課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

企業は株主・従業員・社会の三者の共有物である、というのがNOKグループの基本的考え方であります。これに顧客・仕入先・金融機関等を加えた利害関係者、いわゆるステイクホルダーの方々が誇りを持てる企業、それがNOKグループの目指すべき姿と考えております。そのためには、「技術に裏打ちされた独自性のある、かつ社会に有用な商品を世界中で安くつくり適正価格で売る」ことにより高い収益力を持つ強い企業集団をつくりあげることが重要と考え、この考えに基づき事業経営を展開しております。

 

(2)目標とする経営指標

中長期的にはROA5%以上、自己資本比率50%以上を目標としております。しかし現在は収益力が落ち込んでいるため、自己資本比率以外は短期的な目標たりえず、まずは各セグメントでの売上高利益率の回復に専念したいと考えております。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題等

今後の当社グループを取り巻く経営環境につきましては、新型コロナウイルス感染症の収束とともに経済活動は徐々に持ち直していくとみられますが、金融市場の変動や中国におけるロックダウン、ロシア・ウクライナ情勢の動向により、先行き不透明な状況となっております。

 

シール事業では、自動車向けについては、半導体等の部品供給不足の解消や各国の景気刺激策等を背景に、国内外での自動車需要が増加し、販売は増加するとみられます。一般産業機械向けについても、建設機械や農業機械、工作機械、ロボット向け等の需要が引き続き好調を維持し、販売は増加するとみられます。一方で、依然として継続する世界的な原材料の価格高騰や供給懸念、地政学的なリスクによる影響等、外部環境の不透明感が強い状況が見込まれているため、これらの変化に対して迅速に対処してまいります。また、今まで以上に安定した品質・安定した製品供給が実現できる生産体制を構築するとともに、自動車の電動化等の中長期的な事業環境の変化に対応するべく、新事業・新商品の開拓にも取り組んでまいります。

 

電子部品事業では、電動車向け製品のさらなる拡販により、販売は増加するとみられますが、シール事業と同様に、外部環境の不透明感が強い状況が見込まれております。一方で、高機能スマートフォンの需要変動、拡大する電動車向け需要への対応が課題となっております。これらに対処すべく、需要変動の少ない事業領域を拡大することで変動の影響を受けにくい体質作りを進めるとともに、地産地消の考え方をもとにした最適地生産により、世界各地で拡大していく電動車の需要に対応してまいります。

 

その他事業では、特殊潤滑剤事業は、一般産業機械向けの需要が引き続き好調を維持するとみられます。ロール事業は、従来からの事務機市場の成長鈍化に加え、新型コロナウイルスの影響による働き方の変革によりプリンターおよび消耗品の需要減少が継続する懸念があり、適正かつ需要に見合った体質とすることが課題となっております。これらに対応すべく、営業・技術・生産一体となり、生産性の改善や品質・コスト面での競争力向上を進め、経営効率をより一層高めて収益力の向上に取り組んでまいります。

 

こうした厳しい経営環境の中、新型コロナウイルスの感染への対応を図るとともに、ますます拡大する海外事業の適切な管理や新商品開発による販売強化、品質力のさらなる向上、自然災害等に備えたBCM(事業継続マネジメント)の運用、業務の効率化、デジタル化の推進、ならびにこれらを担う人材の育成に力を入れ、将来を見据えて当社グループが持続的に成長発展していけるよう、下記方針に基づき3カ年計画(2020年度から2022年度まで)に取り組み、全社一丸となって邁進、努力していく所存であります。

 

3カ年計画スローガン(基本方針)

「変化への柔軟な対応と“持続性ある企業”への再挑戦」

 

方針

(1)特定顧客依存からの脱却-拡販と新事業の創出による拡大均衡

(2)品質の原点回帰

(3)実効性あるBCMの運用

(4)競争力向上、収益改善に繋がる業務のデジタル化推進

(5)人間尊重経営の実践-活力に溢れた人づくり、柔軟・多様な働き方の導入

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