(1)経営成績等の状況の概要
当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の制限が繰り返されるなか、新たな変異株の出現などにより、景気の先行きは予断を許さない状況となっております。
当社におきましては、一部の店舗におきまして、やむを得ず休業または営業時間を短縮しましたが、赤ちゃんや子供を産み育てるうえでの必需品を取り扱っておりますので、お客様と従業員の健康と安全を最優先に考え、お客様が安心してお買い物していただけますように、新型コロナウイルス感染防止の取り組みを実施したうえで、全国の店舗で営業を続けてまいりました。
このような環境の中、当社は、北海道から沖縄までの全国47都道府県に、お客様にとって便利で標準化された店舗網の拡充をさらに進めるため、継続して新規出店を行った結果、当期の新規出店は39店舗となりました。また、一方で不採算店舗のスクラップやリプレースも行い、12店舗を閉鎖いたしました。以上の結果、期末の店舗数は1,036店舗となりました。
インターネット販売におきましては、子育てやお仕事などでお忙しいなか、お客様がより便利にお買い物していただけますように、自社で運営する「西松屋公式オンラインストア」を2021年11月11日にオープンいたしました。「西松屋公式オンラインストア」では、衣料品の「ELFINDOLL(エルフィンドール)」、育児用品の「SmartAngel(スマートエンジェル)」の両プライベートブランド商品をはじめとする子育てのための必需品を豊富に取り揃えております。また、当社でのお買い物をよりお得に楽しんでいただくためのアプリ会員様向けポイント制度「ミミちゃんスマイルプログラム」を2021年3月1日から開始しております。
商品面では、手ごろな価格とお客様の立場に立った品質を備えたプライベートブランド商品の売上が伸びるとともに、小学校高学年向け商品の品揃え拡充を進めてまいりました。また、プライベートブランド商品の海外向け販売拡大に向けて、新たな市場・顧客の開拓に取り組んでおります。あわせて、仕入計画とシーズン毎の在庫管理を徹底したことで値下げロス額が減少しました。
オペレーション面におきましては、スーパーインテンデント(複数店管理店長)制度の確立や最適な人員配置を目的とした応援パート制度や多店舗パート制度の拡大を進めてまいりました。また、タブレット端末の全店導入などのITを利用した作業効率化を行うことで業務システムを見直し、店舗での作業手順の改善・単純化に繋げることで、コスト削減に努めてまいりました。
この結果、当期の売上高は1,630億1千6百万円(前年同期比2.3%増)となりました。利益面では、売上総利益が増加したことにより、営業利益は122億5千9百万円(前年同期比1.4%増)、経常利益は128億5千2百万円(前年同期比3.9%増)、当期純利益は84億9千8百万円(前年同期比2.7%増)となりました。
当期における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により87億5千万円増加し、投資活動により13億5千3百万円減少し、財務活動により42億8千万円減少しました。この結果、資金は前期末に比べ31億3千1百万円増加し、596億8千7百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期における営業活動による資金は、87億5千万円の増加(前年同期比93億2千3百万円の収入減少)となりました。これは、主に税引前当期純利益が127億7千7百万円、仕入債務の増加が33億2千1百万円となったことや、減価償却費が14億1百万円あったことの一方で、法人税等の支払が58億7千6百万円、未払消費税等の減少が17億7千6百万円あったことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期における投資活動による資金は、13億5千3百万円の減少(前年同期比1億9千8百万円の支出減少)となりました。これは、主に固定資産の取得による支出17億5千3百万円や投資有価証券の取得による支出3億7千4百万円があった一方で、約定による建設協力金及び敷金・保証金の回収による収入が9億5千9百万円あったことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期における財務活動による資金は、42億8千万円の減少(前年同期比22億2千4百万円の支出増加)となりました。これは、主に自己株式の取得による支出が25億円あったことや、配当金の支払額が14億7千8百万円あったことなどによります。
当社の事業内容は、ベビー・子供の生活関連用品の販売事業の単一セグメントのみであり、区分するべき事業セグメントが存在しないため、商品別により記載しております。
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
当社の事業内容は、ベビー・子供の生活関連用品の販売事業の単一セグメントのみであり、区分するべき事業セグメントが存在しないため、商品別により記載しております。
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2022年2月20日)現在において判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。また、この財務諸表の作成にあたり、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、このうち重要なものは「第5 経理の状況」に記載しております。これらの見積りについては、継続して検証し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
(a) 財政状態の分析
当期末における総資産は1,224億1千1百万円と前期末から49億6千8百万円の増加(前期末比4.2%増)となりました。
流動資産は、前期末に比べて50億9千5百万円の増加となりました。これは、現金及び預金が28億6百万円、商品が7億5百万円、有価証券が5億6千万円増加したことなどによります。
固定資産は、前期末に比べて1億2千7百万円の減少となりました。これは、建物が9億9千4百万円増加した一方、投資有価証券が5億1千9百万円、建設協力金が5億1百万円減少したことなどによるものであります。
当期末における負債は501億1千万円と前期末から3億1千万円の増加(前期末比0.6%増)となりました。
流動負債は、前期末と比べて2億4千5百万円の増加となりました。これは、電子記録債務が39億6千5百万円増加した一方、未払消費税等が17億7千6百万円、未払法人税等が17億6百万円減少したことなどによります。
固定負債は、前期末と比べて6千4百万円の増加となりました。これは、資産除去債務が2億8千4百万円増加したことなどによります。
当期末における純資産は723億1百万円と前期末から46億5千8百万円の増加(前期末比6.9%増)となりました。これは、主に当期純利益84億9千8百万円があった一方で、自己株式の取得25億円、剰余金の配当14億7千8百万円による減少があったことなどによります。
売上高は1,630億1千6百万円(前年同期比2.3%増)となりました。これは、来店客数が伸びたこと、新規に39店舗を出店したことおよび前期に出店した36店舗が1年間フル稼働したことなどによります。
売上総利益は593億3千3百万円(前年同期比1.4%増)となりました。これは、売上高が増加したことや仕入計画とシーズン毎の在庫管理を徹底し値下げ販売が減少したことなどによります。
販売費及び一般管理費は店舗数の増加などにより、470億7千4百万円(前年同期比1.4%増)となりましたが、売上総利益が前期より7億9千4百万円増加したことで、営業利益は122億5千9百万円(前年同期比1.4%増)となりました。
営業外損益は為替差益や協力金収入の増加などにより、3億1千3百万円の増加となりました。この結果、経常利益は128億5千2百万円(前年同期比3.9%増)となり、売上高経常利益率は7.9%(前年同期比0.1ポイント増)となりました。
特別損益については、特別利益が受取保険金1千3百万円、特別損失が減損損失7千4百万円、災害損失1千3百万円となりました。
法人税等(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)は42億7千9百万円(前年同期比5.1%増)となりました。
以上の結果、当期純利益は84億9千8百万円(前年同期比2.7%増)となりました。
キャッシュ・フローの分析については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
当社の運転資金需要の主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費などの営業費用によるものであります。また、投資資金需要の主なものは、新規出店店舗への投資やシステム関連への投資などによるものであります。
運転資金および投資資金については、営業活動によって得られる資金によって賄うことを基本としております。
2025年2月期を達成年度として売上高2,000億円、経常利益200億円の中期目標を掲げております。
お知らせ