業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスのワクチン接種の促進等により、一時的に感染状況が落ち着いたことから、生産活動や個人消費の持ち直しの動きも見られましたが、新たな変異株の感染拡大により経済環境の回復には至りませんでした。さらには、世界的な半導体や部品不足の深刻化、サプライチェーンの停滞長期化、中国経済の失速、資源価格の高騰等の影響により、依然として先行き不透明な状況が続きました。このような状況の中、当社グループの連結業績におきましては、売上高は34,818百万円(前期比7.4%増)、営業利益は2,399百万円(前期比28.8%増)、経常利益は2,659百万円(前期比29.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,739百万円(前期比30.8%増)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は3,288百万円減少し、売上原価は3,221百万円減少し、売上総利益及び営業利益はそれぞれ31百万円増加し、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ45百万円増加しております。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

a. 建設機械事業

建設機械事業におきましては、熊本地区を中心に発生した令和2年7月豪雨の復旧工事が継続された一方で、新型コロナウイルスやその変異株の感染拡大に伴う影響や部品不足による長納期化も続いたことから不安定な状況で推移いたしました。このような状況の中、当社グループにおきましては、販売部門においては、長納期化に対応するため、先行手配をしていた在庫や即納可能な中古機械・車輌等の商品を中心に提案営業を強化するとともに、新たに導入したデモ機の活用を進め、既存取引先の需要掘り起こしにも努めてまいりました。また、レンタル部門においては、災害復旧工事や国土強靭化等によりニーズが高まっている地域への設備投資を強化し、需要の取り込みに注力いたしました。その結果、売上高は13,387百万円(前期比3.4%増)、セグメント利益は1,681百万円(前期比24.7%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は64百万円減少し、セグメント利益は32百万円増加しております。

 

b. 産業機器事業

産業機器事業におきましては、新型コロナウイルスやその変異株の感染拡大に伴う影響が継続したほか、半導体や部品不足が深刻化するとともに、中国経済の失速による影響も顕在化する等、不安定な状況で推移いたしました。このような状況の中、当社グループにおきましては、半導体の不足を受け、増産対応に取り組む半導体やロボット市場に向けた提案営業の強化に努めるとともに、メーカーとのタイアップにより新商品の開発にも注力してまいりました。また、継続して生産部品や消耗部品の拡販にも努めた結果、売上高は20,962百万円(前期比10.5%増)、セグメント利益は1,254百万円(前期比33.3%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は3,223百万円減少し、セグメント利益は0百万円減少しております。

 

c. 砕石事業

砕石事業におきましては、事業を展開する地域においては、域外の災害復旧工事に予算が優先されるとともに、一部の取引先においては新型コロナウイルスやその変異株の感染拡大の影響による経営環境の悪化も継続したことから、小規模の工事が主となる等、厳しい状況で推移いたしました。このような状況の中、当社グループにおきましては、護岸工事等の公共工事の受注獲得に努めるとともに、民間企業への営業強化にも努めてまいりました。しかしながら、全体の取引量の減少や、生産設備機械の稼働トラブルによる生産効率の低下に加え、燃料費の価格高騰に伴うコストの増加等により、売上高は468百万円(前期比4.0%減)、セグメント損失は14百万円(前期はセグメント利益60百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による売上高及びセグメント損失への影響はありません。

 財政状態の状況

資産は、前連結会計年度に比べ2,643百万円増加(7.6%増)し、37,310百万円となりました。増減の主な内容は、電子記録債権が715百万円、商品及び製品が943百万円、貸与資産が789百万円それぞれ増加したことによるものであります。

負債は、前連結会計年度に比べ1,328百万円増加(8.8%増)し、16,429百万円となりました。増減の主な内容は、支払手形及び買掛金が1,755百万円減少したものの、電子記録債務が2,920百万円増加したことによるものであります。

