課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は「最新最適な医療機器を通じて健康社会の実現に貢献する」ことを経営理念として掲げております。最新最適な医療機器とは、最先端の技術により優れた治療効果が得られる医療機器であるということだけでなく、同時に、患者様の身体的な負担の軽減、あるいは、医療従事者が抱えている医療現場の様々な課題の解決という側面も非常に重要であると考えております。当社は、商社とメーカーという2つの機能を併せ持つ、業界内でもユニークなビジネスモデルを確立しております。このビジネスモデルをさらに強化することで、真に価値のある医療機器をタイムリーに医療現場に提供し続けることが可能となり、健康社会の実現に貢献することができると考えております。

 

(2)経営環境

 日本では高齢化の進行や生活習慣の変化に伴い、循環器疾患をはじめとする様々な疾患に係る医療費が年々増加しております。政府はこのような状況に対して、医療費抑制政策を進めており、医療機器の公定価格である保険償還価格は定期的な改定により引下げられる傾向にあります。

 こうしたなか、競合他社は、価格下落への対応や市場シェアの拡大を図るために、従来の医療機器に比べて治療の効果や効率に優れた新規性の高い製品の導入に注力しており、製品開発や販売権獲得の競争が激化しております。また、それらの有望な製品の獲得や新領域への参入を目的としたM&A等も活発に行われております。

 また、新型コロナウイルスの感染拡大により待機的症例が延期され手術数が減少するものの、感染者数の減少や重症化率の低下等に伴い手術数が回復するという状況が繰り返されており、今後も同様の事態が生じる可能性があります。

 

(3)経営戦略及び対処すべき課題

①中期経営計画

 当社は2020年11月に中期経営計画を策定し、2021年3月期から2025年3月期の5年間にわたる業績目標として「売上高年平均成長率10%」、「営業利益年平均成長率15%」、「売上高に占める自社製品比率50%以上」を掲げるとともに、業績目標を達成するための重点課題として次の3点を設定しております。

 

1.既存領域の基盤強化、安定成長の実現

2.コストコントロール、業務再構築による収益改善

3.消化器領域への展開、さらなる飛躍に向けた準備

 

1.既存領域の基盤強化、安定成長の実現

 リズムディバイスおよびEP/アブレーションの不整脈領域の売上は、当社の売上高の7割超を占める収益基盤となっていることから、不整脈領域における製品力及び営業力の強化が、今後の当社の成長における重要な課題であります。

 この課題への取り組みとして、2019年9月にリズムディバイス製品の取引先をボストン・サイエンティフィック社に切り替えることで製品ポートフォリオの強化を図るとともに、2022年4月には、ボストン・サイエンティフィックジャパン社の営業人員の当社への転籍により、販売体制を一本化することで営業力の強化を行いました。

 EP/アブレーションにおいては、オンリーワン製品である心腔内除細動カテーテルを中心に高いシェアを有している診断領域に比べて、低いシェアに留まっている治療領域の製品を強化するため、内視鏡レーザーアブレーションの新製品を導入しました。また、自社の高機能シャフトの製造技術を生かしたスティーラブルシースの改良品の販売を開始しております。さらに、将来的に有望な治療方法となることが見込まれるパルス電界アブレーションについても、製品導入に向けた取り組みを行っております。

 不整脈領域とともに収益の柱である外科関連においても、人工血管、オープンステントグラフト、腹部用ステントグラフトと充実した大動脈疾患の治療用デバイスのラインナップを有している強みを生かし、コロナ禍においても売上を安定的に伸長させました。さらなる成長への布石として既存製品群に加え腹部用ステントグラフトの新製品や血管塞栓用コイルの販売を開始しております。血管塞栓用コイルに関しては、腹部領域だけでなく脳血管の治療にも用いられる製品であり、当社としては新領域である脳外科領域にも2022年4月より参入いたしました。

 

2.コストコントロール、業務再構築による収益改善

 当社として、継続的に成長を成し遂げていくために、売上高の安定成長を図るとともに、収益率の改善を課題として取り組んでおります。

 コロナ禍において、営業活動をはじめ様々な事業活動に制約が生じるなか、WEB会議システムの活用等により従来の業務のあり方を見直すことで、業務効率化とコスト削減が達成されました。これらを一過性の対応として終わらせることなく、継続的に効率やコストを意識した業務改善に取り組んでおります。また、基幹システム刷新を中心とする販売、物流、及び在庫管理等の業務変革のプロジェクトを進めております。

 また、事業面での収益改善における取り組みとして、2021年4月に当社の主力事業とのシナジーが見込めなかった血液浄化事業を事業譲渡したほか、2022年2月には、インターベンションにおける薬剤溶出型冠動脈ステントの独占販売契約を、2022年6月をもって早期終了することを決定いたしました。薬剤溶出型冠動脈ステントは、インターベンションにおける主力デバイスではありましたが、競争環境が厳しく、また新型コロナウイルスによる症例数減少の影響から売上が計画を下回って推移しており、商品評価損の計上を行う等、利益の圧迫要因となっておりました。こうした低採算事業からの撤退とともに、当該事業における人員等のリソースを、今後の成長が見込める消化器領域を中心に再配置することにより収益性の改善に取り組んでまいります。

 

3.消化器領域への展開、さらなる飛躍に向けた準備

 当社は、心臓ペースメーカの輸入販売から事業を開始し、心臓血管領域における取り扱い製品を増やすとともに、2000年からは、自社製品の開発・製造を開始することで成長を図ってまいりました。引き続き心臓血管領域における成長に取り組む一方、同領域の競争環境が厳しさを増していることから、中長期的にさらなる成長を達成するため、新たに消化器領域への参入を決定いたしました。

 消化器領域においても、これまで当社が培ってきた高機能シャフトや高周波アブレーション等の自社技術を応用した製品開発を行うことで、他社とは差別化を図り、医療現場の課題解決に役立つ製品を提供できると考えております。

 現在は、大腸ステントや肝癌治療用ラジオ波焼灼電極針等の消化器領域の製品の販売を行っており医療現場において一定の評価を獲得しております。2023年3月期の下半期に予定している胆膵関連製品の発売により、消化器領域でも本格的な事業展開を加速させ、心臓血管領域に次ぐ第2の事業の柱へと成長させてまいります。

 

②サステナビリティの推進

 当社は、事業活動を通じた経済的価値の追求と同時に、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを通じて社会的価値を追求することが重要だと考えております。解決するべき様々な社会課題を「当社にとっての重要性」と「ステークホルダーにとっての重要性」の2つの視点で評価、優先順位付けし、当社における7つのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。

 事業を通じて解決する課題として設定した「革新的な医療機器による医療課題の解決」に着実に取り組み、当社の経営理念を実践してまいります。また、事業基盤の強化として取り組む課題として設定した環境、社会及びガバナンス領域のマテリアリティに関する取り組みも中長期の目標達成に向けて積極的に推進してまいります。

 

  当社における7つのマテリアリティ(重要課題)

 

領域

マテリアリティ

事業を通じて

解決する課題

Philosophy:

経営理念

革新的な医療機器による医療課題の解決

事業基盤の強化として

取り組む課題

Environment:

環境

環境負荷の低減

Social:

社会

従業員が安心して働ける環境づくり

人材の育成と活躍機会の提供

製品の品質と安定供給

Governance:

ガバナンス

コーポレート・ガバナンスの強化

コンプライアンスの推進

 

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得