課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、長年にわたり樹脂成型品の分野でお客様に満足いただける素材製品の提供を目指してまいりました。今後も長年培った技術、経験を活かしながら、企業の社会的責任や安全性に十分配慮しつつ、お客様との信頼関係を深めて業績の向上を図るとともに、株主の皆様をはじめ地域社会、取引先、社員など多くのステークホルダーの方々に貢献し、企業価値を継続的に高めてゆくことを、企業の基本方針としております。

 

(2)経営戦略等

当社グループは、将来にわたって安定的な収益を確保し、ステークホルダーの皆様から評価される企業を目指し、より厳しい経営環境にも耐え得る筋肉質な経営基盤の構築に取り組むことを経営戦略の基本としております。

当社グループの主力製品である自動車用樹脂成型品については、市場熟成分野であり需要の伸びが期待できず、厳しい業界内競争が続いております。このような事業環境のなかで中長期的視点に立ち、次の時代を切り拓く取り組みとして、以下の項目に経営資源を配分し、企業価値の増大に努めてまいります。

①品質管理、改善活動の順守徹底

②売上拡大に見合う利益・設備・外製先の確保及び海外事業の安定化

③新技術の創出、確立による受注拡大及び品質・生産性向上

④生産技術力の向上による量産性向上及び信頼確保

⑤人財育成による企業強化及び後継者の育成

⑥コンプライアンスの順守徹底

 

(3)経営環境

当社グループをとりまく経営環境は、新型コロナウイルスの感染拡大が終息しない状況により、依然先行き不透明な状況でありますが、SDGsをはじめとする社会課題に対する責任の高まりにより、様々な変化が生まれてくることが予測されます。

当社グループの属する自動車業界においても、新型コロナウイルスの感染拡大による対策として、サプライヤチェーンの維持・強化、半導体不足をはじめとした海外からの部品供給遅れ、ウクライナをめぐる地政学リスクによる各完成車メーカーでの減産等、下振れ懸念があります。一方、中長期目線では、環境問題への対応やそれに伴う自動車の電動化、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)時代に向けた、車、インフラ関連サービスの対応等、新たなモビリティ社会の最適化の構造変革の時代を迎えております。

このような経営環境のなか、当社グループが継続的に事業規模の拡大を図るために、迅速に対応した事業活動を展開してまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループにおいては、新型コロナウイルスの感染動向及び、車載用半導体不足による自動車メーカー各社の減産等により、製品売上高の下振れ懸念が生じております。通期では徐々に正常化に向かうものと期待をしておりますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大及び、半導体の不足等による自動車メーカー各社の稼働調整や操業停止の影響は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。影響額については、現時点において合理的に算定することが困難でありますが、グループ全体の生産性向上に向けた体制を着実に構築することにより、利益確保に努めてまいります。

このような環境のもと、当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。

 

①品質管理の徹底

当社グループは、品質第一の徹底を図ってまいります。また、経営資源を設備投資などに振り向ける一方で、採算改善、原価低減活動の推進等により、コストの低減に努め、品質管理のレベルアップに取り組み、さらなる品質管理体制の強化に努めてまいります。

②顧客満足度の強化

当社グループは、新規受注及び既存部品の営業強化による売上拡大と共に顧客満足度の向上を図り、海外及び国内の事業環境変化に対応できる体制作りに取り組んでまいります。

 

③改善活動の継続と生産性向上の強化

当社グループは、既存設備の更新及び製造工程の改善に取り組み、生産量の変化にも柔軟に対応できる仕組みを構築すると共に、全社的な改善活動に積極的に取り組み、生産力の質的向上、効率化を図り、生産性の向上に努めてまいります。

④新技術の創出による成長路線への布石

当社グループは、自らの新技術の創出に取り組み、新技術の創出及び確立による技術力の向上を図り、お客様のグローバル化対応への要望に応える最適な生産体制の整備を進めてまいります。

⑤海外事業の発展

当社グループは、グループのさらなる発展のためには、海外売上高の伸長が不可欠であると考えております。インドネシアの子会社では、新工場の立ち上げにより、さらなる事業展開を進めつつあります。また、2021年7月にベトナムに新たな子会社を設立しました。今後も、アジアを中心に海外事業展開の強化を図り、売上及び利益の拡大に努めてまいります。

⑥人財育成による企業強化

当社グループは、事業環境の変化に対応し、永続的に事業を継続し成長させるため、人財育成強化が重要な課題と認識し、活気ある風通しの良い明るい企業体質作りに取り組んでおります。また、次世代への技術の承継にも取組み、後継者の育成にも努めてまいります。

⑦安定的な収益基盤の強化

当社グループは、品質管理の徹底及び改善活動に取り組み、環境変化に強い収益基盤の強化に努めてまいります。また、安定的な資金確保に備えたコミットメントライン契約を締結しており、サステナブルな成長に取り組んでまいります。

⑧業務管理体制、内部統制の強化

当社グループは、継続的に成長可能な企業体質を確立するため、内部統制の強化が重要な課題と認識しております。その基本理念に基づいた「内部統制システムの基本方針」を策定しており、適宜見直しを行い、必要に応じて改定を行っております。また、業務の有効性及び効率性を高めるべく、金融商品取引法に基づく内部統制報告制度への適切な対応を推進してまいります。さらに、財務報告に係る内部統制が有効かつ適正に行われる体制の運用・評価を継続的に行うことで、経営の公正性・透明性の確保に努めると共に、当社グループの業務管理体制を確立し、さらなる内部統制の強化に努めてまいります。

 

(5)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、継続的な成長を目指しており、安定した企業価値の増大を確保するため、重要視している経営指標は、売上高及び営業利益であります。

 

 

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