業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度の期首より、報告セグメントの区分を変更いたしました。そのため、各セグメントの前年同期比較および分析は、変更後の区分に基づいております。

また、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1)経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が促進され、緊急事態宣言解除により経済活動にも一部持ち直しの動きがみられましたが、動向には引き続き注視が必要であり、先行きは不透明な状況で推移いたしました。

このような環境の中、当社グループでは、感染拡大の抑制に必要な対策、対応を実施しながら営業活動を行ってまいりました。当社グループにおける各事業部門別の状況は次のとおりであります。

 

〔和装店舗運営事業〕

「振袖」販売およびレンタルについては、第3四半期においては販促キャンペーンによる来店者数の回復による増加があったものの、上半期は長期間に渡る緊急事態宣言の発令による影響及び広告宣伝活動のデジタルシフトによる来店促進効果が十分に発揮できなかったこと、第4四半期において新型コロナウイルス感染拡大及びまん延防止等重点措置の発令による影響を主要因として、振袖購入需要が高まる時期における集客に苦戦したため、受注高は前年同期比8.5%減となりました。また、既存顧客を対象とした「一般呉服」等の受注高については、感染拡大防止に努めながら積極的に催事を行い、堅調に推移したため、前年同期比22.6%増となりました。

以上により、和装店舗運営事業の売上高(出荷高)については、収益認識会計基準等の適用の影響も加味し、8.3%増の8,230百万円となりました。

利益面においては、売上総利益率は収益認識会計基準等の適用を加味し、前年同期と比べ1.0ポイント低下し61.8%となりました。販売費及び一般管理費については、前期に引き続き構造改革によるコスト削減を進めており、特に広告宣伝費比率を引き下げつつ売上高を確保し、損益分岐点売上高を引き下げる活動を推進しております。前述のとおり売上高は増加したものの、前年同期は臨時休業期間中に発生した費用(人件費、店舗家賃、催事中止費用等)376百万円を特別損失として計上していたこともあり、販売費及び一般管理費の対売上高比率は前年同期並となっております。この結果、和装店舗運営事業の営業利益は前年同期比4.6%減の598百万円となりました。

 

〔その他事業〕

その他事業については、写真スタジオ事業、EC事業を中心に売上高拡大に取り組みました、特にEC事業についてはコロナ禍において商品の購入・レンタル方法として、そのニーズの高まりにより326.3%の増収となりました。以上により売上高は前年同期比263.5%増の254百万円となりました。一方、新規事業への先行投資や設備投資を行ったことや新規店舗のオープンコストの発生等により、営業損失75百万円(前年同期は営業利益11百万円)を計上することとなりました。

 

これらの結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高においては前年同期比10.6%増の8,484百万円、営業利益は93.1%減の4百万円、経常利益は83.0%減の16百万円となりました。また、特別損失として店舗の減損損失を169百万円、投資有価証券評価損を40百万円計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失は185百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益77百万円)となりました。

 

 

(受注、販売及び仕入の状況)

(1) 受注状況

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

受注高(千円)

前年対比(%)

受注残高(千円)

前年対比(%)

和装店舗運営事業

8,190,849

113.8

1,042,173

97.8

その他事業

254,144

363.5

合計

8,444,993

116.2

1,042,173

97.8

 

(注) 1 和装店舗運営事業の受注高には、割賦販売斡旋契約に係る会員手数料を含みます。

2 和装店舗運営事業における受注状況は次のとおりであります。

 

品目別

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

受注高(千円)

前年対比(%)

受注残高(千円)

前年対比(%)

着物・裏地等

3,018,184

119.7

131,672

95.7

1,488,567

129.5

42,365

122.0

仕立加工

791,948

111.9

57,604

94.8

和装小物

632,158

106.1

8,431

53.1

宝石

1,189,157

93.6

22,287

252.9

その他

675,670

93.2

283,701

79.4

小計

7,795,686

111.9

546,061

88.8

金融収益

430,691

155.9

496,111

110.3

友の会会員値引き等

△35,528

70.0

合計

8,190,849

116.2

1,042,173

97.8

 

(注) 1 友の会会員値引き等は、主として連結子会社である㈱京都きもの友禅友の会の売上原価であり、会員積立金(お買物カード)の満期使用時におけるボーナス相当分であります。

2 受注高には仕立加工等を要しない現金売上高を含んでおります。

 

(2) 販売実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

売上高(千円)

前年対比(%)

和装店舗運営事業

8,213,751

108.1

その他事業

254,144

363.5

収益認識会計適用による影響額

16,538

合計

8,484,434

110.6

 

(注) 1 和装店舗運営事業における販売実績は次のとおりであります。

 

 

イ 販売形態別販売実績

 

販売形態別

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

売上高(千円)

前年対比(%)

店舗

5,694,512

96.4

店舗外催事

2,159,948

150.8

その他

10,403

591.7

小計

7,864,863

106.8

金融収益

384,415

135.0

友の会会員値引き等

△35,528

70.0

収益認識会計適用による影響額

16,538

合計

8,230,290

108.3

 

(注) 1 友の会会員値引き等は、主として連結子会社である㈱京都きもの友禅友の会の売上原価であり、会員積立金(お買物カード)の満期使用時におけるボーナス相当分であります。

 

ロ 品目別販売実績

 

品目別

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

売上高(千円)

前年同期比(%)

着物・裏地等

3,024,115

112.7

1,480,924

122.0

仕立加工

795,102

105.7

和装小物

639,605

103.6

宝石

1,175,682

90.6

その他

749,433

93.7

小計

7,864,863

106.8

金融収益

384,415

135.0

友の会会員値引き等

△35,528

70.0

収益認識会計適用による影響額

16,538

合計

8,230,290

108.3

 

