業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、引き続き新型コロナウイルスの感染状況が企業の経済活動や人流に多大な影響を与えたことで、個人消費の低迷が続いております。さらに、国際情勢の変化による原材料価格の高騰もあり、依然として先行きが不透明な状況となっております。しかし、感染対策も一部の国では大幅な規制緩和が進むなど、わが国においても経済活動の活性化による景気回復が期待される状況です。

コンビニエンスストア業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が一巡したことで、売上は前年を上回っておりますが、コロナ禍前の水準までの回復には至っておりません。

このような環境の下、当社グループは、加盟店と同じ目線で一塊となって経営を推進していくために、中長期経営計画(2021年2月期~2027年2月期)において、「個店平均日販」と「加盟店利益」の継続的な向上を最重要指標と定め、①「個店力強化」②「加盟店経営の安定化」を重点戦略とした各種施策に取り組むとともに、お客様の利用動向への変化対応を続けながら、目標達成に向けた取り組みを進めております。

 

当社グループ運営店舗の概況

 

[ローソン・スリーエフ]

    株式会社エル・ティーエフが事業展開する「ローソン・スリーエフ」におきましては、経済活動の制限や緩和による消費者マインドの変化により経営環境が一進一退を繰り返す状況にあります。緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用による経済活動の制限期間は、住宅立地の店舗の売上が好調に推移する一方でオフィス街や駅前立地の店舗の売上は落ち込み、反対に制限が緩和され人流が回復している期間はオフィス街や駅前立地の店舗の売上が上昇する一方で住宅立地の店舗の売上は鈍化傾向になるなど、店舗の立地特性によって好不調の波が顕著に現れたものの、個店ごとにお客様ニーズに対応した品揃えの最適化を図ったことなどが奏功し、個店平均日販はコロナ禍前の水準まで回復しております。

  運営面におきましては、株式会社ローソンが推進する各種施策に加え、個店の利用動向の変化に合わせた独自の販売戦略を進めながら、加盟店の品揃え拡充への経費支援を継続して行いました。

  商品面におきましては、ローソン・スリーエフの特徴の一つである「青果」がウィズコロナの生活様式の変化の中でも好調を維持しており「コンビニ」と「青果」が融合した売場作りは一定の評価をいただいております。独自商品につきましては、各種キャンペーンなどによりお客様に対して商品の魅力を訴求したことで「チルド弁当」や「チルド寿司」などの売上は堅調に推移しました。特に「やきとり」は品揃えの拡充やコロナ禍に対応して販売方法の見直しを行ったことなども奏功し、前年を大きく上回る売上状況で推移しております。また、9月中旬から独自商品の新たなカテゴリーとして「お総菜」の販売を開始いたしました。スリーエフでご好評をいただいておりました商品を復刻販売し、長年ご利用いただいているお客様には“懐かしさ”を、新たにお買い上げいただくお客様には“スリーエフならではのおいしさ”を感じていただける商品となっており、こちらの売上も好調に推移しております。

  サービス面におきましては、コロナ禍でフードデリバリーサービスのニーズが高まっていることから「Uber Eats(ウーバーイーツ)」の導入店舗を順次拡大し、当連結会計年度末で導入店舗数は140店舗となっております。

  店舗開発におきましては、3店舗の新規出店、9店舗の閉店を行った結果、当連結会計年度末の総店舗数は336店舗となっております。なお、引き続き、収益改善が見込めない店舗のリロケートも推進してまいります。

 

[gooz(グーツ)]

    コンビニエンスストアに対するニーズの多様化に対応するため、当社が新型フォーマットとして事業展開する「gooz(グーツ)」におきましては、出店戦略上、行楽地やパーキングエリアへの出店が中心となっていることから、緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用などの影響を大きく受け、厳しい経営環境が続いております。9月30日に緊急事態宣言が解除された以降は、人流の回復を背景として週末を中心に来店客数および売上が回復し、年末年始期間は帰省による人々の移動が活性化したことで高実績となりましたが、その後のオミクロン株による新規感染者数の急激な増加などにより、再び厳しい経営環境となりコロナ禍前の水準まで日販を回復するには至っておりません。

  運営面におきましては、国分グローサーズチェーン株式会社のコンビニエンスストア事業撤退に伴い、新たに株式会社ポプラと契約を締結し、10月からはポプラ店舗の仕組みを利用した商品供給体制での運用を開始しております。

  商品面におきましては、テイクアウト商品として相性の良いグーツコーヒーの売上が好調に推移していることから、グーツコーヒーと一緒にお楽しみいただけるように、おすすめ商品として健康志向の輸入菓子や全国の素材菓子など自己消費型の品揃えを拡充した提案型の売場作りを行ってまいりました。新たなカウンターフーズとして一部店舗で展開を開始した「焼きいも」につきましても高い評価をいただきました。また、パーキングエリア店舗では、物流ドライバー向けにボリューム感のあるお弁当の品揃えを拡充したほか、ご家族でお出かけされる方に向けてキャラクター商品や玩具の品揃えを充実させました。加えて、地元生産者との取り組みによる青果の品揃え拡充に取り組むなど、店舗の使われ方の変化および新たな客層ニーズに対応する商品展開を実施してまいりました。

