課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)経営環境

今後のわが国の生命保険市場におきましては、世界的に見て高水準である保険加入率や高齢化・少子化の進展を背景として、保険料収入全体が大きく増加する状況は期待しにくいものとなっております。一方、来店型保険ショップや通信販売、金融機関の窓口販売、様々なチャネルを通じて、消費者が自ら保険商品を比較・選択する傾向は一段と強まっております。また、健康寿命長期化を背景に、消費者の保険に求めるニーズが死亡保障中心の保険から医療保険・介護保険・生存保障中心の保険へと変化しております。

 

保険販売における加入チャネルの変化も進んでおり、かつては90%前後を占めていた生命保険営業員からの加入比率は徐々に減って来ており、令和3年(2021年)には55.9%にまで下落しました。その一方で、保険代理店からの加入比率はこの数年大きく上昇し、令和3年には15.3%まで上昇しました。複数の保険会社から自分に合った保険を選びたいというニーズは一段と高まっており、この傾向は更に続くものと思われます。

 

  生命保険における加入チャネルの変化

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2016年5月29日に施行となった改正保険業法は、複雑化及び多様化した保険商品・販売形態に対応し、顧客保護を主眼としたものであり、保険募集人に対して情報提供義務、意向把握義務及び体制整備義務等が課されるようになりました。同法改正を契機に、情報提供義務・意向把握義務に対応できる機能を持つ当社グループのシステムへのニーズが高まり、導入企業が増加しました。また、システムの持つ証券分析機能や比較・絞り込み機能等に対するニーズも高まっており、保険会社や全国規模の金融機関、地方銀行によるシステム導入が順次進んでおります。

 

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を契機として急速に進展するデジタル化の動きを受けて、2020年6月30日付け取締役会において「3年後のあるべき姿」を策定しました。詳細につきましては「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載の通りです。

なお、新型コロナウイルス感染症による当社グループの業績等への影響につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (4)新型コロナウイルス感染症について」に記載の通りです。

 

事業セグメント別の競合他社との競争優位性につきましては以下の通りです。各サービス・システムの内容については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」の後半部分にまとめております。

[保険販売事業]

日本全国の来店型ショップ数は、株式会社矢野経済研究所の調査によると、2019年6月現在で2,497店となっております。当社グループは、自社開発した保険分析・検索システム『保険IQシステム®』によって、生命保険の保障内容等を図示したシートにまとめて説明することができ、お客様の意向に従って保険商品をワンタッチで検索、絞り込み、比較することができます。

また同システムは、証券分析・ライフプラン作成・商品選択・比較提案・申込手続きまで、業界唯一の保険ワンストップ型販売システムとなっており、①保険代理店として23年間蓄積してきた保険データに基づいた証券分析、②現場の保険募集人の意見をシステム開発に反映させた事による操作性・利便性の向上、③保険会社との長期にわたる信頼関係により可能となった保険会社13社のシステムとのAPI連携により、競争優位性を有していると考えております。

 

[ソリューション事業]

AS部門については、上記『保険IQシステム®』と同じサービスを提供することが可能な『ASシステム』や、『スマートOCR®』の機能を『ASシステム』のオプションとして組み込んだ「証券分析AIアシスト機能」を、保険代理店事業を行う金融機関や事業会社に提供しております。

『スマートOCR®』につきましては、多くの競合他社が存在していると思われますが、当社グループは保険証券という非定型の書類をデータ化するというサービスからスタートしたこともあり、非定型帳票OCRとしての競争優位性を有していると考えております。

FC部門につきましては、最近増加しつつある他業種からの保険代理店事業への参入ニーズを背景に、保険初心者に対し数か月の研修で保険分析やコンサルティングを可能にするツールである『保険IQシステム®』、経験の不足している保険募集人を当社の保険募集人がオンラインでサポートするサービスである「オンライン保険相談」及び長年の店舗運営ノウハウにおいて、競争優位性を有していると考えております。

 

[システム事業]

デジタル化の波を受けてRPA(事務業務等を自動化するツール)を導入する企業が増えていたところ、新型コロナウイルス感染症の影響によりなお一層導入企業が増加し、その動きに伴って非定型の書類をデータ化するというニーズが急速に高まっております。同事業における『スマートOCR®』につきましても、上記同様、非定型帳票OCRとしての競争優位性を有していると考えております。

