課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

社会構造がデジタル化、システム化の時代へ進展するほど、人は心癒されるものや自己実現を目指してオリジナリティを求め、余暇時間の有効活用や生涯学習を志向すると思われます。

人の価値観がモノからコトへ、コトからココロへと変化、多様化するなか当社グループは、日々の生活における「やすらぎ」や「ゆとり」につながる「ハンドメイド」の企画・販売を通じ、「手芸の喜びと感動」を実感していただくため、心豊かなくらしの実現を提案する感動創造企業として、お客様と地域社会に貢献できるよう努力を重ねております。

 

(2) 経営戦略等

経営戦略として、店舗網の再編やEC強化、商品戦略により事業力を強化し、M&A・アライアンスの推進により新たな商品の取り扱いやサービスの拡充を図り、人材強化や財務戦略、DX推進を進めることで経営体質を強化し、毎期確実に黒字を計上し継続的な事業価値の向上を目指します。

 

(3) 経営環境

当社を取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症拡大防止への取組みやワクチン接種が進んだことにより、経済活動の制限は徐々に緩和されつつありますが、新たな変異株による感染症の再拡大や世界的な半導体不足、資源・エネルギー価格の高騰、ウクライナ情勢の長期化により、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

当社グループが属する手芸業界においても、巣ごもり需要の沈静化や趣味の多様化、愛好者の高齢化によるユーザーの減少に加え、一部では手芸コーナーの充実を図る百円ショップとの競争も激化しているなど、今後も厳しい経営環境となることが予想されます。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

こうした経営環境の中、当社グループは2022年8月10日付にて公表いたしました「新中期経営計画」において掲げた以下の経営戦略を着実に実行することで事業拡大を実現してまいります。

① 事業力の強化

不採算店舗を計画的に閉鎖し、戦略的なスクラップ&ビルドにより店舗網を再構築するとともに、店舗の内外装の改装や店舗とECが一体化したシームレスな購入環境を実現することで、来店客数の増加を図り顧客基盤を増強します。商品構成についても顧客ニーズの高い生地やミシンなどのソーイング関連の強化や、地域特性に合わせた品揃えを強化することで売上の向上を図ります。加えて、新ビジネス領域への挑戦として当社グループの会員情報を活用し「美・健康」をテーマとした商品・サービスをライフスタイルに合わせて提案することで更なる事業の拡大を図ります。

② M&A・アライアンス推進

株式会社日本ヴォーグ社(以下、「日本ヴォーグ社」という。)とのヴォーグ学園オンラインレッスンなど、グループ内企業の顧客基盤やサービスを活用し、新たな商品やサービスを提案することで、新規顧客の獲得を強化します。今後も「手づくり」領域を中心に提携企業を拡大していくことで、更なる商品・サービスの拡充を図ります。

③ 経営体質強化

手づくりを通して世代や地域を超えて人と人を結ぶお手伝いをするとともに、地域社会や環境の持続可能な社会の実現に貢献するため、環境負荷の低減や健康経営の推進などサステナビリティの重要課題に取組みます。構造改革として、オムニチャネルの進化による顧客利便性の向上と物流コスト削減、事業計画達成に向けた人材開発や能力開発、研修制度の充実などの人材強化を行うことで経営体質強化を図ります。

 

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、株主重視の経営推進という観点から企業価値を高めるため、高付加価値の商品やサービスの提供により収益基盤の強化を図り、継続的に利益を出せる企業体質を目指しております。

目標とする経営指標として2025年6月期を最終年度とする新中期経営計画を策定しており、2023年6月期の目標数値は売上高220億円、営業利益1.9億円、営業利益率は0.9%、2024年6月期は売上高225億円、営業利益7.9億円、営業利益率は3.5%、2025年6月期は売上高246億円、営業利益14.7億円、営業利益率は6.0%であります。

 

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