文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社は創業以来、炭鉱経営から砕石業、そして総合機械商社へ、また、取扱商品も建設機械のみならず半導体製造装置、更にはロボット分野へと時代の要請に適合した事業活動を行ってまいりました。
その活動の基本理念は、社外に対しては「社会への貢献」を掲げ社会の役に立つ会社を目指しております。社内に対しては「働き甲斐のある職場作り」を掲げ社員全員が働き甲斐をもって業務に臨むことにより、社会の役に立つ人材を育成することを目指しております。
当社が目標としております経営指標は、総資産経常利益率(ROA)を6%以上維持するとともに、自己資本当期純利益率(ROE)を8%以上にすることであります。これは効率的な資産配分に基づく収益力の向上により財務内容の充実を目指すものであります。
今後のわが国経済は、地政学的リスクの高まりによる製品、資源の供給不足や価格高騰の深刻化に加えて、感染症の世界的流行や自然災害の発生による新たな被害等が懸念される一方で、循環型社会への転換や自動化、省力化への取り組みが一層進むことによる経済の回復も期待されます。
このような状況の中、当社グループにおきましては、経営の安定性と成長性を実現するために以下の施策を実施してまいります。
a. 建設機械事業の基盤固め
・子会社を含めた事業全体のシナジー効果を追求し、収益力の拡大をはかる。
・ニッチ分野の深耕をはかり、高付加価値商品の拡大に努める。
・新商品、新市場の開拓を実施し、事業領域の拡大に努める。
・新たな自然災害の発生に備え、販売・レンタル体制を強化する。
・中長期的に安定した組織運営に向けて人材の育成に注力する。
b. 産業機器事業の拡大
・AI分野における取り組みを強化し、次の成長に向けた機会の獲得に努める。
・自動化や省力化ニーズに対応するためロボット分野の強化をはかる。
・循環型社会への転換に合わせた商品の拡充をはかる。
・協業メーカーの拡充と新たな製品への積極的な開発投資を進める。
c. 企業価値の向上
・目標とする経営指標の達成に向けて、人的効率と資産効率の向上に努める。
・収益力の向上、財務体質の強化をはかりながら、継続して株主への還元に努める。
・最適資本構成の実現に向けて、財務分析をもとにした資本政策を実施する。
次期のわが国経済は、引き続き新型コロナウイルスやその変異株の感染動向を注視する必要があるほか、ロシアによるウクライナ侵攻をはじめとした国際情勢の緊張の高まりや、原油高、供給制約の長期化、中国における不動産バブルの崩壊、米国の利上げに伴う影響等、経済環境は依然として不透明な状況で推移することが予想されます。このような状況の中、当社グループは以下の施策を実施してまいります。
① 建設機械事業
建設機械事業におきましては、災害復旧工事需要や国土強靭化に向けた公共工事は、一定数見込めるものの、引き続き新型コロナウイルスやその変異株の流行による影響や部品不足に伴う長納期化、原油や資材価格の高騰による投資マインドの低下が懸念される等、先行き不透明な状況が続くことが予想されます。このような状況に対応するため、当社グループにおきましては、販売部門においてはデモ機のさらなる活用により、既存取引先の需要の掘り起こしや新規開拓につなげるとともに、ICT建機への取り組み強化にも努めてまいります。また、レンタル部門においても引き続き災害復旧工事への対応を確実に行うための体制を整えながら、その他の民需、官需の取り込みにも注力してまいります。
産業機器事業におきましては、新型コロナウイルスやその変異株の流行による影響や中国経済の失速、地政学的リスクの高まり等による世界経済の鈍化も懸念される一方で、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みの促進や次世代移動通信システム(5G)の高度化等を背景に、一部の市場においては好調に推移することが予想されます。このような状況に対応するため、当社グループにおきましては好調を維持する半導体市場に向けた商品群の開拓や高付加価値製品の開発に注力するとともに、継続して生産部品や消耗部品の拡販にも努めてまいります。
砕石事業におきましては、引き続き事業を展開する地域においては、域外の災害復旧工事に予算が優先されるほか、新型コロナウイルスやその変異株の流行による影響や燃料費の価格高騰によるコストの増加が懸念される一方で、災害復旧工事以外の公共工事が少しずつ再開し始めたことから、需要は底堅く推移するものと予想されます。このような状況に対応するため、当社グループにおきましては、公共工事の発注動向を見極めながら提案営業を強化するとともに、民間企業への営業強化による中小規模の案件獲得に努めてまいります。また、継続して製造コストの価格転嫁に向けて販売単価の交渉にも努めてまいります。
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