課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の方針

当社グループは、経営理念の実現に向け、常にお客様の立場で発想し、お客様と共感する商品・サービスを提供し続けるために、社員の成長を通して企業価値の向上に努め、法令遵守のもと企業の存在意義を高めていきます。

(経営理念)

 ・私達は、常にお客様に満足していただける独創的な商品を豊かに追求し提供します。

 ・私達は、社会の一員として役立つために企業活動を通じて人間性の向上に努めます。

 ・私達は、人間の持つ無限の可能性を信じ企業の永続・発展に努め、より大きな幸せの創造に貢献します。

 

(2)経営計画

引き続き新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、3密を回避できる趣味や移動手段として、二輪車や電動アシスト自転車の需要が高まっております。2021年度の国内二輪車新車販売台数は前年比14%伸長し、中でも趣味性の高い排気量251cc以上の車両においては前年比24.5%の大幅な増加となりました。また、免許取得者も増加していることから、市場が拡大傾向にあるものと推測されます。

このような市場の拡大傾向を背景に、当社グループが提供する二輪車部品用品の需要も高まっており、業績も大きく向上しております。一方で、原材料不足や海上輸送の運賃高騰、遅延などが商品供給に影響を見せはじめており、特に輸入商材で半導体を使用するインカムなどの電子機器や電動アシスト自転車は商品の入荷と欠品を繰り返す状況も見られます。その他の商品についても、Web販路を中心とした巣ごもり消費の増加により予測を超える受注となることもあるため、特にリードタイムの長い商品を中心に予備在庫の保有基準値を上げて対処するなど、棚卸資産の増加により高めの推移となっております。また需要増大はこれまでの1日あたりの出荷処理能力不足も発生し、この増強など対処すべき課題も増加している状況です。

このような環境の中、当社では3ヵ年の中期経営計画を策定し、年度ごとに環境変化や進捗状況を分析した上で、微修正を反映しながら事業活動を推進しております。2021年度〜2023年度の中期経営計画は市場の強い追い風もあり、これまでにない高い成長率で伸長した結果、2021年度末時点で2023年度中期経営計画を達成することとなりました。2022年〜2024年の中期経営計画では、このような市場環境の変化も取り込み、より成長を目指す計画に修正の上、実現に向けて事業活動を推進いたします。最新の中期経営計画は毎年株主総会終了後に当社ホームページに概要を公表しておりますのでご参照ください。

 

(3)目標とする経営指標

当社グループは、趣味性の高い市場を事業領域としており、お客様のニーズに対応する多くの商品を提供しています。お客様の志向は多種多様であり、このニーズに的確に対応するためには多くの新商品の投入が必要です。当社は、多様なニーズの収集や多品種の開発を適時に行うため小人数で構成する開発グループ制を採用し、また多品種小ロットの商品提供を実現するため、自社では生産設備を持たず、それぞれ商品の特性に合わせた最適なベンダーに生産を委託しています。

これにより、多くの新商品投入を実現し既存商品の販売低下率をカバーしております。したがって毎年投入する新商品による売上高構成比を重要な指標の一つとしています。

また、経営理念に掲げる独創的な商品の提供を目指し、お客様から高い支持を得られる、他社と差別化された付加価値の高い商品により利益を確保し、次の商品開発への再投資やM&Aなどの事業投資による成長を推進するため、経常利益率14%を目標としています。さらにM&Aなどの大きな投資による借入金の増加などに備え、自己資本比率をしっかりと確保しながら効率的に資本を活用するため自己資本利益率も重要な経営指標と捉えこの向上に努めます。

中長期的には、バイク文化の創造企業として、世界のライダーに支持されるブランドを持つグループ会社を目指すとともに、これまで培った「発想」「評価」「改善」能力を活用し、環境変化に対応した商品・サービスで社会貢献を目指します。

 

 

