業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

また、当事業年度は決算期変更に伴い、2021年4月1日から2022年2月28日の11か月間となっております。そのため前事業年度との比較は記載しておりません。

 

① 経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の新たな変異株の感染拡大により、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が断続的に発出されるなど、社会経済活動は引き続き停滞し、非常に厳しい状況となりました。当社が属する日用品の卸売市場におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による巣籠り消費に関連していたと推測される需要の反動減が見られただけでなく、2022年2月末時点では、ウクライナ情勢の悪化に伴い、原油や天然ガスの供給に混乱が生じること等により短期的に物価が上昇し、世界の経済活動・景気に支障をきたすことへの懸念等、依然として今後の消費マインドへの不安材料が付きまとう状況となっております。

このような環境のもと、当社では企業理念である「お客様を大切にし、お客様と共に清く正しく美しく成長する」ことを実現させるべく、新たな生活様式に寄り添いながら持続可能で安定的な成長を続けていくため事業活動に取り組んでまいりました。また、商品の新たな販路の開拓や、商品企画力強化につなげるべく内部体制の強化にも注力いたしました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大による商談抑制等により商品企画の過程に影響が及び、新商品の開発・発売が想定よりも進まなかったことや、前期の巣籠り消費に関連していたと推測される需要の反動減、夏場にかけての天候不順による季節商品の売上不振が尾を引き売上高が減少したことに加え、在庫消化促進を目的とした値引き販売を拡大したことによる売上総利益率の低下があり、以上の結果、当事業年度における業績は売上高3,865,594千円、営業利益135,237千円、経常利益133,845千円、当期純利益89,865千円となりました。当社の事業セグメントは単一の事業セグメントでありますが、販売チャネルを区分した売上高の概況は次のとおりであります。

 

当社の事業セグメントは、「第5 経理の状況 1財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、実演販売関連事業の単一セグメントでありますが、販売チャネルを区分した売上高の概況は次のとおりであります。

 

a.TV通販

当販売チャネルには、TV通販番組にて販売するため、TV通販番組運営会社に対する商品の売上が含まれます。当事業年度の売上高は、クリーン系商品の掃除用クロス「パルスイクロス」や、クリーン系商品のボトルの中では液体なのに噴射した瞬間ジェルに変化するカビ取り剤「スパイダージェル」が売上を牽引しましたが、前期の巣籠り消費に関連していたと推測される需要の反動減と、新商品発売数の減少に伴いテレビ放送の採用商品数が減少したことにより、その結果、1,799,495千円となりました。

 

b.ベンダー販売

当販売チャネルには、量販店において店頭で販売するため、量販店に対する商品の売上が含まれます。当事業年度の売上高は、ビューティ&ヘルス系商品のゴムを使用したピーリングタオル「ゴムポンつるつる」、ビューティ&ヘルス系商品の濡らして振ると冷たくなるタオル「夢ゲンクールタオル」、インテリア系商品の軽量な晴雨兼用の折り畳み傘「Gゼロポケット傘」等の売上が好調に推移しましたが、夏場にかけての天候不順による季節商品の売上不振が尾を引き売上高が減少したことに加え、一部取引先店舗の営業時間短縮や来客数の減少等により、その結果、867,583千円となりました。

 

 

c.インターネット通販

当販売チャネルには、インターネット上のショッピングモールでの商品の売上が含まれます。当事業年度の売上高は、ビューティ&ヘルス系商品のゴムを使用したピーリングタオル「ゴムポンつるつる」、ビューティ&ヘルス系商品の滑車を使った骨盤ベルト「骨盤整隊カシャーン」、キッチン系商品のコーティング包丁「スーパーストーンバリア包丁」等の売上が好調に推移いたしましたが、夏場にかけての天候不順による季節商品の売上不振や前期の巣籠り消費に関連していたと推測される需要の反動減等により、その結果、988,576千円となりました。

 

d.セールスプロモーション

当販売チャネルには、企業等からのプロモーション活動や社内教育に関する依頼に基づいた実演販売士の派遣及び各種動画の制作・出演による売上が含まれます。当事業年度の売上高は、引き続き新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、前事業年度からイベント案件数の回復には至らないものの、動画制作案件の受注が増加したことにより、127,518千円となりました。

