研究開発活動

 

5 【研究開発活動】

医師でもあった創業者の医療現場視点に立った製品開発ポリシーを継承し、患者さんはもとより、医療従事者の方々の立場に立った研究開発活動を進めております。活動領域は現事業領域である輸液・栄養、透析、外科治療、血液・細胞の4つの領域に加え、将来を見据えた再生医療や、IoT、AI等を生かした先端技術研究等についても実施しております。

 

区分

分野

輸液・栄養領域

輸液、経腸栄養、摂食嚥下 等

透析領域

透析(血液透析、腹膜透析) 等

外科治療領域

人工心肺、カテーテル、急性血液浄化 等

血液・細胞領域

血液・細胞分離、細胞関連デバイス(培養、搬送) 等

その他

組織再生、生分解性材料、IoT・AI技術 等

 

 

当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は1,531百万円であります。

 

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

 

(1) 日本

当連結会計年度における研究開発費は1,531百万円であります。

 

① 輸液・栄養領域
輸液領域では、医療従事者および患者様の視点に立ったユーザビリティーと安全性を追求したトータルシステムの拡充を目指し、オリジナリティーの高い製品開発に努めました。特に医療従事者に害のある薬剤調製を安全かつ簡便に進める薬剤調製・投与クローズドシステム「ネオシールド」のシステム拡充を図ると共に、輸液投与時の接続部のはずれ、緩みを防止する新機構を備えた輸液セット「PNロックUD」の提供を開始しました。

また、栄養領域では口腔機能低下症の概念を高齢化の進む欧州でも展開・普及させるべく「JMS舌圧測定器」の欧州医療機器規制(EU-MDR)の認証取得を完了しました。

 

② 透析領域

透析領域では、血液透析と腹膜透析双方を有する国内で唯一の企業としての経験を生かし、医療従事者の方の視点に立ち効率的な業務遂行をサポートすべく透析情報システム「エルゴトライ」のカルテ連携機能の拡充に努めております。また、中国における「セントラル方式」の血液透析システム普及のリーディングカンパニーとして、現地事情に対応したシステム拡充にも努めました。

 

③ 外科治療領域

外科治療領域では、人工心肺製品のラインナップ拡充に引き続き努め、より医療従事者の方の視点に立ち、優れた操作性を実現した人工心肺用貯血槽の新モデルの提供を開始したほか、当社の強みである人工心肺回路の構成部品の充実化を図り、医療機関の要望に応じた利便性の向上に努めました。また、当連結会計年度より急性血液浄化事業への本格参入を進め、当社が持つ血液浄化領域と循環器領域双方の特長を生かした集中治療における術後管理の充実化を図る製品開発に努めております。

 

④ 血液・細胞領域

血液・細胞領域では、信頼性、操作性に優れた採血、分離バッグシステムの開発を進めているほか、本技術を応用展開し、近年着目される細胞再生領域に不可欠な細胞保存、分離、培養等の各フェーズのニーズを掴んだ製品開発に注力しております。細胞凍結保存容器「セルキュア」シリーズは、そのコンセプト、機能性デザインが高く評価され、2021年度グッドデザイン賞ベスト100選に選出されました。

 

⑤ その他

コロナ禍、高齢化、過疎化等の近年の医療を取り巻く環境変化に対応すべく、バイオデザイン等の最新手法を積極的に取り入れ、時代に即応した医療ソリューション、デバイスの提供に努めております。また、産学官連携活動を積極的に推進し、異業種の最先端技術の連携活用にも注力しております。更に、高度先端医療デバイスの研究開発活動にも注力しており、小口径人工血管の実用化に向けた取り組みにも参画しております。

 

(2) 日本以外

シンガポール、中国、フィリピン、ドイツ、その他のセグメントについては、既存製品の改良等に取り組んでおります。

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