業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社は、2022年1月4日に単独株式移転により藤久株式会社の完全親会社として設立されましたので、前年同期との対比については記載しておりません。

なお、当社グループの連結経営成績等については、単独株式移転により完全子会社となった藤久株式会社の経営成績等を引き継いで作成しております。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①  財政状態及び経営成績の状況

イ.経営成績

当連結会計年度(2021年7月1日から2022年6月30日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大防止への取組みやワクチン接種が進んだことにより、今年に入り経済活動の制限は徐々に緩和されつつありますが、新たな変異株による感染症の再拡大や世界的な半導体不足、資源・エネルギー価格の高騰、ウクライナ情勢の長期化により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

当社グループが属する手芸業界においても、巣ごもり需要の沈静化や趣味の多様化、愛好者の高齢化によるユーザーの減少に加え、一部では手芸コーナーの充実を図る百円ショップとの競争も激化しているなど、予断を許さない経営環境が継続しております。

このような状況の中で、当社グループは日々変化する社会環境とお客様のニーズへ対応すべく様々な施策に取組むとともに、不採算店舗の閉鎖を進め北海道・東北地区5店舗、関東地区7店舗、中部地区3店舗、近畿地区2店舗、中国・四国地区1店舗の合計18店舗を閉鎖しました。また、地域店舗網の再編のため新たに関東地区2店舗、近畿地区1店舗の合計3店舗を新規出店し、当連結会計年度末の店舗数は369店舗となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度における経営成績は売上高157億12百万円、営業損失21億74百万円、経常損失21億54百万円となりました。また親会社株主に帰属する当期純損失は26億92百万円となりました。

主要な一般小売事業における事業部門別の取組みは次のとおりであります。

(店舗販売部門)

店舗販売部門では、業容拡大に向け業務提携先と様々な施策に取組んでまいりました。主な施策として、日本ヴォーグ社とはヴォーグ学園オンラインレッスンの開講と定期刊行誌の発刊、株式会社エポック社(以下、「エポック社」という。)とは新規商品の販売、GMOペパボ株式会社(以下、「GMOペパボ」という。)とは作品撮影スタジオの設置、株式会社ゴンドラ(以下、「ゴンドラ」という。)とはオムニチャネル化の推進に取組んでまいりました。日本ヴォーグ社とのヴォーグ学園オンラインレッスンについては、日本ヴォーグ社の子会社が運営するカルチャースクール「ヴォーグ学園」の経験豊富な講師による講座が直接受講できる新しい形の講習会を80店舗で開講しました。店舗に設置した大型モニターを利用し直接講師から指導を受けることができ、店舗に常駐するスタッフによるサポートもあり、安心してオンラインで本格的な講座を受講することができる講習会を定期的に開催しております。定期刊行誌の発刊については、全国の書店での販売のほか、毎号ご自宅に送料無料で届く年間購読も可能なソーイングの定期刊行誌「CRA-SEW(クラソウ)」を共同企画し発刊しました。季節に合わせた魅力的なソーイング作品を多数掲載し、作品に使用する材料を全国の店舗及びECで販売しております。エポック社との新規商品の販売については、手芸との親和性の高いシルバニアファミリーやジグソーパズル、アクアビーズを101店舗へ導入しました。なかでもシルバニアファミリーは、ハロウィンやクリスマスなど季節に合わせた衣装を手づくりするワークショップを全国の店舗で実施しております。GMOペパボとの作品撮影スタジオの設置については、自宅では撮影し難い大きな作品からアクセサリーなどの小物まで、豊富なシチュエーションでハンドメイド作品を撮影できる「minneLAB byGMOペパボ in Tokai」を2店舗に設置しました。他にも当社とGMOペパボが運営する「minne byGMOペパボ」とエポック社の3社でシルバニアファミリーハンドメイドコンテストを実施しました。ゴンドラとのオムニチャネル化の推進については、店舗とECが一体化したシームレスな購入環境の実現に向けシステム構築を開始しました。

これらの結果、当部門の売上高は、146億9百万円となりました。

(通信販売部門)

通信販売部門では、店舗販売部門と同様に業務提携先との取組みとして、日本ヴォーグ社と共同企画した定期刊行誌「CRA-SEW(クラソウ)」の作品に使用している材料やエポック社のシルバニアファミリーの販売を強化しました。ゴンドラとは、店舗とECが一体化したシームレスな購入環境の実現に向けたシステム構築に加え、メールやSNSを活用した情報発信を強化しました。これらの結果、当部門の売上高は、10億77百万円となりました。

(その他の部門)