 

e.デモカウ

当販売チャネルには、当社が消費者へ直接商品を販売するための当社直営店舗「デモカウ」及びECサイト「デモカウ」の売上が含まれます。直営店舗においては、緊急事態宣言の再発出等に伴う営業時間短縮を実施し、1店舗当たりの来客数は新型コロナウイルスの感染拡大前と比較して低調に推移いたしました。またECサイトにおいては、継続して集客力強化に取り組んでいるものの、夏場にかけての天候不順による季節商品の売上不振や前期の巣籠り消費に関連していたと推測される需要の反動減等がありました。この状況のもと、ビューティ&ヘルス系商品の滑車を使った骨盤ベルト「骨盤整隊カシャーン」や、ビューティ&ヘルス系商品のゴムを使用したピーリングタオル「ゴムポンつるつる」などが売上を牽引しましたが、前述の理由等により、当事業年度の売上高は、82,303千円となりました。

 

f.その他

当販売チャネルには、社内販売制度に基づいた売上が含まれます。当事業年度の売上高は、117千円となりました。

 

② 財政状態の分析

当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べて128,599千円減少し、3,303,257千円となりました。流動資産は、前事業年度末に比べて111,510千円減少し、3,228,546千円となりました。主な要因は、商品在庫が増加したことにより棚卸資産が382,655千円増加した一方で、現金及び預金が523,481千円、売上高が減少したことにより売掛金が165,985千円減少したことによるものであります。固定資産は、前事業年度末に比べて17,088千円減少し、74,710千円となりました。主な要因は、無形固定資産が8,934千円減少したことによるものであります。

当事業年度末における負債総額は、前事業年度末に比べて218,809千円減少し、410,547千円となりました。流動負債は、前事業年度末に比べて221,224千円減少し、385,762千円となりました。主な要因は、未払法人税等が193,332千円、買掛金が154,568千円減少したことによるものであります。固定負債は、前事業年度末に比べて2,415千円増加し、24,784千円となりました。主な要因は、退職給付引当金が2,542千円増加したことによるものであります。

当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて90,210千円増加し、2,892,709千円となりました。主な要因は、当期純利益の計上により利益剰余金が89,865千円増加したことによるものであります。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ523,481千円減少し、1,094,274千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

当事業年度における営業活動による資金の減少は、672,048千円となりました。主な要因は、税引前当期純利益133,845千円、売上債権の減少137,750千円の計上があった一方で、棚卸資産の増加382,655千円、法人税等の支払額336,551千円、仕入債務の減少154,568千円があったことによるものであります。

当事業年度における投資活動による資金の減少は、8,444千円となりました。主な要因は、無形固定資産の取得による支出5,624千円、有形固定資産の取得による支出2,820千円があったことによるものであります。

当事業年度における財務活動による資金の増加は、157,011千円となりました。主な要因は、短期借入れによる収入210,000千円の計上があった一方で、短期借入金の返済による支出52,500千円があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社は生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

b.仕入実績

当社は実演販売関連事業の単一セグメントであり、当事業年度における仕入実績は以下のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

実演販売関連事業

2,884,371

合計

2,884,371

 

(注) 1.金額は仕入価格によっております。

2.上記金額には消費税等は含まれておりません。

3.決算期変更に伴い、当事業年度は2021年4月1日から2022年2月28日の11か月間となっております。そのため、前年同期比については記載しておりません。

 

c.受注実績

当社の事業は受注から販売までの期間が短く、販売実績と近似するため、記載を省略しております。

 

d.販売実績

当事業年度における販売実績については、単一セグメントのため販売チャネル別に記載しております。

販売チャネル

金額(千円)

前年同期比(%)

TV通販

1,799,495

ベンダー販売

867,583

インターネット通販

988,576

セールスプロモーション

127,518

デモカウ

82,303

その他

117

合計

3,865,594

 

(注) 1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

(自 2020年4月1日 

 至 2021年3月31日

当事業年度

(自 2021年4月1日 

 至 2022年2月28日

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

ジュピターショップチャンネル株式会社

732,785

10.9

555,553

14.4

アマゾンジャパン合同会社

705,314

10.4

418,238

10.8

楽天グループ株式会社

687,120

10.2

411,322

10.6

株式会社ロッピングライフ

919,571

13.6

397,131

10.3

株式会社DINOS CORPORATION

865,763

12.8

296,711

7.7

 

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.決算期変更に伴い、当事業年度は2021年4月1日から2022年2月28日の11か月間となっております。そのため、前年同期比については記載しておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

また、当事業年度は決算期変更に伴い、2021年4月1日から2022年2月28日の11か月間となっております。そのため前事業年度との比較は記載しておりません。

 

① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績

(売上高)

