当連結会計年度における当グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
2022年3月期の事業環境は、半導体や原材料供給不足が自動車メーカーの生産活動に影を落とし、当グループの受注台数減少につながるなど厳しい状況となりました。また、さらなる原材料価格の高騰や一部地域での人件費上昇に加え、足元では中国でのロックダウン影響が顕在化するなど依然として不透明な状況が続いています。
そのような中でも、新たな顧客の獲得とその商権拡大に向けた欧州子会社の新設や、主要顧客のシェア向上に向けた積極的な営業展開、未来を見据えた次世代技術開発やさらなる高品質・高効率な生産体制の構築など、将来の成長につながる諸施策を着実に推進してきました。また、キャビン全体をコーディネートし、お客さまやユーザーに対し、新たな価値を提案できる企業への変革に向け、異業種とのコラボレーションやスタートアップ企業との共同開発を進めています。
当連結会計年度における売上収益は、自動車市場におけるサプライチェーンの混乱を受けた客先の減産影響はありましたが、機種構成の良化や為替換算効果等により、3,499億58百万円と前連結会計年度に比べ38億9百万円(1.1%)の増収となりました。利益面では、徹底した合理化による諸経費抑制などの原価低減に努めましたが、減産影響等により、営業利益は229億98百万円と前連結会計年度に比べ37億43百万円(14.0%)の減益となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期に生じた負ののれん発生益の解消等により、124億16百万円と前連結会計年度に比べ83億24百万円(40.1%)の減益となりました。
USドル/円平均為替レート・・・前連結会計年度累計平均:106.1円⇒当連結会計年度累計平均:112.4円
人民元/円平均為替レート・・・前連結会計年度累計平均: 15.7円⇒当連結会計年度累計平均: 17.5円
セグメントごとの事業概況及び業績は次のとおりです。
(日本)
(単位:百万円)
前連結会計年度との主な増減理由
※売上収益について、株式会社ホンダカーズ埼玉北を前第1四半期末から連結子会社とし、前第2四半期から
同社収益を連結業績に取り込んだことで、連結業績取り込み期間の差異による増収効果が生じています。
(米州)
(単位:百万円)
前連結会計年度との主な増減理由
(中国)
(単位:百万円)
前連結会計年度との主な増減理由
(アジア・欧州)
(単位:百万円)
前連結会計年度との主な増減理由
また、事業別の売上収益については下記のとおりです。
(単位:百万円)
※前期に対し「二輪事業」および「その他事業」が大きく増加しています。
二輪事業 :シート生産台数の増加等により増収となりました。
その他事業:自動車販売等を行う株式会社ホンダカーズ埼玉北を前第1四半期末から連結子会社とし、
前第2四半期から同社収益を連結業績に取り込んだことによる連結業績取り込み期間の差異等
により増収となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 金額は販売価格により算出しました。
3 上記の金額には、仕入実績が含まれています。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 当連結会計年度の受注高および受注残高は、半導体供給不足や中国でのロックダウン等による自動車市場におけるサプライチェーンの混乱を受けた客先の減産影響等により大きく減少しています。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、4,159億85百万円と前連結会計年度末に比べ255億6百万円の増加となりました。これは、自己株式取得のための預託金の増加等によりその他の流動資産が増加したこと、及び設備投資の増加や為替換算影響等により有形固定資産が増加したことが主な要因です。
(負債)
負債合計は、904億1百万円と前連結会計年度末に比べ13億74百万円の増加となりました。これは、英国子会社における引当金の支払等により引当金が減少したものの、為替換算影響等により営業債務及びその他の債務が増加したことが主な要因です。
(資本)
資本合計は、3,255億83百万円と前連結会計年度末に比べ241億32百万円の増加となりました。これは、当期利益の計上により利益剰余金が増加したこと、及び在外営業活動体の換算差額の増加等によりその他の資本の構成要素が増加したことが主な要因です。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度に比べ134億49百万円減少し、当連結会計年度末残高は1,395億85百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、200億18百万円と前連結会計年度に比べ51億33百万円の減少となりました。これは、営業債権及びその他の債権の増減額が158億63百万円の増加から43億1百万円の減少となったものの、税引前利益が104億8百万円の減少となったこと、営業債務及びその他の債務の増減額が61億92百万円の増加から34億22百万円の減少となったこと、及び棚卸資産の増減額が32億62百万円の増加から63億39百万円の増加となったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、171億96百万円と前連結会計年度に比べ54億87百万円の増加となりました。これは、持分法で会計処理されている投資の取得による支出が71億99百万円の減少となったものの、有形固定資産の取得による支出が83億21百万円の増加となったこと、及び定期預金の預入及び払戻による純増減額が40億25百万円の収入から30億53百万円の支出となったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、236億38百万円と前連結会計年度に比べ89億90百万円の増加となりました。これは、自己株式取得のための預託金の増減額が78億70百万円の増加となったこと等によるものです。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当グループの資金需要のうち主なものは、原材料の購入費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用、税金の支払い、新機種に対応する生産設備や金型投資等であり、主に営業活動から生み出されるキャッシュ・フローにより充当しています。また、想定される自然災害などのリスクに対応するための資金は、自己資金を基本としています。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 ⑤連結財務諸表注記 2 連結財務諸表作成の基礎 (4)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しています。
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