業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年7月1日から2022年6月30日まで)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症による影響が長期化するなか、ワクチン接種効果の浸透等により、一部で持ち直しの動きがみられたものの、新たな変異株による感染拡大により、企業活動及び個人消費は極めて厳しい状況で推移しました。また、ロシア・ウクライナ情勢や、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う中国における経済活動抑制の影響などの要因を背景に、原材料コストの上昇、為替相場における円安の加速、インフレの進行など景気失速の懸念が急速に拡大しつつあり、景気の先行きは依然として不透明な状況が続くことが予想されます。

このような外部環境の下、当社は「人と保険の未来をつなぐ~Fintech Innovation~」という企業テーマを掲

げ、保険分析・販売支援におけるプラットフォーマーとしての事業展開を推進しております。また、独自開発した

『保険IQシステム®』、『ASシステム』、『AS-BOX』及び『スマートOCR®』を活用し、システムユーザーの更なる拡大を目指しております。

各セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

・保険販売事業

 直営店部門は、通年でWeb広告を強化し、かつ電話相談・オンライン相談への積極的な誘導という施策を実施した結果、Web経由での予約数は増加しましたが、断続的に続いた緊急事態宣言やまん延防止等重点措置により、既存店に直接来店される新規顧客数は伸び悩みました。しかし、上期の早い段階で6店舗の新規出店と1店舗の統廃合を実現したことによる効果から、売上高は前期を上回る結果となりました。直営店舗数は前期末より6店舗増加して6月末で58店舗となりました。

法人営業部門は、新規案件及び大型契約の獲得により、前期の売上高を上回る結果となりました。

この結果、同事業の当連結会計年度の売上高は3,045,285千円(前連結会計年度比10.4%増)でしたが、先行して出店を加速させた事による人件費や家賃の増加により、セグメント利益は450,163千円(同8.4%減)となりました。

 

 

・ソリューション事業

 FC部門は、大手携帯電話販売会社や自動車販売会社など他業界からの新規参入意欲は引き続き大きく、FC登録見込数の増加傾向が続いておりますが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から集客が著しく減少したFC店舗の閉店もあり、6月末のFC店舗数は前期末比1店舗増の196店舗となりました。今後も、店舗運営指導要員の派遣により他業界からの新規参入企業への指導を強化し、引き続き新規リクルート活動及び既存代理店への追加出店の提案を実施していきます。

AS部門は、保険会社・金融機関向け『スマートOCR®』の受注が順調に推移、生命保険給付金支払いプラットフォームが始動するなどしました。また、保険会社や地方銀行、大手保険代理店による『ASシステム』『AS-BOX』の導入が進んだことから、6月末のID数は、前期末の 8,401IDから9,995 IDと1,594ID増加しました。保険販売に積極的な地方銀行も増加傾向にあり、6月末における銀行の導入は27行となりました。引き続き大手保険会社をはじめとした大型案件は複数継続しており、具体的な導入に向けての検討が進んでおります。今後も全国規模の金融機関や大手保険会社、地方銀行、企業系代理店による新規導入を目指します。

この結果、同事業の当連結会計年度の売上高は1,547,451千円(前連結会計年度比16.5%増)、セグメント利益は594,348千円(同57.9%増)となりました。

 

 

・システム事業

 子会社である株式会社インフォディオは、『スマートOCR®』の新規受注が好調に推移しました。従来の国税庁や独立行政法人統計センターなど受注済みの開発案件に加え、新たに、独立行政法人統計センターの産業・職業分類格付の研究業務の受託、株式会社みずほ銀行の経理業務効率化支援サービス「みずほデジタルアカウンティング」、コダックアラリスジャパン株式会社のネットワークスキャナー、及びユニアックス株式会社のAI会計自動仕訳クラウドサービス「KEIRAKU」などに『スマートOCR®』が搭載されました。これにより売上高は前年同期に比べて増加しました。

『スマートOCR®』については引き続き多くのお問い合わせを頂いており、今後の当社グループの業績を牽引することが期待できる事業の一つであり、システム開発など積極的な先行投資を継続しております。

この結果、同事業の当連結会計年度の売上高は606,659千円(前連結会計年度比10.1%増)、セグメント利益は37,630千円(同4.0%増)となりました。

 

 (注)『スマートOCR®』とは、AI(人工知能)を搭載し、ディープラーニング技術(深層学習、人間が自然に行うタスクをコンピュータに学習させる機械学習の手法の一つ)を活用した、非定型帳票対応の次世代型光学的文字認識システムです。

 

販売費及び一般管理費につきましては、「3年後のあるべき姿」の2年目として積極的な先行投資を行う予定でしたが、コロナ感染症拡大により投資効率が良くないとの判断から大規模なブランディング投資は実施を断念しました。しかし、先行して出店を加速させた事による人件費や家賃の増加、システム開発に伴うソフトウエア償却等から、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は3,915,970千円(前連結会計年度比9.2%増)となりました。

 

この結果、当連結会計年度における業績は、売上高5,199,397千円(前連結会計年度比12.1%増)、営業利益418,158千円(同14.3%増)、経常利益432,203千円(同15.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益255,984千円(同9.7%増)となりました。

 

 財政状態につきましては、以下のとおりであります。

 