純資産は、前連結会計年度に比べ1,314百万円増加(6.7%増)し、20,880百万円となりました。増減の主な内容は、利益剰余金が1,355百万円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は56.0%と前連結会計年度に比べ0.4ポイント下落いたしました。なお、収益認識会計基準等の適用により、期首利益剰余金が61百万円増加しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ190百万円減少(2.3%減)し、7,971百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその増減の要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動による資金の増加は2,726百万円(前連結会計年度は5,664百万円の増加)となりました。これは主に前連結会計年度に比べ、売上債権及び棚卸資産の増加により資金が減少したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動による資金の減少は2,332百万円(前連結会計年度は2,946百万円の減少)となりました。これは主に前連結会計年度に比べ、有形固定資産の取得による支出が減少したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動による資金の減少は619百万円(前連結会計年度は502百万円の減少)となりました。

 

④ 生産、仕入及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

産業機器事業

811

25.1

砕石事業

294

16.7

合計

1,105

22.8

 

(注) 1  セグメント間の取引については相殺消去しております。

2  上記金額は、製造原価によっております。

 

 

b. 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前期比(%)

建設機械事業

7,077

5.2

産業機器事業

18,001

18.2

合計

25,078

14.2

 

(注) 1  セグメント間の取引については相殺消去しております。

2  上記金額には、他勘定受入高が含まれております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

建設機械事業

13,387

3.4

産業機器事業

20,962

10.5

砕石事業

468

△4.0

合計

34,818

7.4

 

(注)  セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積りを行っております。当該見積りにつきましては、過去の実績等を勘案し、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループが行っております会計上の見積りのうち特に重要なものは以下のとおりであります。

 

a. 棚卸資産の評価

当社グループは、棚卸資産の評価方法については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しており、商品の滞留原因や将来の販売計画等を加味して正味売却価額を決定しておりますが、得意先商品のモデルチェンジ等により見直しが必要になった場合や得意先からの受注量が予測に達しない場合は、評価損を計上する必要性があります。

 

b. 貸倒引当金

当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため貸倒引当金を計上しておりますが、顧客等の債務者の支払能力が低下した場合等において、追加の引当が必要となる場合があります。

 

 

c. 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性について毎期検討を行っております。繰延税金資産の回収可能額は、将来の課税所得の予測に大きく依存しておりますが、課税所得の予測は将来の事業環境や事業活動の推移、その他の要因により変化いたします。繰延税金資産の回収可能性がないと判断した場合には繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

d. 固定資産の減損処理

当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損の要否を検討し、固定資産に減損が見込まれる場合は、将来キャッシュ・フローの現在価値又は正味売却価額に基づいて減損処理を行うこととしております。

将来の事業計画や市場環境の変化により将来キャッシュ・フローの見積りが著しく減少する場合は、減損処理を行う可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績等

売上高は、前連結会計年度に比べて2,412百万円増加(7.4%増)し、34,818百万円となりました。これは主に、新型コロナウイルスのワクチン接種の促進等により、一時的に感染状況が落ち着いたことから、生産活動や個人消費の持ち直しの動きが見られたことによるものであります。

営業利益は、前連結会計年度に比べ536百万円増加(28.8%増)し、2,399百万円となりました。これは主に、売上高が増加したことに伴い、売上総利益が817百万円増加したことによるものであります。

経常利益は、前連結会計年度に比べ612百万円増加(29.9%増)し、2,659百万円となりました。

特別損益は、当連結会計年度において特別利益として1百万円、特別損失として3百万円計上しておりますが、その主な内容は固定資産売却益1百万円、固定資産除却損1百万円であります。

親会社株主に帰属する当期純利益は、上記の結果、前連結会計年度に比べて409百万円増加(30.8%増)し、1,739百万円となりました。

当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営に影響を与える要因につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」、及び「2 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

c. 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金及び設備資金は自己資金及び借入金等により充当しております。当連結会計年度の有利子負債残高はリース債務も含めて1,785百万円で、前連結会計年度に比べて122百万円増加しております。しかしながら、自己資金の充実により、資金の流動性に関しましては当連結会計年度末の現金及び現金同等物は7,971百万円と前連結会計年度末に比べ190百万円減少しておりますが、十分な流動性を確保しております。

 

d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは効率的な資産配分に基づき収益力の向上に努めるとともに、財務内容の充実を目指すために、総資産経常利益率(ROA)の6%以上維持と自己資本当期純利益率(ROE)8%以上を目標に掲げております。当連結会計年度におきましては、ROAは7.4%、ROEは8.6%となりました。

 

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