その他

 当社では、接骨院におけるサブスクリプション型メニューの開発および展開をしております。また、キャッシュレス化を推進するクレジットやQRコード、電子マネー、プリペイド、継続課金等の各種決済システムを提供しております。

 

ⅳ.請求代行(株式会社ヘルスケア・フィット)

 当社連結子会社の株式会社ヘルスケア・フィットは、接骨院等における事務負担の軽減を目的とした療養費請求代行サービス(注1)を行っております。また、資金の早期支払を希望する接骨院に対しては、提携会社による療養費早期支払サービス(注2)を提供しております。

 

(注1)健康保険組合等の保険者に対して、接骨院を代行してレセプトを提出する業務を行っております。

(注2)保険者からの療養費の入金は、レセプトを提出してから3ヶ月程度の期間を要することから、早期に資金を必要とする接骨院に対して、当社グループの提携会社による融資を行っております。

 

B:金融サービス事業(株式会社FPデザイン)

ⅰ.保険代理店

 当社連結子会社の株式会社FPデザインは、生命保険会社23社、及び損害保険会社6社(2022年3月末)と業務委託契約を締結し、保険代理店として各種保険の募集を行っております。

 

ⅱ.IFA(金融商品仲介業)(注)

 当社連結子会社の株式会社FPデザインは、金融商品取引業者(証券会社)4社(2022年3月末)と業務委託契約を締結し、IFAとして金融商品の提案及び仲介を行っております。

 

(注)Independent Financial Advisorの略であり、各証券会社の営業方針に縛られることなく、独立・中立的な立場から資産運用のアドバイスを行う専門家。

 

ⅲ.その他

 当社連結子会社の株式会社FPデザインは、一般事業会社等に対して財務コンサルティングを行っております。

[事業系統図]

当社グループの事業系統図は以下のとおりであります。

 

 

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[参考]

 接骨院の収入には、医療保険制度の対象となる療養費のほか、自費施術(保険対象外)や物販による収入もあります。また、医業類似行為が認められている接骨院等と医業を行う整形外科等との違いは、次のとおりです。

■接骨院等の医業類似行為と整形外科、整体院との違い

 

接骨院

鍼灸院

マッサージ院

整形外科

整体院(注)

施術者

柔道整復師

鍼灸師

あん摩マッサージ指圧師

医師

整体師

資格

国家資格

民間資格

根拠法

柔道整復師法

あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律

医師法

行為

医業類似行為(施術)

医療行為

矯正

費用

療養費、自費

医療費

自費

 (注)接骨院での柔道整復師による施術が国家資格保有者のみ認められた医業類似行為である一方で、整体院では医業類似行為を行うことは認められていません。

 

 柔道整復師及び接骨院数は、年々増加傾向にあります。

■柔道整復師数、柔道整復の施術所(接骨院)数、柔道整復師国家試験の合格者数

 

2006年

2008年

2010年

2012年

2014年

2016年

2018年

2020年

柔道整復師数(人)

38,693

43,946

50,428

58,573

63,873

68,120

73,017

75,786

施術所数(院)

30,787

34,839

37,997

42,431

45,572

48,024

50,077

50,364

合格者数(人)

4,416

4,763

4,592

4,438

4,503

4,274

4,054

3,011

出典:厚生労働省「衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」及び「柔道整復師国家試験の合格発表」

 

 国民医療費が増加傾向にあるのに対して、柔道整復療養費は減少傾向にあります。

■柔道整復、はり・きゆう、マッサージ等の療養費の推移                    (単位:億円)

 

2012年

2013年

2014年

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

柔道整復

3,985

3,855

3,825

3,789

3,636

3,437

3,278

3,178

はり・きゆう

358

365

380

394

407

411

411

437

マッサージ

610

637

670

700

707

727

733

750

治療用装具

406

405

421

425

438

443

452

455

国民医療費

392,117

400,610

408,071

423,644

421,381

430,710

433,949

443,895

出典:厚生労働省「柔道整復、はり・きゆう、マッサージに係る療養費の推移(推計)及び「医療保険に関する基礎資料」

 

 

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