当事業年度の売上高は3,865,594千円となりました。新型コロナウイルスの感染拡大による商談抑制等により商品企画の過程に影響が及び、新商品の開発・発売が想定よりも進まなかったことや、前期における巣籠り消費に関連していたと推測される需要の反動減、夏場にかけての天候不順による季節商品の売上不振が尾を引き売上高が減少したことが影響し、販売チャネル別の売上高は、TV通販1,799,495千円、ベンダー販売867,583千円、インターネット通販988,576千円、セールスプロモーション127,518千円、デモカウ82,303千円となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

当事業年度の売上総利益は1,302,278千円となりました。会社全体の売上高に占めるTV通販の売上高の構成比が、前事業年度の53.5%から当事業年度の46.6%と低下いたしました。TV通販は販売量が多い反面、売上総利益率が低い傾向にあり、TV通販の構成比低下は会社全体の売上総利益率上昇につながることとなりますが、一方で当事業年度のベンダー販売において、一部商品の値引き販売を拡大したことが会社全体の売上総利益率低下につながり、その結果、売上総利益率は前事業年度の33.6%から当事業年度33.7%となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当事業年度の販売費及び一般管理費は1,167,040千円となりました。主な要因は、人件費が417,524千円、インターネット通販の売上高に連動する変動費である販売手数料235,883千円及び荷造運賃発送費213,023千円によるものであります。また、営業利益率は前事業年度の13.8%から当事業年度の3.5%と低下しており、当事業年度の営業利益は135,237千円となりました。

(営業外損益)

当事業年度の営業外収益は1,163千円、営業外費用は2,554千円となりました。主な要因は、営業外収益は新型コロナウイルス関連の助成金収入1,039千円があったことによるものであります。営業外費用は売掛債権譲渡損1,829千円が発生したことによるものであります。その結果、経常利益は133,845千円となりました。

(特別損益、当期純利益)

当事業年度の特別利益及び特別損失は発生しておりません。法人税、住民税及び事業税は40,130千円、法人税等調整額は3,849千円となり、その結果、当期純利益は89,865千円となりました。

 

b.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当社の当事業年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

なお、当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。

 

 

前事業年度

2021年3月期)

当事業年度

2022年2月期)

自己資本比率(%)

81.7

87.6

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.0

△23.4

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

20.0

△310.7

 

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い

なお、有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち、短期借入金及びリース債務を対象としております。また、利払いについてはキャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しております。

 

当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社の事業活動における運転資金需要の主なものは商品の仕入代金並びに一般管理費などがあります。また、設備資金需要としては社内システム投資などがあります。当社は事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。 

 

c.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、売上高、営業利益及び営業利益率を重要な経営指標として位置付けております。前事業年度は売上高6,750,241千円、営業利益934,425千円、営業利益率13.8%でありました。当事業年度の売上高と営業利益は上記のとおり前事業年度を下回る結果となり、営業利益率も当事業年度が3.5%と前事業年度を下回る結果となりました。今後も営業利益率の上昇に向けて売上原価の低減や費用削減に取り組み、営業利益の増加を目指してまいります。

 

 

d.経営成績に重要な影響を与える要因

引き続き新型コロナウイルス感染拡大の影響が懸念され、依然として今後の景気の動向を見通すことが困難な状況が続くものと予想しております。特に当社においてマイナスの影響を受ける販売チャネルであるベンダー販売、デモカウ及びセールスプロモーションにおけるイベント案件等につきましては、顧客の生活様式や購買行動の変化も加わり短期的な回復は見込めないものと考えております。

なお、詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

財務諸表の作成に当たっては用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

a.棚卸資産

当社は、棚卸資産について陳腐化の測定を行っております。棚卸資産の評価基準は収益性の低下による簿価切下げの方法によっておりますが、将来正味売却可能価額がさらに低下した場合又は陳腐化資産が増加した場合には、追加の評価減が必要となる場合があります。

 

b.繰延税金資産

当社は、財務諸表と税務上の資産・負債との間に生じる一時的な差異に係る税効果については、一定期間内における回収可能性に基づき貸借対照表上に繰延税金資産を計上しております。当社の将来的な業績予想を検討して十分回収可能性があると考えておりますが、状況によっては繰延税金資産の全額又は一部を取崩す必要が生じる場合があります。

 

c.固定資産の減損

当社は、固定資産の減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討を行っておりますが、事業計画や経営環境等の前提条件の変化により投資額の回収が見込めなくなった場合には、固定資産の減損処理が必要となり、当社の業績を悪化させる可能性があります。

 

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