不動産賃貸であり、売上高は25百万円となりました。

ロ.財政状態

当連結会計年度末の総資産は、101億93百万円となりました。その主な内訳は、現金及び預金13億30百万円、商品49億26百万円など流動資産75億27百万円、有形固定資産9億64百万円、差入保証金11億26百万円など固定資産が26億65百万円であります。

当連結会計年度末の負債は、39億62百万円となりました。その主な内訳は、支払手形及び買掛金6億22百万円、電子記録債務8億33百万円など流動負債が31億53百万円、資産除去債務6億37百万円など固定負債が8億9百万円であります。

当連結会計年度末の純資産は62億30百万円となりました。その主な内訳は、資本剰余金38億31百万円、利益剰余金22億79百万円などであります。

②  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は13億30百万円となりました。営業活動の結果使用した資金は、税金等調整前当期純損失の計上などから23億33百万円となりました。投資活動の結果使用した資金は、有形固定資産の取得などから3億5百万円となりました。財務活動の結果使用した資金は、配当金の支払などから2億93百万円となりました。

③  仕入及び販売の実績

主要な一般小売事業における事業部門別及び地域別の仕入及び販売の状況は次のとおりであります。

イ.仕入実績

区分

当連結会計年度

(自  2021年7月1日

至  2022年6月30日)

仕入高(千円)

構成比(%)

店舗販売部門

6,118,220

90.6

通信販売部門

625,332

9.3

その他の部門

5,937

0.1

合計

6,749,490

100.0

(注)1  その他の部門は、不動産賃貸収入に係る原価相当額であります。

2  金額は、仕入価格によっております。

 

ロ.販売実績

区分

当連結会計年度

(自  2021年7月1日

至  2022年6月30日)

売上高(千円)

構成比(%)

店舗販売部門

14,609,653

93.0

通信販売部門

1,077,318

6.8

その他の部門

25,262

0.2

合計

15,712,234

100.0

(注)  その他の部門は、不動産賃貸収入であります。

 

ハ.店舗販売部門の地域別売上高

当連結会計年度における店舗販売部門の地域別店舗売上高は、次のとおりであります。

地域

当連結会計年度

(自  2021年7月1日

至  2022年6月30日)

売上高(千円)

構成比(%)

出・退店(店)

期末店舗数(店)

出店

退店

北海道・東北

1,570,108

10.6

5

45

関東

3,893,893

26.7

2

7

90

中部

5,019,064

34.4

3

118

近畿

1,763,623

12.1

1

2

45

中国・四国

1,240,156

8.5

1

37

九州・沖縄

1,122,806

7.7

34

合計

14,609,653

100.0

3

18

369

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①  財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績

当連結会計年度の売上高は157億12百万円となりました。巣ごもり需要の沈静化に加え、物価上昇などマクロ環境の変化による消費者マインドの悪化の影響を大きく受けたことが売上減少につながりました。今後の事業展開に備えた滞留在庫削減販促による粗利率の低下やECサイト再構築費用の計上等により、営業損失21億74百万円、経常損失21億54百万円となりました。繰延税金資産の取り崩し等により、親会社株主に帰属する当期純損失は26億92百万円となりました。

ロ.財政状態

当連結会計年度の財政状態の分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 ロ.財政状態」に記載のとおりであります。

②  キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

イ.キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況の分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

ロ.資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要の主なものは、商品仕入、人件費等の販売費及び一般管理費であり、設備投資需要のうち主なものは、新規店舗出店に伴う建物及び什器、備品の取得等であります。このような資金需要に対しましては、自己資金で充当しております。なお、資金の流動性に関しては、当社の連結子会社である藤久株式会社は、運転資金を安定的かつ機動的に調達することを目的としたタームアウト型コミットメントライン契約(当連結会計年度末における借入実行残高はございません。)を2020年3月25日に締結しております。

③  重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

④  経営上の目標を達成するための客観的な指標等

当社グループは、企業価値を高め継続的に利益が出せる企業体質にしていくことが重要な課題であると認識し、2025年6月期を最終年度とする新中期経営計画を策定しており、2023年6月期の目標数値は売上高220億円、営業利益1.9億円、営業利益率は0.9%、2024年6月期は売上高225億円、営業利益7.9億円、営業利益率は3.5%、2025年6月期は売上高246億円、営業利益14.7億円、営業利益率6.0%であります。

今後は、新中期経営計画において掲げた3つの経営戦略(①事業力強化、②M&A、アライアンス推進、③経営体質強化)を着実に実行することでこの指標を達成できるよう、取組んでまいります。

 

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