研究開発活動

5 【研究開発活動】

当社グループは自動車内装トリム部品の専門メーカーとして、ユーザー及び自動車メーカー各社のニーズに積極的に応える新製品・新工法を提供するため、強力に研究開発を進めております。
  新製品の開発及び新技術の基礎研究は、主に国内の技術センターで効率的な開発を行うとともに、日米欧中の各技術センターとの相互補完体制を構築しております。
  特に、北米においては既存の米国ミシガンの技術センターに加え、2013年にメキシコ技術センターを開設、2017年にテネシー技術センターを開設し、先進技術の積極的な情報収集とともに、専門メーカーとしてグローバル視点で自動車メーカー各社や部品メーカー各社との活動を進めております。

なお、当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費の総額は1,534百万円であり、主に日本で発生したものであります。この他に新車開発及び既存製品の改良等で発生した研究開発関連の費用は3,410百万円であります。

主な成果は次のとおりであります。

 

(1)環境対応

SDGsの達成に向けサステナブルなモビリティー社会の実現に貢献するための活動を進めております。

当社の循環型リサイクルシート製品は、市場リサイクル材料および工程内リサイクルを採用しております。主に、日系自動車メーカーのラゲッジ・トランクに多く採用されており、新型EVにも量産採用しております。これまで本製品は日本のみで生産可能でしたが、当社の子会社であるKASAI NORTH AMERICA, INC.マンチェスター工場に製造ラインを導入し日米二極で対応できるようになり、北米向け車種の生産を2020年より開始いたしております。今後さらに循環型リサイクルシート製品自体の開発・改良を行い、ラゲッジ・トランク製品以外での受注拡大を図ってまいります。

有機溶剤を使わない接着方法「ホットメルトプレコート」を開発し、2021年に英国で発売された新型SUVに量産採用し、続いて北米におきましても2022年発売の新型車にて拡大採用を行っております。また、塗装を使わない原着成形技術として「テクスチャー付き原着」を開発し、2020年に北米で発売された新型SUVに量産採用し、後続2車種においても採用が決定しております。

 

(2)高品質

自動車内装の高品質ニーズは益々高くなっており、デザイン性に富んだ緻密なクロスステッチの量産、更にコンピュータミシンを使ったデザイン性の高いキルティング、アンビエントイルミネーションなど、得意先に提案し採用されております。

 

(3)軽量化

高品質な外観としっかり感を同時に実現する射出発泡成形製品、高剛性薄肉樹脂プレス成形製品、超軽量ウレタン天井等を他社に先駆けて開発し、中でも射出発泡成形製品においては更なる軽量化が可能な技術開発が完了し新車への採用が決定しております。

 

(4)安全性

側面衝突時の安全性に寄与するドアの高性能なエネルギー吸収パッドを射出成形樹脂で廉価に実現し、更に機能性を向上させる開発を完了し各車種への搭載を開始しております。

 

(5)快適環境

車室内温度を最適に保つ遮熱天井材を世界で初めて量産しました。また、塗装や接着に使われ人体に悪影響を与えることが問題視されている有機溶剤の削減を積極的に推進しております。

 

(6)魅力機能

近年、期待が高まる自動運転、コネクティビティなどCASEを中心とする次世代自動車技術をいち早く先取りして、内装がクルマと乗員のインターフェースとなる、インテリア ユーザー インターフェース(IUI)コンセプトを提唱し、次世代に向けた内装革新商品の研究開発を強力に進めております。2022年では新型EV車にてタッチスイッチを搭載した新型MAP LAMPが採用されました。

 

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