課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における当社グループの判断で記載したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(1) 経営の基本方針

当社の主力事業分野である自動車産業は、モビリティ社会に向けて100年に一度といわれる大変革期にあります。

当社は、安全・環境・快適性能向上に寄与する新事業・新技術・新製品開発を通じて、社会から信頼され期待される企業として成長を続けていきたいと考えており、ブランドスローガン「思いをこめて、あしたをつくる ~Passion in Creating Tomorrow~」を策定しております。

また同時に、ものづくりを通じて、新たな価値の創造に挑戦するとともに、持続可能な社会への貢献をめざして、長期ビジョン「PACIFIC GLOCAL VISION」を掲げております。
 

長期ビジョン「PACIFIC GLOCAL VISION」

 1  ステークホルダーに信頼され、地域社会に根ざし、共存・発展できる真のGLOCAL企業

 2  持続可能な社会に向けて、コア技術を活かし、新事業・新製品・新技術を提供し続ける企業

 3  社員の新しい発想や挑戦を大切にし、仕事と生活の調和が実感できる企業

 

世界的に新型コロナウイルス感染症が拡大し、ニューノーマルな生活様式、持続可能な社会への移行が加速しております。このような中、グループの全社員がビジョン実現のため、適切なリスク管理を行い、長期的視野を持って行動しております。
 当社グループは、これからも社会から信頼・期待され、持続的成長を続ける100年企業、そしてさらにその先に向け、企業経営の質の向上を追求するとともに、ステークホルダーの皆様との関係をより良いものにしてまいります。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは2019年に中期経営計画をローリングし、「OCEAN-22」を策定しました。
 「OCEAN-22」では、ものづくりの足元固めを行い、次なる飛躍に向けた体質の強化とそれを実行する人財育成に注力するとともに、ESG(環境、社会、ガバナンス)の取り組みを強化し、サステナビリティ経営を推進しております。

2022年度の目標値は、連結売上高を1,750億円、連結営業利益率は7%台、営業利益ベースのROAは6%台としております。営業利益ベースのROA(Return on Assets)とは、事業の効率性を示す指標であります。事業の成果を表す営業利益を、総資産で除して求めます。

新型コロナウイルスの感染拡大等により、世界経済の停滞が長期化しており、「OCEAN-22」の前提が異なってきておりますが、この目標を達成すべく、業績向上に向けた取り組み、電動化や新規事業創出の取り組みなどを進めてまいります。

 

 


 

 

 

(3) 経営環境、中長期的な経営戦略及び対処すべき課題

① 経営環境

当社グループの主要事業分野である自動車関連業界は、ハイブリッド車・電気自動車などの電動車へのシフトや、自動運転支援技術・コネクテッドカー開発の加速など、100年に一度の大変革期にあります。加えて新型コロナウイルスの世界的なまん延、半導体供給不足、ウクライナ情勢、原材料価格の高騰などが重なり、経営環境は不透明さを増しております。また、脱炭素やSDGsといった持続可能な社会への転換も加速しております。こうしたなか当社はグループ全体で、次世代モビリティを見据えた技術開発や新規事業開発を進め、サステナビリティ経営を強化し、持続可能な成長を図ってまいります。

 

② プレス・樹脂製品事業の戦略

プレス・樹脂製品事業においては、グローバルで生産体制の拡充を図るとともに、超ハイテン材加工でCO2排出量が少ない冷間プレスに注力します。また、構造解析技術を深化させ、ボデー骨格全体での提案・受注を推進してまいります。併せて、電動車でニーズが高まるアルミ材成形技術や、防音・防振技術などを深化させ、付加価値の高い製品を提供してまいります。

 

③ バルブ・TPMS製品事業の戦略

 2018年8月に子会社化したSchraderバルブ事業とのシナジーを引き続き向上させ、世界でのリーディングポジションを固める一方、電動化で需要が高まるカーエアコンのヒートポンプ向けバルブ製品等の開発を進めております。TPMS(タイヤ空気圧監視システム)は、次世代型の開発に注力しつつ、シェア拡大に努めてまいります。
 

④ 新規事業開発

 センシング技術など当社のコア技術やIoT・AIを活かした、新分野の製品開発を推進するなど、モビリティ分野にとどまらず、社会課題解決に資する新事業の創造をめざします。

 

⑤ サステナビリティ経営

  長期ビジョン「PACIFIC GLOCAL VISION」を踏まえ、SDGsと一体的に取り組みを進めています。サステナビリティに関する15の重要課題(マテリアリティ)を特定し、「ステークホルダーとの信頼醸成」「製品を通じた社会・顧客課題の解決」「環境負荷の極小化」「人財の尊重と活躍」の4つの活動テーマとして整理し、具体的な計画とKPIを定め、取り組んでおります。特に環境については、「PACIFIC環境チャレンジ2050」を公表し、2050年のカーボンニュートラルを含む長期目標を掲げ、取り組みを加速しております。
 

⑥ 人財育成

  グローバルに持続的成長を続けていくためには、「人財」の成長が必要不可欠です。太平洋工業グループの普遍的価値観「PACIFIC VALUES」の“私たちの心構え”である「夢と挑戦」「信頼と感謝」をグループ全体に根付かせ、同じ価値観で業務に邁進したいと考えます。そして、「ものづくりは人づくり」の信念のもと、次世代人財の継続的な育成をグループ全体で推進するため、人権尊重を基盤に、階層別教育の充実や、従業員エンゲージメント向上のための取り組みを進めてまいります。
 

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