(注) 1 友の会会員値引き等は、主として連結子会社である㈱京都きもの友禅友の会の売上原価であり、会員積立金(お買物カード)の満期使用時におけるボーナス相当分であります。

 

 

ハ 地域別販売実績

 

地域別

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

備考

売上高(千円)

構成比(%)

前年対比(%)

北海道

197,883

2.5

96.3

 

東北

300,946

3.8

111.1

 

関東

3,483,331

44.3

107.5

 

中部

1,486,128

18.9

114.3

 

近畿

1,079,146

13.7

109.8

 

中国

225,545

2.9

96.6

 

四国

83,183

1.0

87.2

 

九州

470,342

6.0

94.4

 

その他

538,355

6.9

100.4

 

小計

7,864,863

100.0

106.8

 

金融収益

384,415

135.0

 

友の会会員値引き等

△35,528

70.0

 

収益認識会計適用による影響額

16,538

 

合計

8,230,290

108.3

 

 

(注) 1 地域区分は、販売店舗の所在地によって分類しております。

2 その他は、商品レンタル等であり地域別には分類しておりません。

3 友の会会員値引き等は、主として連結子会社である㈱京都きもの友禅友の会の売上原価であり、会員積立金(お買物カード)の満期使用時におけるボーナス相当分であります。

4 売上高構成比は、友の会会員値引き前の金額をもとに算出しております。

 

(3) 商品仕入実績

和装店舗運営事業における商品仕入実績は次のとおりであります。

 

品目別

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

仕入高(千円)

比率(%)

前年対比(%)

着物・裏地等

1,104,093

43.4

114.1

436,748

17.1

133.2

和装小物

253,452

10.0

100.9

宝石

551,490

21.7

94.2

その他

200,157

7.8

77.1

合計

2,545,941

100.0

106.4

 

(注) 1 上記反物等にかかる仕立加工は全て外注をしており、その金額は当連結会計年度436,637千円であります。

 

 

(2)財政状態

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度に比べて2.9%減少し11,857百万円となりました。現金及び預金が減少したことと、負債に関しては前受金や預り金等の営業債務が減少し、収益認識会計基準等の適用に伴い契約負債が増加しております。

 当社グループでは、財務の健全性指標として、流動比率と自己資本比率を重要視しております。当連結会計年度末における流動比率は、前連結会計年度と比べて4.6ポイント低下し、138.0%となりました。また、自己資本比率は、主に収益認識会計基準等の適用に伴い累積的影響額として295百万円の減少を加味したことと、当期純損失が185百万円となったことを主要因として利益剰余金が減少した結果、前連結会計年度末に比べ3.3ポイント低下し40.4%となりました。しかしながら、両指標は引き続き高水準を維持しており、財務の健全性は保たれているものと考えております。
 なお、各資産、各負債、純資産の主な増減要因は以下のとおりであります。

 

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて2.8%減少し9,146百万円となりました。これは、収益認識会計基準等の適用に伴い、割賦売掛金を売掛金に含めて記載することとしたため、売掛金が2,787百万円増加し、割賦売掛金が2,808百万円減少したこと、また、現金及び預金が311百万円減少、商品及び製品が74百万円増加したこと等によるものであります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べて3.2%減少し、2,710百万円となりました。これは、有形固定資産が84百万円、繰延税金資産が31百万円それぞれ増加し、差入保証金が150百万円減少したこと等によるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて0.4%増加し、6,628百万円となりました。これは、収益認識会計基準等の適用に伴い、契約負債が279百万円、前受収益が496百万円それぞれ増加し、割賦未実現利益が449百万円、販売促進引当金が103百万円それぞれ減少したこと、前受金が139百万円、預り金が127百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べて58.8%増加し、441百万円となりました。これは、資産の除去時点において必要とされる除去費用が、固定資産取得時における見積額を大幅に超過する見込みであることが明らかになったことから加算を実施し、資産除去債務が160百万円増加したこと等によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて10.2%減少し、4,788百万円となりました。これは、収益認識会計基準等の適用に伴い累積的影響額として295百万円の減少を加味したことと、親会社株主に帰属する当期純損失が185百万円となったこと等により、利益剰余金が553百万円減少したこと等によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ318百万円減少し、3,962百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失が195百万円を計上したことと、預り金の減少、売上債権の増加等があり、334百万円の支出となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、差入保証金の回収による収入があったものの、店舗の移転に伴う設備投資があったこと等により、0百万円の支出となりました。その結果、フリーキャッシュ・フローは335百万円のマイナスとなりました。フリーキャッシュ・フローのマイナスを補うため銀行借入により資金を100百万円調達したものの、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度から減少し、3,962百万円となりました。
 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入れ・仕立て等の外注加工費・販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また投資を目的とした資金需要は、店舗の出店・改装に係る投資等であります。これらの資金需要については、自己資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては銀行から期限が一年以内の短期借入金で調達しております。
 なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。

 

①営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、334百万円の支出(前年同期は651百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失が195百万円となったこと、減価償却費73百万円、減損損失169百万円等の非資金的費用があったこと、棚卸資産の増加62百万円、売上債権の増加104百万円、未払消費税等の増加86百万円、預り金の減少127百万円、販売促進引当金の減少103百万円等によるものであります。

②投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、0百万円の支出(前年同期は433百万円の収入)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出116百万円、差入保証金の回収による収入150百万円等によるものであります。

③財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、17百万円の収入(前年同期は923百万円の収入)となりました。これは主に短期借入金の増加100百万円、配当金の支払73百万円等によるものであります。

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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