課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)会社の基本方針

 当社グループは、「昨日より今日、今日より明日」をモットーに、日々成長していくことに励んでおります。総合メーカーとして、時代に合わせて進化するとともに、商品のデザイン性・機能性・コストに徹底したこだわりを持ち、お客様に満足していただける商品を提供することで、社会に貢献していくことをグループ経営の基本方針としております。アドヴァンの社名の由来は前進を意味するADVANCEからきております。固定概念や過去の成功体験にとらわれることなく、常に新しいチャレンジを行うことで社内に逆境を生み出し、次のステップに進んでいくこと、これこそが創業時から変らぬアドヴァンらしさだと考えております。なお、グループにおける当社の役割を明確にするため、2021年7月1日付で株式会社アドヴァンから株式会社アドヴァングループに商号変更しております。

 

(2)中長期的な経営戦略及び重視する財務指標等

 当社グループは、ファブレスメーカーとしての特質を活かして高付加価値商品の開発と時代のニーズに対応した事業を展開するとともに、物流施設やショールーム施設への投資など、常に将来を見据えた事業戦略により、高い競争力と安定した収益の確保に努めております。また、自前主義に基づく積極的な設備投資が成長への原動力だと考えております。

① 世界の一級品を納得価格でお届けする総合メーカー

 当社グループは建材のファブレスメーカーとして、商品のデザイン性・機能性・コストに徹底したこだわりを持ち、お客様に満足いただける商品を常に提供しております。変化する時代や流行の中でお客様が求めるものは何かを常に考え続け、建築・住宅・商業施設などの様々なユーザーに選ばれ続ける信頼と商品力を維持していくために、世界中のトップメーカーと提携し、日本のニーズや流行にあった商品の開発を行っております

 

② 世界と日本を結ぶネットワーク

 当社グループと世界のトップメーカー約350社は、長年の取引実績と固い信頼関係に基づく強固なパートナーシップで結ばれております。当社はパートナー企業から単純に商品を仕入れるだけでなく、共に商品開発に取り組んでおり、製造コストを下げつつ、商品の機能性、デザイン性を高めるために、当社グループとパートナー企業のコミュニケーションが最も大切であると考えております。この強固なパートナーシップのネットワークこそが、毎年発表する多数のオリジナル新商品の開発につながっているものと考えております。

 

③ 業界トップの営業スタッフ

商品の特性、施工方法からメンテナンス方法まで熟知した営業スタッフが全国8拠点におります。建材マーケットでは代理店方式で販売を行う企業が多い中で、当社は直接販売にこだわってきました。なぜなら、アドヴァングループの取り扱う商品は、日本の建材マーケットで初めて登場する商品が多いため、販売前にしっかりとその商品特性をお客様にお伝えすることが大切だと考えております。また、営業スタッフがお客様からダイレクトにお話を伺うことで、市場のトレンドをいち早く掴み、その情報を在庫管理や商品開発に活かすことができます。

また、営業スタッフは毎年新商品が販売されるため、常に知識の蓄積に努めており、お客様に一番近い営業スタッフだからこそ、新商品の魅力をいち早くお客様に伝えるとともに、お客様の声を商品開発に活かすことができると考えております。

 

④ 成長のための継続的な投資

 (イ)業界最大級のショールーム施設

 営業拠点のうち、東京、大阪、名古屋、福岡、沖縄の5ヶ所はショールームを併設しており、なかでも、東京・原宿、大阪・本町及び名古屋・名駅のショールームは自社保有しております。特に東京・原宿と大阪・本町のショールームは、面積3,000㎡以上と業界最大級の広さを有しております。

 また、ショールームには毎年継続的に投資を行い、新商品の展示を含め新しく改装を行っております。豊富な種類の建材や施工例が陳列されているショールームは、カタログやネットでは伝えきれない本物の質感を見て、触って、実際に感じて頂けるようにして、多くのお客様の来場と顧客基盤の拡大に努めております。

 

 (ロ)最新鋭、かつ広大な物流センター施設

海外から輸入された商品は、茨城、三重、福岡の国内3ヶ所の商品特性に合うように設計された自社物流倉庫に、それぞれ別々に保管されており、本社とオンラインネットワークで結ばれた受発注システムにより、全国

のお客様に即日商品をお届けしております。また、設立以来物流システムには多くの設備投資を行ってきた結果、

物流コストを大きく低減させており、この結果、お客様に世界の一級品を納得価格でお届けできる体制を支えてお

ります。そして国内3カ所に物流センターを分散させることで、災害時にもお客様へのスムーズな商品配送が可能

となっており、地震の多い日本だからこそ、このような備えがお客様の安心にも繋がっております。

 

⑤社会環境への取り組み

 当社グループは、1975年の創業以来、社会と協調し、事業活動を通じて社会・地球の持続可能な発展に貢献する取り組みを進めてまいりました。取り組みの根底にあるのは、当社グループの創業理念であり、その考え方は国連の持続可能な開発目標(SDGs)が目指すものと一致しています。当社グループは、今後も、社会のために最大限の努力を行い、人や環境にやさしい企業として様々な取り組みを行っていきます。

 なお、当社グループの未来につながる社会環境への主な取り組みは、次のとおりです。

    ◇環境への取り組み(岩井流通センター)

     ・CO⒉削減に向けて、太陽光発電を導入して再生可能エネルギーを創出

     ・木材、タイル等の残材を粉砕処理し、再利用して廃棄物を削減

     ・耕作廃棄地の農地化促進への取り組み

     ・その他、物流センター内での廃材ゼロを目指した取り組み

 ◇地域社会との共生( 〃 )

  ・地元シニア世代を積極的に雇用

  ・敷地内での植林による地域の景観美化と環境保全への取り組み

 ◇クリーンで快適、安全安心な職場環境( 〃 )

  ・倉庫の床には耐久性に優れたエポキシ樹脂を使用し、切粉や削粉の出にくいクリーンで安全な環境を提供

 ◇サステナブルな商品

  ・ワールドクラスの環境認証を取得した商品の導入

  ・リサイクル素材を主原料とする商品の導入

 

⑥重視する財務指標等

 当社グループは、為替予約の時価評価により発生するデリバティブ評価損益の営業外損益への計上で、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は大きく変動してしまうため、営業利益(率)を重視しております。なお、過去5期平均の営業利益率は24.4%となります。

また、企業の経営効率を判断するうえで重要な指標となるROE(自己資本当期純利益率)につきましても、財務体質の強化を図り、一層の向上に努めてまいります。なお、過去5期平均のROE(自己資本当期純利益率)は9.7%となります。

 

(3)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

世界的に感染拡大が続いてきた新型コロナウイルスの影響の収束と共に、経済活動は徐々に持ち直していくことが期待されますが、資源高などによる仕入コスト上昇や、金融市場の変動、更にはウクライナ情勢の動向などの要因により、しばらくは不透明な状況が続いていくものと思われます。

 このような経営環境のなか、当社グループは、環境への取り組み、地域社会との共生、クリーンで働きやすい安全安心な職場環境の整備を引き続き進めてまいります。あわせて、グリーンな企業としてワールドクラスの環境認証取得商品や、リサイクル素材を主原料とする商品など、サステナブルな商品の開発と販売を進めてまいります。

 また、ショールーム施設や物流施設などの設備投資を推し進めるとともに、引き続き、ユニットバスの製造並びに販売やシステムキッチンの販売など住宅設備分野にも注力し、総合メーカーとしての発展を目指してまいります。

 

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