  店舗開発におきましては、平塚PA店の一部改装を行い、グーツコーヒーの魅力の更なる訴求のため、パーキングエリア店舗では初となる焙煎機を導入いたしました。新たな出店・閉店は行わず、当連結会計年度末の総店舗数は4店舗となっております。

 

以上の結果、新型コロナウイルスに加えて天候不順が影響し、当連結会計年度の営業総収入は、122億56百万円(前年比2.2%減)となり、営業利益は1億99百万円(前年比22.2%増)、経常利益は2億51百万円(前年比16.7%増)、連結子会社である株式会社エル・ティーエフ立ち上げ時に発生した繰越欠損金が解消したことにより法人税等の負担額が増加したため、親会社株主に帰属する当期純損失は84百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失23百万円)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

① 資産の状況

資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1億85百万円減少し、48億85百万円となりました。これは主に、有形固定資産が82百万円減少したこと及び繰延税金資産が86百万円減少したこと等によるものであります。

② 負債の状況

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ8百万円増加し、5億36百万円となりました。これは主に、買掛金が18百万円及び未払金が14百万円減少したこと、未払法人税等が58百万円増加したこと等によるものであります。

③ 純資産の状況

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1億94百万円減少し、43億48百万円となりました。これは主に、利益剰余金が1億60百万円減少したこと等によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べ84百万円増加し、38億41百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が2億25百万円(前連結会計年度は2億15百万円)、減損損失が25百万円、未収入金が51百万円の減少(同48百万円の増加)、未払金が14百万円の減少(同80百万円の減少)となったこと等により、前連結会計年度より2億89百万円収入増の3億31百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、敷金及び保証金の回収による収入が40百万円(同25百万円)となったこと等により、前連結会計年度より71百万円収入増の22百万円の収入となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額が75百万円(同60百万円)、非支配株主への配当金の支払額が1億93百万円(同1億87百万円)となったこと等により、前連結会計年度より22百万円支出増の2億69百万円の支出となりました。

 

 

(4) 最近2連結会計年度末現在における店舗数(加盟店及び直営店の合計店舗数)の状況

 

地域別

チェーン全店店舗数

前連結会計年度
(2021年2月28日)

当連結会計年度
(2022年2月28日)

比較増減

神奈川県

162( 8)

161( 9)

△1(  1)

東京都

89( 2)

88( 1)

△1(△1)

千葉県

65( 4)

62( 4)

△3( ―)

埼玉県

30( 2)

29( 2)

△1( ―)

合計

346(16)

340(16)

△6( ―)

 

(注)  ( )内の数字は直営店の店舗数であり、内数であります。

 

(生産、受注及び販売の状況)

 当社グループにおいては、生産及び受注に該当する事項がないため、記載を省略しております。

 

販売実績

 当社グループは、コンビニエンスストア事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績の内訳を地域別、商品別に記載しております。

 

(1) 地域別売上状況

地域別

当連結会計年度

(自  2021年3月1日

至  2022年2月28日)

チェーン全店売上高(百万円)

構成比(%)

前年同期比(%)

コンビニエンスストア事業

 

 

 

神奈川県

29,723

47.8

0.3

東京都

15,928

25.6

0.7

千葉県

11,005

17.7

0.2

埼玉県

5,476

8.8

△0.3

合計

62,134

100.0

0.3

 

(注) 1.地域別の店舗数は「(業績等の概要) (4)最近2連結会計年度末現在における店舗数(加盟店及び直営店の合計店舗数)の状況」に記載のとおりであります。

2.上記金額には消費税等は含まれておりません。

3.チェーン全店売上高は直営店と加盟店の売上高の合計であります。

 

 

(2) 商品別売上状況

[ローソン・スリーエフ]

商品別

当連結会計年度

(自  2021年3月1日

至  2022年2月28日)

チェーン全店売上高(百万円)

構成比(%)

前年同期比(%)

コンビニエンスストア事業

 

 

 

ファストフード

12,549

20.6

1.2

日配食品

10,283

16.9

△1.2

加工食品

33,163

54.4

1.0

非食品

5,017

8.2

△5.0

合計

61,014

100.0

0.1

 

(注) 1.上記金額には消費税等は含まれておりません。

2.チェーン全店売上高は直営店と加盟店の売上高の合計であります。

 

[gooz(グーツ)]

商品別

当連結会計年度

(自  2021年3月1日

至  2022年2月28日)

チェーン全店売上高(百万円)

構成比(%)

前年同期比(%)

コンビニエンスストア事業

 

 

 

ファストフード

670

59.8

13.0

日配食品

71

6.3

18.3

加工食品

351

31.3

12.9

非食品

26

2.3

8.3

合計

1,120

100.0

13.3

 

(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態の分析

「(業績等の概要)(2)財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

(2) 経営成績の分析

「(業績等の概要)(1)業績」に記載のとおりであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

「(業績等の概要)(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金や設備投資は自己資金を基本としております。

 

(5) 経営者の問題意識と今後の方針について

「1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」に記載のとおりであります。

 

(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産および負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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