文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは設立以来、自動車内装部品を中心として、「より良いもの」、「喜んでいただけるもの」を、「より安く」、そして「より早く」提供することにより社会に貢献することを基本理念として事業展開を行なってまいりました。
当社グループの企業理念では、「法令順守と高い倫理観に基づく企業活動、環境にやさしい製品づくり、技術革新による顧客満足度向上に努め、株主、取引先、地域社会等会社をとりまくさまざまな関係者と良好なコミュニケーションを実践する」としております。
(2)経営戦略等
当社グループは、内装部品をグローバルに供給できるサプライヤーを目指し、2006年の中国進出を皮切りに海外展開を進めてまいりました。日系自動車メーカーの生産拠点が集中する日本、中国、北米、ASEANの「グローバル四極」に生産拠点を整備、軌道に乗せるまでに至っております。中期経営計画「RD365」では、以下の取り組みを行っております。
○ これまで取り組んできたグローバル化の成果を国内外で利益として実現させることを目指します。
・内外の生産拠点で役割分担を進め、効率的で最適な生産体制を構築してまいります。
・グローバル視点での資材調達の最適化を進めてまいります。
○ 内外連携を強化して自動車部品事業・住宅事業ともに市場開拓に取り組みます。
・今後も市場の伸びが見込まれる海外の自動車部品では、内外連携を強化して日系メーカーの受注拡大を図るとともに非日系顧客の開拓を進めます。
・国内の自動車部品では、新製品や改良技術の提案を進め、他社との差別化を図ります。
・住宅事業では、住設分野の取引をさらに深化させるとともに営業力を強化し、次の柱となるビジネスの開拓を進めます。
○ 持続的な成長に向けて新技術開発を加速させます。
・当社の特長である樹脂の配合・加工・積層技術を活かし、トランク部品、フロア部品以外の新製品、新用途の開発を行います。
・既存製品の改良技術開発にも継続的に取り組み、盟和製品の市場価値を高めてまいります。
○ 上記の3項目を支えるため、事業活動を担う人材の力を強化するとともに、気候変動への取組み、地球環境の保護を通して持続的な発展を目指します。
当社は2019年に5~6年後を展望した中期経営計画「RD365」を策定し3年後(2022年3月期)の当期純利益6億円、ROE5%以上、5~6年後(2024~2025年3月期)ROE8%以上を目指し、上記を重点課題として取組んでまいりました。現在も重点課題の方向性は変えず取組みを続けております。新型コロナウイルス感染拡大や部品供給制約、EV化の進展等事業環境の変化を踏まえ、取組みを一段と強化してまいります。
なお、数値目標はあくまでも経営管理上目指す目標であり、将来の様々な要因によって目標とする数値を達成できない可能性があります。
(3)経営環境
今後の世界経済は、ロシアのウクライナ侵攻に伴う資源・エネルギー価格の高騰や供給網の混乱の長期化、新型コロナウイルスの感染再拡大による経済活動の低下懸念等により、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。当社グループが属する自動車業界におきましては、半導体不足や原材料価格の上昇、部品供給制約等の懸念は残るものの、自動車生産は下期にかけて徐々に回復していくことを見込んでおります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルスの感染拡大と防疫政策による需給の歪み、半導体不足等部品供給制約による自動車減産と物流の混乱、ロシアのウクライナ侵攻に伴う資源・エネルギー価格の高騰など不透明さを増しております。
また、当社グループが属する自動車業界は、電動車(EV)へのシフトや自動運転・コネクテッド技術の進化、シェアリングの拡大など大変革期にあります。このような状況のもと、当社グループの対処すべき課題は以下の通りであります。
① 収益力強化
急激な売上変動や材料価格等の高騰に対応した柔軟な生産体制を構築するとともに、設計開発・生産準備・量産の各段階を通じて原価低減を強化してまいります。
また、グローバル生産拠点(日本、中国、北米、ASEAN)の収益寄与を高め、経営自立化を図るとともに役割分担と連携を進めます。
② 市場開拓
自動車内装部品では、新製品・新技術の提案により差別化を図り競争力を高めます。グループ拠点間の連携と情報共有を強化して日系メーカーのグローバル車種の受注拡大を図るとともに非日系顧客の開拓を進めてまいります。
住宅事業では、住設分野の取引をさらに深化させ、業容の拡大・安定化を図るとともに、新規開拓を加速し有望な開発案件にリソースを重点投入して新たな事業の柱を創出してまいります。
③ 新製品・新技術開発
当社の特長である樹脂の配合・シーティング・成形加工技術を活かし、次の主力製品になり得る新製品、新用途の開発を加速させます。また、既存製品の改良技術開発にも継続的に取組み、当社製品の市場価値を高めてまいります。
さらに、EV対応、カーボンニュートラルやSDGsの観点からも技術開発を進めます。リサイクル材料の使用を通じた廃棄物の抑制、資源の有効活用と製品の軽量化による自動車のエネルギー効率改善に取り組んでおります。
④ 人材開発、気候変動への取組み
人材開発として、異文化対応力に優れ、専門分野に関わらず一人で多くの役割を担うことのできるグローバル人材の育成、性別や年齢、国籍等にこだわらず力のある人材の採用と戦力化の推進、教育研修の拡充に努めてまいります。
また、気候変動への取組みとして、2050年のカーボンニュートラル達成、2030年までに2013年比で二酸化炭素排出量の50パーセント削減を目指します。地球環境保護に向け、産業廃棄物の排出量削減、リサイクル対象の拡大、エネルギー使用量の削減に取り組んでまいります。
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