(4)会社の対応すべき課題

引き続き新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の影響により、取り巻く環境が大きく変化しております。3密を回避できる趣味、移動手段として二輪車・電動アシスト自転車の需要が高まる中、需要の大幅な増加に対応する商品の調達や供給の課題が大きくなっております。また、原材料不足や海上運賃の高騰、為替の円安の進行など利益減少への対処も重要です。これらの課題に対処すると共に、新たな免許取得者等の増加など市場やユーザーの変化を的確に察知し、魅力ある商品供給を通じて既存の二輪事業での勝ち残りを進めながら、永続発展のため新規事業の多角的展開を継続し更なる成長を目指します。

 

①  新規事業へのチャレンジ、事業化の推進
 二輪車関連の部品用品の卸売、小売が主体である当社グループにおいて、同一市場の成熟化や衰退は将来の経営リスクとなります。これまで二輪車事業で培ってきた企画・開発力を活かした新たな事業展開、また二輪車関連とは異なる新たな領域での事業展開も検討が必要です。将来的には当社の売上構成比の25%程度を二輪車アフターパーツ以外で構成できるよう、事業展開、M&Aなどを推進してまいります。

 

②  需要拡大への対処
 新型コロナの発生以来、大幅な需要の増加が続き、これまでの出荷供給体制の処理能力を超える状況も見られるようになりました。出荷システムの改修を進めた結果、処理能力は大きく向上しましたが、今後の更なる需要増に備え設定した目標値には未達となっており、引き続き対応を進めてまいります。
 また、需要増は発注業務にも大きな影響が出ており、発注量の増大に対しては発注点基準の見直し、業務システムの見直し等により対処しておりますが、世界的な新型コロナの影響により、海外調達品を中心に原材料不足や海上運送の遅延による納期遅延も発生しております。ある程度の在庫バッファを持つことで対応しておりますが、一方で在庫量の増加につながり、資金の滞留や保管倉庫のキャパシティの問題も出てまいりますので、バランスを取りながら引き続き対処を進めてまいります。

 

③ 国内市場における商品力、ブランド力の強化
 新型コロナによる国内需要の大幅な増加により、既存商品の需要も大きく伸びております。国内二輪車部品用品市場における最も重要な施策であるユーザー支持率No.1ブランドの確立に向けて、主要な商品ジャンルにおけるシェア拡大を指標に、新商品開発及び商品改良に注力します。また、引き続きユーザーの在宅時間増加による情報収集方法の変化に対応した販売促進、情報提供の強化を行います。営業活動においてはオンラインの活用、ユーザーに向けては動画による商品訴求の充実など、効果的なコミュニケーションを推進してまいります。

 

④  海外市場の展開
 国内事業が主体の当社において、海外販路の展開は重要な成長課題です。インドネシアの子会社では販路の再構築も進み、順調に出荷が増加し始めております。また先進国の欧米も出荷増加の傾向が見られます。引き続き在外子会社や現地ディストリビューターと連携し、世界のバイクライダーに認知、支持されるブランド、グループを目指して成長を推進してまいります。

 

⑤ コーポレートガバナンス・コード(CGコード)への対応
 2022年4月から東証の市場再編によりスタンダード市場への上場が決定しております。現在のJASDAQ市場ではCGコードの基本原則の5つの対応が求められておりましたが、スタンダード市場ではこれまで東証1部、2部の本則市場に求められていたコードの全原則への対応が求められます。昨年12月末の市場区分変更申請の段階では、コードを実行していないため、説明による対応とした項目も残す状況ですので、今後は遵守できる項目を増やすことが出来るよう体制の整備を進めてまいります。

 

⑥ 持続可能な開発目標(SDGs)への取組
 当社の経営理念にもある、社会の一員として役立つために、国際社会の共通目標であるSDGsに取り組んでまいります。2021年2月には当社が運営する太陽光発電設備を利用して当社グループの使用電力すべてを再生可能エネルギーとすることとし「再エネ宣言RE Action」への参加を決定しました。また愛知県設楽町とのパートナーシップ協定、リユース事業による資源の再利用化なども推進しています。今後は企業や自治体が保有する施設の屋根などを利用して太陽光発電パネルを設置するPPA事業の検討など、さらなる環境負荷の低減、CO2排出量の削減を進めてまいります。
 

 

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