(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言が繰り返し発出され、社会活動は制限され厳しい状況が続きました。10月以降は個人消費を中心に回復の動きが見られたものの、1月以降は新変異株の急速な拡大やロシアのウクライナ侵攻による地政学的リスクの高まりで原油価格の高騰、金融資本市場の変動など先行きは不透明な状況が続いております。
花き業界においては、冠婚葬祭は依然小規模、イベントのディスプレイ需要やホテル、レストランの活け込み需要は縮小したままですが、オフィスや自宅をグリーンで快適に過ごす為、観葉植物や枝物の需要は拡大、自分の生活空間に花や緑を飾るホームユース需要は年代を問わず安定して拡大しています。また、直接会えない、冠婚葬祭も内々で知らなかった等ギフト需要は母の日だけでなく増えてきました。個人需要の高まりで量販店の花売り場だけでなく、専門店での販売も活発化してきました。諸情勢から輸入切花数の減少、高齢化と人手不足による国産の生産減から、市況は前年比1~2割高となっており、小売店は消費者に割高感を感じさせないような商品作りに苦労しました。
このような状況の中、当社グループは商品の集荷に注力し、首都圏だけでなく全国より引き合いが強まり、販売単価は上がり売上高を伸ばしました。
また、当連結会計年度の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を適用しております。花き卸売事業における受託取引等、代理人取引と判断される取引についてその売上高の計上額をこれまで取引総額であったものから純額へと変更しております。なお、前連結会計年度において当該会計基準等を適用したと仮定して算出した売上高の前年同期比は14.0%増です。
このような結果、当連結会計年度の業績は、売上高3,926,914千円、営業利益212,487千円(前年同期は35,646千円の営業損失)、経常利益248,301千円(前年同期は18,111千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純利益173,440千円(前年同期は6,508千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当社グループは花き卸売事業単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりません。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は8,806,090千円となりました。流動資産は前連結会計年度末に比べ90,731千円増加し3,988,364千円、固定資産は前連結会計年度末に比べ198,814千円減少し4,817,726千円となりました。流動資産の主な内訳は、売掛金2,301,681千円、現金及び預金1,585,369千円、固定資産の主な内訳は建物及び構築物2,683,447千円です。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は4,116,684千円となりました。流動負債は前連結会計年度末に比べ67,707千円増加し2,213,502千円、固定負債は前連結会計年度末に比べ298,353千円減少し1,903,181千円となりました。流動負債の主な内訳は、受託販売未払金1,437,696千円、固定負債の主な内訳は長期借入金970,854千円です。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末に比べ122,563千円増加し4,689,406千円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益173,440千円の計上、剰余金の配当50,876千円によるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して8,231千円減少し1,585,369千円となっております。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、450,188千円(前年同期は214,741千円の増加)となりました。主な増加要因は、減価償却費257,773千円、税金等調整前当期純利益248,301千円であり、主な減少要因は、未払費用の減少113,244千円、売上債権の増加102,317千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、66,837千円(前年同期は29,082千円の使用)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出52,894千円、無形固定資産の取得による支出49,858千円であり、主な増加要因は貸付金の回収による収入36,655千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、391,581千円(前年同期は391,798千円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出323,808千円、配当金の支払額50,905千円によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績を取扱品目別に示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループは花き卸売事業の単一セグメントであります。
品目 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比 (%) |
買付品(千円) |
1,061,148 |
― |
その他(千円) |
116,375 |
― |
合計(千円) |
1,177,524 |
― |
(注)「収益認識に関する会計基準」等の適用により、前年同期と会計基準が異なるため、前年同期比は記載しておりません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を取扱品目別に示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループは花き卸売事業の単一セグメントであります。
品目 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比 (%) |
受託品(千円) |
2,493,239 |
― |
買付品(千円) |
1,104,023 |
― |
その他(千円) |
329,651 |
― |
合計(千円) |
3,926,914 |
― |
(注)「収益認識に関する会計基準」等の適用により、前年同期と会計基準が異なるため、前年同期比は記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等について、コロナ禍において花きの個人需要が堅調に推移し、とりわけ自分用の花きの供給に比重を置いたことが奏功し売上高も堅調に推移しました。コスト面ではドライバー不足による配送コストの上昇などに苦慮しましたが、場内物流の効率化・省力化を推進し、物流コストの削減に努めました。このような結果、売上高3,926,914千円、営業利益212,487千円(前年同期は35,646千円の営業損失)、経常利益248,301千円(前年同期は18,111千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純利益173,440千円(前年同期は6,508千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」をご参照ください。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金状況は、営業活動によって450,188千円の資金を得て、投資活動によって66,837千円、財務活動によって391,581千円の資金を使用しました。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して8,231千円減少し1,585,369千円となりました。
運転資金需要のうち主なものは、商品仕入資金、販売費及び一般管理費の営業費用であり、また、当社グループの事業の特性上、回収、支払サイトが他業種に比べて短く、流動性は極めて高くなっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
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