(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。当連結会計年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。当該会計基準等の適用が財政状態及び経営成績等に与える影響の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
当連結会計年度(2021年10月1日~2022年9月30日)におけるわが国の経済は、ワクチン接種拡大や行動制限の緩和により緩やかな回復はみられたものの、円安傾向は続き原材料価格の高騰やウクライナ情勢の緊迫した状況等から国際社会の混乱による経済の下振れ懸念を抱えており、依然として先行き不透明な状態となっております。
当社グループが属する情報サービス産業におきましては、政府が推奨する第4次産業革命の進展により、AI、IoT、RPA、ブロックチェーンといったテクノロジーの活用やシェアリングエコノミーへの取り組み、デジタルネイティブ企業へと変革する各企業の取り組みが加速する中、社会構想が大きく変化する「ニューノーマル」時代を支える技術的な支援やサービスの提供が一層求められております。また、慢性的な人材不足による現場技術者及び現場作業員の確保と育成が大きな課題であり、費用の高騰等厳しい市場環境が続いております。
このような環境の下、積極的な人材の採用及び良質なエンジニアの育成に取り組みながら、SaaS商品の提供と、システム開発分野全般のサービス価値向上に努めてまいりました。
今後は、当社および子会社 SS Technologies株式会社が注力してきたSaaSによるDX領域、RPAソリューション、オープンイノベーションの提供、アライアンスサービスや FA(ファイナンシャル・アドバイザリー)などのコンサルティングを加え、新たな価値創造を目指し、企業価値の向上を目指します。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比して215百万円(4.4%)減少し4,704百万円、営業利益は前連結会計年度に比して4百万円(1.3%)増加し382百万円となりました。また、経常利益は前連結会計年度に比して34百万円(10.0%)増加し377百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比して282百万円(58.4%)減少し201百万円となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較につきましては、前年同期の数値を変更後のセグメントの区分により作成した数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」の「2 報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
① テクノロジー事業
長年にわたって培ってきた不動産事業に関するシステム開発のノウハウを活かして、SSクラウドシリーズ、SSペイメントシリーズを含めたSaaSの提供を行っております。これにより、不動産業界のIT化を後押しし、業務効率化等の生産性の向上に寄与しました。また、当社のSSクラウドシリーズは、自社開発および他社との連携を行い、多種多様なサービスを盛り込み、拡大しております。Web技術をベースとするシステム開発に強みを持ち、不動産分野、情報通信分野、生損保分野、教育分野等のお客様に対して長年にわたってシステム開発及びソリューションサービスの提供、賃貸不動産情報サイトの運営、RPAソリューションサービスを行っております。
当連結会計年度におきましては、一部案件の受注が予定より遅れておりましたが、遅れは解消され、継続案件も堅調に推移しました。売上は減少しましたが、原価の圧縮などに取り組み、その成果が得られたことにより、セグメント利益は増加となりました。
これらにより、テクノロジー事業の売上高は前連結会計年度に比して385百万円(10.3%)減少し3,349百万円、セグメント利益は前連結会計年度に比して41百万円(14.2%)増加し336百万円となりました。
② オープンイノベーション事業
異業種・異分野が持つ技術やアイデア等を取り入れ、スタートアップ企業への事業立ち上げ等のコンサルティング、イノベーションの場の提供を行っております。
当連結会計年度におきましては、拠点の閉鎖に伴い収益が減少したものの、コンサルティングが計画通り推移し、売上高、セグメント利益ともに増加しました。
これらにより、オープンイノベーション事業の売上高は前連結会計年度に比して316百万円(29.7%)増加し1,384百万円、セグメント利益は前連結会計年度に比して113百万円(116.4%)増加し210百万円となりました。
③ その他事業
子会社 株式会社S2iはIoTに関連する商品やサービスの提供事業を行っております。
これらにより、その他事業の売上高はありませんでした(前年同期は売上高0百万円)。セグメント損失は0百万円(前年同期はセグメント利益0百万円)となりました。
当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末に比べ163百万円減少し、3,994百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少131百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少131百万円等によるものであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ78百万円減少し、3,230百万円となりました。これは主に、営業権の減少40百万円、ソフトウエアの減少24百万円等によるものであります。
この結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ242百万円減少し、7,224百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ327百万円減少し、775百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少255百万円、未払金の減少42百万円等によるものであります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ57百万円増加し、583百万円となりました。これは主に、社債の減少100百万円、長期借入金の増加170百万円等によるものであります。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ269百万円減少し、1,359百万円となりました。
