当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により二度にわたる緊急事態宣言が発出されるなど、社会・経済活動が大きく制限され、企業業績や景況感の悪化、個人消費の落ち込みなど極めて厳しい状況となりました。
宝飾業界におきましても、このような景況を反映して極めて厳しい経営環境にあります。
当社においては、催事販売を営業活動の主力としているため、催事における集客が落ち込んでしまい売上は前年を大幅に下回る結果となりました。
利益面においては、売上総利益率の改善を図り、全社を挙げて経費削減にも努めましたが、固定経費を上回る収益を確保するに至らず営業利益、経常利益、当期純利益ともに大きく前年を下回る結果となりました。
その結果、売上高3,259百万円(前期比27.6%減)、営業損失58百万円(前期は4百万円の営業利益)、経常損失109百万円(前期は28百万円の経常損失)、当期純損失117百万円(前期は165百万円の当期純利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当事業年度より報告セグメントを従来の単一セグメントから「宝飾事業」「不動産賃貸事業」の2区分に変更しております。以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で表示しております。
(宝飾事業)
宝飾事業につきましては、前述のとおり、新型コロナウイルス感染拡大により、営業活動が制限された影響で、業績は大きく落ち込む事となりました。その結果、売上高3,098百万円(前期比28.7%減)、営業損失16百万円(前期は78百万円の営業利益)となりました。
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸事業につきましては、賃貸収入に大きな変動はなく、賃貸原価は前年度に大規模な立体駐車場の修繕工事を行った事等により15百万円減少しております。その結果、売上高161百万円(前期比2.1%増)、営業利益67百万円(前期比32.0%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度と比べ、187百万円(43.8%)増加し614百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、資金は196百万円の増加となりました。主な変動内訳は、棚卸資産の減少275百万円、売上債権の減少80百万円、税引前当期純損失124百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、資金は116百万円の減少となりました。主な変動内訳は、定期預金の払戻による収入48百万円、有形固定資産の取得による支出139百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、資金は106百万円の増加となりました。主な変動内訳は、短期借入による収入1,654百万円、長期借入による収入660百万円、短期借入金の返済による支出1,573百万円、長期借入金の返済による支出610百万円等であります。
当事業年度における仕入実績ををセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記金額は仕入価格によっており、消費税等は含まれておりません。
2 上記金額のうち、輸入仕入実績は92,662千円であります。
b 販売実績
当事業年度における販売実績ををセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度における売上高は前事業年度と比べ1,242百万円減少し、3,259百万円(前期比27.6%減)となりました。当社は、ホテル等を利用した大型催事と取引小売店主催の小規模店頭催事を営業活動の主力としておりますが、新型コロナウイルス感染拡大により集客数が大幅に減少したことに加え、感染拡大防止措置による外出の自粛や臨時休業、営業時間の短縮等により、営業活動が大幅に制限され、売上高は前期を大きく下回る結果となりました。
営業利益につきましては、売上総利益率の改善を図り、人件費、催事等の販売費を、全社挙げて削減に努めましたが、売上高の減少を補うまでには至らず、 営業損失58百万円(前期は4百万円の営業利益)となりました。 経常利益、当期純利益につきましては、雇用調整助成金等の助成金収入を営業外収益及び特別利益に計上いたしましたが、前期において受取損害賠償金240百万円を特別利益に計上していた事もあり、 経常損失109百万円(前期は28百万円の経常損失)、当期純損失117百万円(前期は165百万円の当期純利益)と前期を大きく下回る結果となりました。
財政状態につきましては、当事業年度末の総資産は、前事業年度と比べ99百万円(1.5%)減少し6,667百万円となりました。主な変動内訳は、現金及び預金の増加157百万円、土地の増加106百万円、商品の減少275百万円、売掛金の減少63百万円等であります。
また、負債合計は、前事業年度と比べ43百万円(1.3%)増加し3,520百万円となりました。主な変動内訳は、長期借入金の増加240百万円、短期借入金の増加80百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少191百万円、買掛金の減少35百万円等であります。
純資産合計は、前事業年度と比べ143百万円(4.4%)減少し3,147百万円となりました。主な変動内訳は、利益剰余金の減少150百万円等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析)
当事業年度の経営成績の分析につきましては、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)[経営成績等の状況の概要]①[財政状態及び経営成績の状況]」をご参照下さい。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社の資金需要は、大きく分けて運転資金・設備投資資金となっており、営業活動から獲得する自己資金及び金融機関からの借入による調達を基本としております。
また、資金調達の安定性と機動性を確保するとともに、金融市場の急激な環境変化にも対応できる流動性の確保を図るため取引3金融機関とコミットメント契約、取引1金融機関と当座貸越契約を締結しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としています。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が財務諸表における重要な見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a 貸倒引当金の計上基準
当社は売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財政状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。
b 商品の評価
商品の貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法、即ち、期末における正味売却価額が取得原価を下回っている場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額とする方法を採用しております。正味売却価額は直近の販売実績や企業内外からの情報を踏まえた販売価格を基礎とし、過去の実績に基づいて算定した見積販売直接経費を控除し算定しております。
これらの見積りは、貴金属の相場変動をはじめとした経済状況等の変動により、不確実性を伴うため、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。。
c 繰延税金資産の回収可能性の評価
繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金のうち未使用のもの及び将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しております。課税所得が生じる可能性の判断においては、将来獲得しうる課税所得の時期及び金額を合理的に見積り、金額を算定しております。これらの見積りは将来の不確実な経済状況及び会社の経営状況の影響を受け、実際に生じた時期及び金額が見積りと異なった場合、翌事業年度の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。また、税制改正により実効税率が変更された場合に、翌事業年度の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響拡大や長期化による不確実性が高い状況にあります。本感染症は経済・企業活動に大きな影響を与える事象であり、今後の拡大や収束時期等を予測することは困難な状況にありますが、2022年3月期の前半において当該影響が残るものの、ワクチン接種が予定通り進むことにより、回復基調に向かうと仮定し、当社は財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき、会計上必要となる見積りを行っております。
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