業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社は、2021年7月14日付で共同株式移転の方式により、大日本コンサルタント株式会社及び株式会社ダイヤコンサルタントの完全親会社として設立されました。当有価証券報告書は設立第1期として最初に提出するものであるため、前連結会計年度との対比は行っておりません。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、ロシアによるウクライナ侵攻や新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあることに加え、西側諸国のロシアに対する経済制裁による世界的なエネルギーの供給不足や原材料価格の高騰、急激な円安が進む中で先行きは不透明で予断を許さない状況となっております。

当社グループが属する建設コンサルタント業界及び地質調査業界の経営環境は、令和2年度までの「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」の後に「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」として、令和3年度から7年度までの5か年に重点的かつ集中的に対策を講ずることとなり、老朽化インフラの維持・更新や、防災・減災対策など国内の公共事業を取り巻く環境は堅調に推移していくものと考えられます。

このような状況の下で、当社グループは、今期が初年度となる第1次中期経営計画(2021年7月から2024年6月まで)において、企業理念として定めた「大地と空間、人と社会の可能性を引き出し、未来を拓く」の実現に向けて、「シナジー効果の創出による事業拡大」と「経営基盤の整備・強化」を基本方針として設定いたしました。これらの基本方針に基づき、大日本コンサルタント株式会社及び株式会社ダイヤコンサルタントの両事業会社間において、情報共有、技術研鑽、業務遂行の効率化に対する取組みを実施し、両社の強みの技術を連携させてまいりました。

これらの結果、当連結会計年度における当社グループ全体の業績は、受注高が315億9百万円、受注残高は185億3千6百万円、売上高は321億1千2百万円となりました。利益面におきましては、営業利益は21億5千9百万円、経常利益は22億2百万円、最終の親会社株主に帰属する当期純利益は、15億5百万円となりました。また、当社グループは継続的に企業価値の向上を図るため、株主資本利益率(ROE)10%以上を安定的に達成できることを目標に掲げており、当連結会計年度におきましては、株主資本利益率(ROE)は15.2%となり、目標を達成することができました。

なお、当社グループのセグメントは、総合建設コンサルタント事業のみの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末における資産合計は、195億8千5百万円となりました。主な内容は、現金及び預金が46億4百万円、受取手形及び売掛金が9億3千8百万円、契約資産が76億4千3百万円、有形固定資産が18億4千6百万円、退職給付に係る資産が22億9千7百万円であります。

負債合計は、96億3千9百万円となりました。主な内容は、業務未払金が13億6千8百万円、契約負債が22億6千1百万円、長期借入金が10億8千9百万円、退職給付に係る負債が4億7千4百万円であります。

純資産合計は、99億4千6百万円となりました。主な内容は、資本金及び資本剰余金が35億8千1百万円、利益剰余金が66億3千万円であります。

これらの結果、当社グループの自己資本比率は50.6%となりました。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、46億4百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動におけるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金純額は、6億8百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益22億2百万円に、減価償却費4億1千7百万円及びのれんの償却1億4百万円の非資金費用のほか、売上債権の減少額23億6千2百万円、契約資産の増加額5億8千7百万円、仕入債務の増加額9千3百万円、契約負債の減少額27億3千4百万円、法人税等の支払額4億7千2百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金純額は、9億7千8百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2億9千9百万円、無形固定資産の取得による支出9千9百万円、投資有価証券の取得による支出2千6百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出5億3千6百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金純額は、6億6百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1億9千6百万円、配当金の支払額3億9千4百万円によるものであります。

当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金及び銀行借入による調達で賄っております。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

当社グループは、単一の報告セグメントであるため、生産、受注及び販売の実績につきましては、業務別に記載しております。

 

イ.生産実績

当社グループでは「生産実績」を定義することが困難なため、「生産実績」は記載しておりません。

 

ロ.受注実績

当連結会計年度の受注状況を業務別に示すと、次のとおりであります。

 

業務別

受注高(千円)

受注残高(千円)

建設コンサルタント業務

27,490,192

16,501,171

地質調査業務

4,018,842

2,035,121

合計

31,509,035

18,536,293

 

(注) 数量につきましては、業種の特殊性から把握が困難なため記載を省略しております。

 

 

ハ.販売実績

当連結会計年度の販売実績を業務別に示すと、次のとおりであります。

 

業務別

売上高(千円)

建設コンサルタント業務

27,510,666

地質調査業務

4,602,104

合計

32,112,770

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

国土交通省

11,670,003

36.3

 

 

(2) 経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態及び経営成績に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。

 

② 経営成績等の状況の分析

「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。

 

③ 財政状態の状況の分析

「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」をご参照ください。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、成長投資に必要な資金は、事業で生み出す営業キャッシュ・フロー及び手許流動性資金で賄うことを基本とし、それを超える投資規模の場合には、金融市場または資本市場から調達することも選択肢の一つとし、成長への機会損失とならないよう堅実かつ柔軟な資金調達を行う方針であります。

また、業務の特性上、業務代金の回収時期が3月から5月に集中する傾向があるため、資金需要に応じて運転資金の一部を金融機関からの短期借入金で賄っております。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

 

⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループが属する建設コンサルタント業界及び地質調査業界の経営環境は、令和2年度までの「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」の後に「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」として、令和3年度から7年度までの5か年に重点的かつ集中的に対策を講ずることとなり、老朽化インフラの維持・更新や、防災・減災対策など国内の公共事業を取り巻く環境は堅調に推移していくものと考えられ、今後においても一定の受注高、売上高、営業利益を確保できるものと判断しております。

このような状況の中、第1次中期経営計画(2021年7月から2024年6月まで)の2年目となる2023年6月期においては、完全子会社である大日本コンサルタント株式会社と株式会社ダイヤコンサルタントが2023年7月に合併を予定していることを踏まえて、業務遂行能力の向上による受注の拡大(シナジー効果の拡大)とシステムや社内制度の統合等の当社グループの共通基盤整備を重点課題として設定し、2024年6月期以降の当社グループ発展の基礎を確実なものとしてまいります。

 

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