業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況

 の概要は次のとおりであります。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度(自 2021年9月21日 至 2022年9月20日)における我が国の経済は、米国をはじめとする先進諸国による金融緩和の縮小や資源価格の高騰など、世界的景気減速が危惧される中、新型コロナウイルス感染症の影響や緊迫が続くウクライナ情勢、急激な円安による諸物価の上昇など経済活動の先行きは不透明な状況となっております。

 小売業におきましては、新型コロナウイルス感染症に対する予防ワクチン接種が進み、昨年9月、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が全面解除、行動制限が段階的に緩和されたことにより、個人消費に回復の兆しがみられました。しかし、原材料価格や光熱費の高騰、人手不足による物流コストの値上げなど業界を取り巻く環境は非常に厳しくなっているほか、新型コロナウイルス感染症の再拡大の懸念により、人々の節約志向は一層強くなっており、今後も予断の許さない状況が続くものと思われます。

 このような状況のもと、当社は、収益力の強化を最重要課題とし、下記の施策に積極的に取り組んでおります。

a.改装の実施

 既存店活性化により客数・売上増を図るため、ワクワク感が感じられる売場を目指し、当事業年度は伊賀店及び瑞穂店の改装を実施いたしました。

b.PB商品開発強化

 当社にしかない価値あるPB商品を開発し、目的来店性・粗利率アップを図ります。当事業年度は新たに300アイテム以上の開発をいたしました。

c.R-9(R=Revolution 人件費9億円削減)

 人口減による人手不足・労働単価上昇への対応として機械化等を推進し業務の合理化を図ります。当事業年度はAI自動発注システムの導入をいたしました。

 以上の結果、当事業年度末における財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。

(財政状態)

当事業年度末における資産合計は、40,292百万円(前年同期比1,418百万円減)となりました。これは主に、現金及び預金の減少(前年同期比1,831百万円減)によるものであります。

当事業年度末における負債合計は、24,478百万円(前年同期比1,569百万円減)となりました。これは主に、長期借入金の減少(前年同期比1,590百万円減)によるものであります。

当事業年度末における純資産合計は、15,813百万円(前年同期比151百万円増)となりました。これは主に、当期純利益が324百万円となり、剰余金の配当が168百万円があったことによるものであります。

(経営成績)

 当事業年度における経営成績は、売上高は95,331百万円(通期計画達成率99.8%)となりました。利益におきましては、営業利益は1,448百万円(前年同期比6.2%減)、経常利益は1,531百万円(前年同期比7.5%減)、当期純利益は高島店の固定資産残存簿価の一部を減損処理し特別損失991百万円を計上したため、324百万円(前年同期比71.9%減)となりました。

 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しております。当事業年度の売上高については、当該会計基準を適用した後の数値となっているため、前年同期比を記載せず、通期計画達成率を記載しております。

 当社は、フーズ、ノンフーズ等の小売業という単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

  ②キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,581百万円減少し、6,200百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動の結果得られた資金は2,319百万円(前年同期472百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益800百万円、減価償却費1,514百万円、減損損失991百万円があった一方、棚卸資産の増加914百万円等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動の結果使用した資金は1,578百万円(前年同期836百万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得1,731百万円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動の結果使用した資金は2,322百万円(前年同期1,232百万円の使用)となりました。これは、長期借入金の返済による支出1,641百万円があったことによるものであります。

 

 ③生産、受注及び販売の実績

 当社は、小売業という単一セグメントであるため、品目別及び店舗業態別に事業の状況を記載しております。

(生産実績)

 当社は、小売業を営んでおり、該当事項はありません。

 

(仕入実績)

 当事業年度の仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

 

品目

当事業年度

(自 2021年9月21日

至 2022年9月20日)

前期比

 商品

(百万円)

(%)

 フーズ

52,457

 ノンフーズ

22,595

合計

75,052

(注)当事業年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。この結果、前事業年度と仕入の会計処理が異なることから、前期比(%)を記載しておりません。

 

(受注実績)

