課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループでは「お客様に喜んで頂く商品をつくり、社会に貢献する」を経営理念に掲げ、トラック製造業界、建設・産業機械業界をはじめ、実際に商用車や産業用機械を運転されるお客様の立場に立ち、ニーズを先取りした提案型の製品開発、設計、生産を行うとともに、製品の安全性を高め、しっかりとした品質が保証できるものづくりに真摯に取り組み、社会にとって必要な企業であり続けることが、株主の皆様をはじめ、当社を取り巻くすべてのステークホルダーにとって、真の企業価値の向上をもたらすものと考えております。

 

(2)経営戦略等

 当社グループでは、2019年4月~2022年3月までの3か年を対象とする第14次中期経営計画を公表しておりました。この計画の中で、「収益力の強化」「先端技術への対応並びに開発力の強化」「収益ソースの拡大」「経営インフラの整備」を重点方針とし、既存事業の収益回復と次世代への取組みに注力してまいりました。しかしながら、長引く新型コロナウイルス感染拡大・ウクライナ情勢の緊迫化を受けたさらなる市況高騰という外部要因に加え、北米事業の黒字化の遅れ・国内事業の抜本改革の遅れという内部要因を受け、数値目標の達成を実現することができませんでした。

 また、当社グループは2021年12月22日に「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を公表しております。新市場への上場維持基準適合を重要テーマと捉え、持続的な成長ビジョンを描くため、「Challenge to the future~未来への挑戦~」を活動スローガンに掲げた第15次中期経営計画を策定いたしました。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは、2022年4月~2025年3月までの3か年を対象とする第15次中期経営計画を公表し、中期経営計画最終年度となる2025年3月期には、「連結売上高600億円」、「連結営業利益率5%」、「ROE8%」を目標財務指標としております。

 上海ロックダウンによる減産影響、ウクライナ情勢に起因したエネルギーコストの上昇、さらなる材料市況高騰による影響と足元では不透明な状況は続いておりますが、北米事業の収益改善、国内事業の抜本改革、アジア事業の拡大により達成を目指してまいります。

 また、環境意識の高まりを受け、今中期経営計画より非財務指標についても目標設定しております。ESG経営の取組みの中で進捗管理をしてまいります。

 

(4)経営環境

 当社グループでは、2030年に目指す姿とし「時代の変化に合った価値をスピーディーに創造する企業」を掲げ、挑戦してまいります。第15次中期経営計画では「企業価値向上の取組み」「新領域への挑戦」「ESG経営の取組み」を重点方針として、プライム市場上場維持を目指すため各戦略を加速させます。

①企業価値向上の取組み

 国内市場縮小及び海外への生産シフトに対応するため、既存事業の抜本的な改革を実行してまいります。また、各地域の市場規模に応じた生産体制の再構築を進め、収益基盤の改善に繋げてまいります。2022年4月から地域・機能統括制度を導入し、意思決定の迅速化や連携強化を図り、国内工場の再編や北米事業の黒字化に注力いたします。

②新領域への挑戦

 乗用車に比べて遅れてはいるものの、商用車でもxEV(各種電動車)化への動きが顕著であり、電動化に向けた先行投資を積極的に行います。その一例として、自社開発のエンジンアシストシステムを、各自動車及び建産機メーカーへ販促しております。また、新型ブレーキユニットや電動ポンプの開発を進めつつ、自動車及び建産機メーカーの動向把握に努め、自社開発、業務提携などによる新製品の開発、拡販に繋げてまいります。

 そのほか、EV化への対応としてアルミ鋳物事業や、自動車産業で培った技術を活かし、ロボット産業におけるソリューション事業への参入を図ってまいります。

 

③ESG経営の取組み

 サステナビリティ経営の重要性が増す昨今、サステナビリティへの全社的な取組みや推進戦略に関する立案及び推進体制を強化するため、2021年12月1日付でサステナビリティ推進室を新設しました。今後、以下の課題に取り組んでまいります。

E:バリューチェーン全体で、2030年度までにCO2排出量の46%削減(国内)を目指します。

S:多様性のある人材の確保・活用に向けて、働きがいのある職場づくりを目指します。

G:取締役会実効性の向上により、コーポレートガバナンスの確保・高度化を目指します。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 国内工場の再編や北米事業の黒字化注力により財務体質の健全化を一層推進します。しかしながら、エネルギーコストの上昇、さらなる材料市況高騰への対応が足元での課題となりますので、サプライチェーンの全体の中で解決してまいります。

 

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