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は3,010,158千円となり、前連結会計年度末に比べ234,057千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が161,532千円増加したことによるものであります。固定資産は1,568,000千円となり、前連結会計年度末に比べ62,943千円増加いたしました。これは主にソフトウエアが79,900千円増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は、4,578,158千円となり、前連結会計年度末に比べ297,000千円増加いたしました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は758,863千円となり、前連結会計年度末に比べ127,465千円増加いたしました。これは主に契約負債が237,900千円増加したことによるものであります。固定負債は18,481千円となり、前連結会計年度末に比べ129千円減少いたしました。これは主に長期未払金が2,037千円減少したことによるものであります。

 この結果、負債合計は、777,344千円となり、前連結会計年度末に比べ127,336千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は3,800,813千円となり、前連結会計年度末に比べ169,664千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が157,214千円増加したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は83.0%(前連結会計年度末は84.8%)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ161,532千円増加し、当連結会計年度末には2,233,247千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は614,600千円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益403,308千円、減価償却費226,099千円、売上債権及び契約資産の増加額53,315千円、契約負債の増加額237,900千円、法人税等の支払額105,346千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は359,666千円となりました。これは有形固定資産の取得による支出81,770千円、無形固定資産の取得による支出217,124千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は94,468千円となりました。これは主に配当金の支払額102,320千円、リース債務の返済による支出4,597千円等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

b.受注実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

前年同期比(%)

保険販売事業

3,045,285

10.4

ソリューション事業

1,547,451

16.5

システム事業

606,659

10.1

合計

5,199,397

12.1

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年7月1日

至 2021年6月30日)

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

メディケア生命保険株式会社

679,894

14.7

653,197

12.6

ネオファースト生命保険株式会社

310,216

6.7

301,837

5.8

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性のため、実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a.財政状態の分析

  当社グループの財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績

 及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」を

 ご参照ください。

 

 b.経営成績の分析

 (売上高)

  当社グループの売上高の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及

 びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご

 参照ください。

 

 (売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)

  当連結会計年度の売上原価は、外注費の支払いやシステム開発に係る原価等により、865,268千円(前連

 結会計年度比27.1%増)となりました。

  また、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、「3年後のあるべき姿」の計画を見直し、出店を加速

 させたことによる人件費や家賃の増加、システム開発に伴うソフトウエア償却等の先行投資を行ったため、

 3,915,970千円(同9.2%増)となりました。

  この結果、当連結会計年度の営業利益は418,158千円(同14%増)となりました。

 

 (営業外損益、経常利益)

  当連結会計年度の営業外収益は、受取賃貸料、助成金収入の増加により前連結会計年度に比べ6,599千円

 増加し、32,501千円(同25.5%増)となりました。また、営業外費用については、賃貸収入原価の増加によ

 り前連結会計年度に比べ932千円増加し、18,456千円(同5.3%増)となりました。

  この結果、当連結会計年度の経常利益は、432,203千円(同15.5%増)となりました。

 

(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)

  当連結会計年度の特別損失は、減損損失28,350千円の計上により、前連結会計年度に比べ15,516千円増加

 し、29,022千円(同114.9%増)となりました。

  この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、255,984千円(同9.7%増)となりまし

 た。

 

 c.キャッシュ・フローの分析

  当社グループのキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状

 態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロー

 の状況」をご参照ください。

 

 

 d.資本の財源及び資金の流動性

  ①財務戦略の考え方

   当社グループは、財務体質の強化と資金効率の向上を両立しつつ、企業価値の向上のために資金を適切

  に調達・配分することを財務戦略の基本方針としております。

  ②資金調達の基本方針

   当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を営業キャッシュ・フロー、投資キャッシュ・フロー

  及び財務キャッシュ・フローを指標としながら、安定的な自己資金確保を目指していきます。運転資金に

  つきましては、自己資金を基本としており、必要に応じて金融機関との間の当座借越枠を活用していきま

  す。設備投資資金につきましては、自己資金を基本としております。

  ③資金の流動性について

   当社グループは、金融機関と当座借越契約を締結し、継続的に契約更新をしており、資金の流動性を維持

  しております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は 2,233,247千円となっております。

 

 e.経営戦略の現状と見通し

   当社グループが今後も持続的に成長していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経

  営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載した課題に対応して

  いくことが必要であると認識しております。経営者は外部環境の変化についての情報入手及び分析を継続的

  に行い、適切な対応策を策定し実施していく方針であります。

 

 f.経営成績に重要な影響を与える要因について

   当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリス

  ク」をご参照ください。

 

 g.目標とする経営指標

   当社グループは売上高及び営業利益を重要な指標としております。当連結会計年度の売上高及び営業利益

  については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の

  分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等

  の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.経営成績の分析」をご参照ください。

 

 h.経営者の問題意識と今後の方針について

   当社グループ経営陣は、現時点での当社グループを取り巻く事業環境及び入手可能な情報等により、迅速

  かつ最善な経営戦略・事業戦略の立案と、戦略に基づく各施策の確実かつ効率的な実施に努めております。

  当社グループが今後も持続的な成長を維持するためには、新たなシステム及びサービスの開発、事業規模の

  拡大に合わせた人材の確保、知名度の向上並びに組織体制の継続的な強化等が重要であると認識しており、

  各項目の強化・改善により、更なる企業価値の向上を目指してまいります。

   当社グループは、2022年6月30日付け取締役会において「3か年計画」を策定致しました。詳細につきま

  しては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)事業上及び財務上の対

  処すべき課題」をご参照ください。

 

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