 当社は、小売業を営んでおり、該当事項はありません。

 

(販売実績)

a 品目別売上高

 当事業年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

 

品目

当事業年度

(自 2021年9月21日

至 2022年9月20日)

前期比

 商品

(百万円)

(%)

 フーズ

65,423

 ノンフーズ

29,518

小計

94,941

不動産賃貸収入

389

合計

95,331

(注)当事業年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。この結果、前事業年度と収益の会計処理が異なることから、前期比(%)を記載しておりません。

 

b 店舗業態別売上高

 当事業年度の販売実績を店舗業態別に示すと、次のとおりであります。

期別

業態

当事業年度

(自 2021年9月21日

至 2022年9月20日)

前期比

 商品

(百万円)

(%)

 スーパーセンター

94,886

 その他

55

小計

94,941

不動産賃貸収入

389

合計

95,331

(注)当事業年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。この結果、前事業年度と収益の会計処理が異なることから、前期比(%)を記載しておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成に当たっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社の財務諸表の作成に当たり採用した重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。

 なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1財務諸表 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.繰延税金資産の回収可能性
 当社は、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。

 将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行ない繰延税金資産の修正を行なうため、当期純損益額が変動する可能性があります。

b.固定資産の減損処理

 当社が有する固定資産のうち、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされるものについては、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や資産の市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認し、企業環境の変化や経済事象の発生によりその帳簿価額の回収が懸念されているかなども考慮し、減損損失の認識を判定しております。
 この判定により減損兆候を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行なっております。事業計画や経営・市場環境の変化により、回収可能価額が変更された場合には、減損損失の金額の増加又は新たな減損損失の認識の可能性があります。

c.資産除去債務

 当社は、営業店舗等の開設にあたり、不動産所有者との間で不動産賃貸借契約を締結しており、退去時における原状回復義務に関し、「資産除去債務に関する会計基準」に基づき過去の実績等から合理的な見積りを行ない資産除去債務を計上しております。しかしながら、新たな事実の発生等に伴い、資産除去債務の計上額が変動する可能性があります。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高、売上総利益)

 売上高につきましては、コロナ対策商品需要や巣ごもり需要が落ち着いたことにより、95,331百万円(通期計画達

成率99.8%)となり、売上総利益は粗利改善策を積極的に取り組み、売上総利益は21,109百万円(前年同期比3.3%

増)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年

度の期首から適用しております。当事業年度の売上高については、当該会計基準を適用した後の数値となっている

ため、前年同期比を記載せず、通期計画達成率を記載しております。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 販売費及び一般管理費は、光熱費高騰などの経費増により19,661百万円(前年同期比4.1%増)となり、営業利益

は、1,448百万円(前年同期比6.2%減)となりました。

(経常利益、当期純利益)

 経常利益は、1,531百万円(前年同期比7.5%減)、当期純利益は、高島店の固定資産残存簿価の一部を減損処理

し特別損失991百万円を計上したため、324百万円(前年同期比71.9%減)となりました。

(経営成績に重要な影響を与える要因)

 我が国の小売業界におきましては、出店・価格競争の激化に加え、資本・業務提携や経営統合などの動きがさら

に進み、企業間競争は一層厳しくなることが予想されます。

 当社が出店しておりますルーラル地域におきましてもこのような状況の進行が、客数の減少や売上総利益率の低

下を引き起こす懸念があり、その結果、当社の業績に影響を与える可能性があります。

(財政状態の状況、キャッシュ・フローの状況)

 当社は主に営業活動によって得られた資金により、また必要に応じて、経済動向、金融状況を踏まえた調達手段

によって得られた資金により、新規出店及び既存店舗の改装に係る設備投資を行なっております。

 なお、この詳細は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の

分析 ①財政状態及び経営成績の状況 (財政状態) ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

③ 資本の財源及び資金の流動性

a.資金需要

  運転資金、設備資金、借入金の返済及び利息の支払等に資金を充当しております。

b.資金の源泉

  主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入により、必要とする資金を調達しております。

 

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