 

(2)経営方針

当社グループは、企業理念として、お客様、保険会社(メーカー)及び代理店(ディーラー)の「三者利益の共存」を掲げております。「三者利益の共存」とは、お客様を保険会社と当社が協力して支え、お客様利益を最大限確保し、それを実現するために代理店としての生産性を高め、同時にお客様本位の業務運営を維持することで保険会社の収益、ブランド価値向上及びコンプライアンスに貢献することにより、実現を目指すものです。

 

(3)経営戦略

当社グループは、中長期的な経営ビジョンとして、下記の通り3つの目標を設定しております。

①「お客様基点」を原点に、お客様満足度の高いサービスを提供し、お客様から選ばれる保険ショップNO.1となることを目指します。

②保険業界のあらゆる角度において最大の貢献をし、業界発展や保険流通革命実現に全力を尽くすことを約束します。

③全従業員の物心両面の幸せを追求し、全従業員が誇りをもてる会社であり続けます。

 

(4)目標とする経営指標

当社グループは事業拡大と企業価値の向上のために、売上高及び営業利益を重要な指標としております。また、内部利益率(IRR)及び資本コストの事業戦略上の活用につきましては、取締役会及び戦略会議において引き続き慎重に議論を進めているところです。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループは、企業テーマである「人と保険の未来をつなぐ~Fintech Innovation~」を掲げ、独自開発したサービスの活用や店舗網・システムユーザーの拡大により、保険分析・販売支援におけるプラットフォーマーとしての事業展開を引き続き推進してまいります。

さらに、保険業界という枠組みを超えて、『スマートOCR®』を積極活用し、様々な企業・組織における業務効率化の支援をしていきたいと考えております。

 

その企業テーマと経営方針に従い、2020年6月30日付けで「3年後のあるべき姿」を策定し、1年目(2021年6 月期)及び2年目(2022年6月期)を「投資・準備期間」、3年目(2023年6月期)を「成長の年」と位置付け、 2022年6月期は「投資・準備期間」の2年目として、積極的なシステム投資や店舗網の拡大、大規模なブランディ ング活動を計画しておりました。

しかし、新型コロナウイルス感染症の新たな変異株が次々と発生することで国民生活や経済に対する影響が長期 化したことから、来店型ショップにおける消費行動に大きな変化が生じ、事前予約せずに直営店に直接来店するお 客様の人数が低迷いたしました。このような状況下において、「3年後のあるべき姿」2年目に計画していた先行 投資のうち、ブランディング活動の効果は極めて限定的であると判断し、同活動を一旦保留いたしました。なお、 店舗網の拡大は先行して実施し、ブランディング活動再開の際には最大限の効果が期待できるような状態を目指し ました。

 

そこで、当社グループは、2022年6月29日開催の取締役会において新たに「3か年計画」を策定し、目標年度を前計画の 2023年6月期から2025年6月期に変更して再始動することを決定いたしました。同計画の1年目の施策は以下の通りです。

     ①28期より、26期から27期において抑制した大規模なブランディング活動を実施。

②営業企画機能及びマーケティング機能の強化(営業企画推進本部及びマーケティング部の新設)。

③直営店の新規出店を抑制し(FC店舗からの転換を除く)、サービスの向上ならびに質の高いコンサルタントの育成に注力。

④新規集客数が伸び悩む直営店の移転を実施(5店舗計画)。

⑤ASシステム・スマートOCR®の大型導入を目指した営業活動の継続。

⑥システム事業の先行投資の継続。SEならびに営業人員の強化。

 

 

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また、この3か年については、1年目(2023年6月期)を「再始動の年」2年目(2024年6月期)を「投資継続の年」、3年目(2025年6月期)を「成長の年」と位置付け、積極的なシステム投資や広告宣伝活動を行っていきたいと考えております。

 

 

上記の取り組みにより、次期(2023年6月期)の連結業績見通しにつきましては、売上高の大幅な増収(6,122百万円、前連結会計年度比17.8%増)を目指す一方、人財及びマーケティング拡大における先行投資を実施する事により、営業利益304百万円(同27.2%減)、経常利益310百万円(同28.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益179百万円(同30.0%減)と減益を見込んでおります。

 

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