課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)経営の基本方針

 当社は、「女性の笑顔でいっぱいに -A Sea of Smiling Women-」さらに「みんなの笑顔でいっぱいに -A Sea of Smiling Faces-」という中長期ビジョンに基づき、本当に必要な情報を正しく、必要な全ての人にタイムリーに提供しつづけることを大切にしており、ユーザーからのご意見を伺いながらサービスレベルの向上を継続してまいります。

 

(2)目標とする指標

 当社は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高、営業利益及び経常利益の前年比増による成長性を重視するとともに収益性も意識しながら、拡大、成長を実現していくことを目標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社が事業展開するインターネット関連業界は、市場規模を拡大し続けている一方、技術の進歩や流行の変化が早く、競争の激しい業界でもあります。当社はこういった環境下において、マーケットの新たな需要や変化を察知し、迅速かつ的確に対応していくスピード感のある組織体制、スピード感がありつつも正しく的確なコンテンツを全ての方に伝えるという使命感の醸成、正しい情報をわかりやすく伝えられる編集力、更には変化の激しいIT分野に追随できる技術力を磨いていくことを戦略の柱としております。

 

(4)経営環境

 厚生労働省の2021年人口動態統計(速報値)によると、2021年の日本の出生数は、84万2,897人となり、6年連続で過去最少を更新しており、この先も逓減していく傾向にあります。加えて妊娠・出産を支える産婦人科の施設数も出生数の低下と後継者不足などの理由から減少傾向となっております。出生数が年々減少している一方で妊娠・出産に関する消費市場は微増傾向で推移しており、2020年の市場規模は4兆3,210億円(前年比1.0%増)となっております。(矢野経済研究所調べ・保育園等の関連サービスを含む)それに伴い、子供一人当たりに対する支出も増加傾向にあります。

 その様な環境のもと、当社は、妊娠・出産に対する不安を解消すべく、専門家の監修によるコンテンツの展開、妊娠から1歳までのママ・家族との多面的な接点、コンテンツを生み出し続ける一方で、産婦人科のサービス向上の経営施策にITを使ったソリューションを提供しております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置の期間が2020年より長期化し、経済活動が大幅に制限される状況が続きました。感染力の強い変異株の発生等、感染の再拡大が深刻化しており、ワクチン接種も進んでいるものの依然として景気の見通しは極めて不透明な状況となっております。

 こうした環境のもと、当社では、妊産婦向けの情報サービスを展開するメディア事業を軸として、ストックビジネスである産婦人科向け事業とデジタルマーケティングに特化したWebマーケティング事業の3事業により経営基盤を強化する一方、事業環境の変化にも柔軟に対応できる企業体質を目指しております。

 

① メディア事業における取組について

 メディア事業におきましては、妊娠、出産、育児領域の専門サイト「ベビーカレンダー」の認知度は高まっておりますが、さらなる収益獲得のためには、PV数及びUU数の増加及び他領域への進出が欠かせません。これまでのコンテンツ、SEO強化に加え、女性の一生をサポートするサービスへと拡大し、幅広い年齢層に遡及する施策に取り組んでおります。

 

② 産婦人科向け事業における取組について

 産婦人科向け事業におきましては、当社の核となるストックビジネス「ベビーパッド」については既存顧客のリプレースを中心に、ホームページ制作、かんたん診察予約システム並びにエコー動画館の拡販を自社の営業人員で行うことの他に、販売代理店契約提携会社との連携強化を図りながら積極的な営業活動を行うとともに、ストーリー性を持たせた集患・増患に向けたダイレクトメールを定期的行い効果的な営業アプローチ作りに注力し、医療機関でも需要が増しているホームページ制作の受注拡大等も視野に入れ収益向上に取り組んでおります。

 

③ Webマーケティング事業

 Webマーケティング事業におきましては、総合病院をはじめとする医療施設を中心に、Webサイト制作、SNS広告、ロゴ・キャラクター制作、またグラフィックデザイン等の集客に向けた企画・提案を行っております。

 

④ 市場変化への対応

 インターネット関連市場は、技術革新や新たなサービスモデルにより、既存サービスの陳腐化、代替サービス、類似サービス等の登場により競争が激化する傾向にあります。これらの変化に対応するために、市場動向を考察し、顧客企業にとって最適なソリューションを提供し続けられるよう努めております。引き続き市場のニーズを先取りした商品・サービスを開発し、市場の変化に対応していくため、優秀な人材の確保、迅速な意思決定できる経営体制の構築を図っております。

 

⑤ 優秀な人材の確保と育成

 当社は、継続的に事業拡大を行っていくために、優秀な人材を十分に確保することが課題と考えております。営業、制作、開発、管理等の幅広い分野で、高い専門性を有した管理職を育成し、当社が市場の変化に耐えうる組織基盤を構築する考えであります。事業規模に応じた少人数での効率的な運営を意識しつつ、社内外の研修など教育制度を整備し、人事評価制度の改善やイノベーションを推奨する労働環境を作ることで従業員のモチベーションを高め、優秀な人材の確保と定着を推進しております。

 

⑥ 内部管理体制の強化

 当社は、事業が拡大していく中で、効率的な経営を行うために内部管理体制の強化が必要であると考えております。これに対応するために、当社では、各分野に専門性を有した人員を配置し、社内管理体制の強化を図っており、引き続き充実させてまいります。

 

⑦ 情報管理体制の強化

 当社では、情報セキュリティリスクに対する安全管理措置を行い、当社が所有する情報資産及び当社の取り扱う個人情報等の保護を目的として、「情報システム関連規程」及び「個人情報保護基本規程」等の諸規程を定め、情報セキュリティ体制を強化しております。同規程の下で、経営管理部が主管となり、管理体制の構築・運用及び情報セキュリティ教育を実施しております。

 

⑧ 安定的な収益基盤の強化

 当社では、持続的な成長を実現するためには安定的な収益基盤が必要であると考えております。収益基盤強化に向けて、既存事業においては、現在の事業領域で継続的な収益を確保しつつ、新領域での事業の開発に取り組むことで収益構造の多様化を進めております。

 

⑨ 収益源の多角化

 当社は、これまで「赤ちゃんの笑顔でいっぱいに」をテーマに妊娠・出産に関わる事業を展開してまいりましたが、現在「女性の笑顔でいっぱいに」をテーマに女性の一生をサポートする企業を目指し、妊娠・出産期以外の新しい領域へ積極的に進出し、事業の拡大を図る一方で、事業ポートフォリオの最適化を推進し、経営の健全化を図っております。

 

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