純資産合計は前連結会計年度末に比べ27百万円増加し、5,865百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加等によるものであり、自己資本比率は80.7%となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ131百万円減少し、1,949百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、168百万円(前年同期115百万円の増加)となりました。これは主に、未払金の増減額の増加121百万円、未払消費税等の増減額の減少68百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、195百万円(前年同期200百万円の減少)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入の増加162百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出の増加150百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は、104百万円(前年同期228百万円の増加)となりました。これは主に、短期借入れによる収入の減少200百万円、短期借入金の返済による支出の増加200百万円等によるものであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」の「2 報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおり、当連結会計年度において報告セグメントの区分の変更を行っております。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」の「2 報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおり、当連結会計年度において報告セグメントの区分の変更を行っております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」の「2 報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおり、当連結会計年度において報告セグメントの区分の変更を行っております。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の販売実績については、当該会計基準等を適用した後の数字になっております。このため、前年同期比は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。
4 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
当連結会計年度に係る財政状態につきましては、「経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の概要」に記載のとおりであります。
① 売上高
売上高については前連結会計年度に比べ215,722千円減少し、4,704,404千円となりました。
② 売上原価
売上原価については前連結会計年度に比べ251,159千円減少し、3,367,906千円となりました。この結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ35,437千円増加し、1,336,498千円となりました。
③ 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費については前連結会計年度に比べ30,495千円増加し、953,761千円となりました。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ4,942千円増加し、382,736千円となりました。
④ 営業外損益
営業外損益については、営業外収益が前連結会計年度に比べ53,050千円増加し、97,180千円、営業外費用が前連結会計年度に比べ23,561千円増加し、102,803千円となりました。この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ34,431千円増加し、377,113千円となりました。
⑤ 特別損益
特別損益については、特別利益が前連結会計年度に比べ236,886千円減少し、4,464千円となりました。これは、当連結会計年度においては投資有価証券売却益4,464千円が発生したことによるものであります。
また、特別損失が前連結会計年度に比べ38,913千円増加し、57,714千円となりました。これは、固定資産除却損9,804千円、減損損失12,063千円、投資有価証券売却損3,063千円、投資有価証券評価損1,313千円、店舗閉鎖損失31,470千円が発生したことによるものであります。この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ241,368千円減少し、323,864千円となりました。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益
法人税等合計は、法人税、住民税及び事業税を111,697千円、法人税等調整額を11,384千円計上し123,081千円となりました。この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ282,294千円減少し、201,017千円となりました。
当連結会計年度に係るキャッシュ・フローにつきましては、「経営成績等の状況の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループにおける資金需要の主なものは、人件費をはじめとする製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用による運転資金及び設備投資資金であります。
当社グループの資金源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金であります。長期運転資金の必要性が生じた場合は自己資金を基本としつつ金融機関からの借入を実施する等、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要な資金を調達してまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループは、連結財務諸表作成にあたって、適切な会計方針を選択し、固有の見積りや判断が必要な事象については過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
当社の事業分野であるIT関連事業は、第4次産業革命を支える社会活動の基盤であり、引き続き拡大が予測され
ておりますが、特に人工知能やIoTなど新技術に関係する分野は高い伸びが期待されております。
当社といたしましては、事業の更なる拡大を図るために、既存のお客様を重視しながらも、常に新技術に取り
組み、新分野・新規顧客の開拓を行うことが重要と考えております。
優秀な人材の確保・育成に引き続き取り組むこととあわせて、それらを迅速に実現するために、M&Aや投資などのアライアンスにも一層取り組んでまいります。
当社グループは、持続的な成長を続けることで企業価値を高めることを経営目標としており、経営指標としては、「売上高」「営業利益」「営業利益率」を重視し、これら経営指標の拡大を目指しております。当面の目標としては、営業利益率向上を目指し、新しい収益源を開拓しながら、企業価値を高めていくことを目指しております。
当グループが目標とする経営指標と当連結会計年度の実績は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
お知らせ