業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。変更の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載しております。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度における経済情勢は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けるなか新たな変異株の発生や、半導体をはじめとする部材供給の逼迫や物流の遅延などがありましたが、各国でのワクチン接種の浸透や経済政策が功を奏したことなどにより全般に景気は回復傾向にありました。アジアにおいては中国の景気は総じて堅調に推移し、米国や欧州においても感染症再拡大の影響が懸念されたものの着実に景気の回復が進みました。また、わが国においても一部で弱さがみられたものの景気の回復は続きました。

当社グループの主要関連市場におきましては、主力の工作機械の需要は世界経済の回復に伴い国内、海外ともに急激に増加し、小型プリンターの需要も米国市場を中心に好調に推移しました。

このような状況のなか、当連結会計年度の売上高は、主に工作機械の販売が大幅に増加したことから643億6千万円(前期比40.9%増)となりました。利益につきましては、売上の大幅な増加などにより営業利益は74億1千5百万円(同241.3%増)、経常利益は77億9千5百万円(同181.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は57億4千万円(同231.5%増)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

(特機事業)

小型プリンターでは、部材供給の逼迫や物流の遅延による影響を受けるなか、米国市場は市況の回復に伴いmPOSやフードデリバリー向けの販売が好調に推移したことなどにより売上は大きく増加しました。欧州市場は大口案件を中心に販売は好調に推移し、また、国内市場はmPOS向けの需要が好調に推移したことから売上は大幅に増加しました。

以上の結果、当事業の売上高は155億6千9百万円(前期比32.8%増)、営業利益は22億8千2百万円(同47.7%増)と大幅な増収増益となりました。

 

(工作機械事業)

CNC自動旋盤では、米国市場では物流の遅延による影響を受けたものの、経済全体の回復から幅広い業種で好調に推移し、売上は大幅に増加しました。欧州市場では自動車関連を中心に販売は回復し、売上は大きく増加しました。アジア市場では中国における通信関連の好調な販売を維持したことに加え、自動車関連や医療関連などで販売は回復し、売上は大幅に増加しました。国内市場では主力の自動車関連などで販売は好調となり、売上は大きく増加しました。

以上の結果、当事業の売上高は487億9千万円(前期比43.7%増)、営業利益は68億5千7百万円(同154.2%増)と大幅な増収増益となりました。

 

②財政状態の状況

当期末の資産は、有価証券などが減少したものの、現金及び預金や売上債権、たな卸資産が増加したことなどにより、前期末に比べ107億3千8百万円増加の823億6千万円となりました。負債は、仕入債務などが増加したものの、新株予約権付社債の減少などにより、前期末に比べ11億6千7百万円減少の206億3千2百万円となりました。純資産は、新株予約権付社債の転換による自己株式の減少や利益剰余金の増加などにより、前期末に比べ119億6百万円増加の617億2千8百万円となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当期末の現金及び現金同等物の残高は、営業活動では96億円の収入、投資活動では7億4千万円の収入の一方、財務活動では75億5千8百万円の支出となり、これらに現金及び現金同等物に係る換算差額を加え、前期末に比べ41億6千9百万円増加の271億9千9百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動では、売上債権の増加やたな卸資産の増加などがあったものの、税金等調整前当期純利益や仕入債務の増加などにより、96億円の収入(前期は68億4千2百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動では、有形固定資産の取得による支出があったものの、短期投資の純増減額による収入や有価証券の売却による収入などにより、7億4千万円の収入(前期は12億5千2百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動では、短期借入金の純増減額による支出や自己株式の取得による支出、配当金の支払いなどにより、75億5千8百万円の支出(前期は21億3千6百万円の支出)となりました。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

特機事業

15,912,439

65.3

工作機械事業

50,475,178

72.6

合計

66,387,617

70.8

(注)1  金額は消費税等抜販売価格で算定しております。

2  工作機械事業には、自社の固定資産となるものが37,157千円含まれております。

b.受注実績

当社グループは見込生産を主体としているため受注実績の記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

特機事業

15,569,772

32.8

工作機械事業

48,790,307

43.7

合計

64,360,079

40.9

(注)1  上記の金額には消費税等は含まれておりません。

2  主要な販売先については、総販売実績の100分の10を占める販売先がないため記載を省略しております。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、重要な会計方針に基づき見積りおよび判断を行っており、実際の結果は、見積りによる不確実性のために異なる可能性があります。重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等

当連結会計年度における売上高は、186億8千9百万円増加の643億6千万円(前期比40.9%増)となりました。これは主に世界経済の回復に伴う需要の急激な増加により、工作機械事業の売上が大幅に増加したことによるものであります。また、営業利益は52億4千2百万円増加の74億1千5百万円(同241.3%増)となり、売上高営業利益率は前期に比べ6.7ポイント上昇し11.5%となりました。

セグメント別の売上高及び営業利益については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。

営業外損益は、2億1千9百万円減少の3億7千9百万円の利益となりました。これは主に為替差損益が当期は損失に転じたことなどによるものであります。

特別損益は、5千3百万円増加の1億6千8百万円の利益となりました。これは主に関係会社清算益を1億6千4百万円計上したことなどによるものであります。

以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は、40億8百万円増加の57億4千万円(同231.5%増)となりました。

 

③資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料および部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資であります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

運転資金や設備投資資金につきましては、自己資金による充当を基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの借入や社債の発行による調達を実施し、十分な手元流動性を確保しております。

また、経営資源配分の考え方につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は10億4千9百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は271億9千9百万円となっております。

 

④経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、中期経営計画については、新型コロナウイルス感染症拡大により合理的な算定が困難なため中期予想が見通せる段階まで公表を延期しておりましたが、このたび「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 ②対処すべき課題」に記載のとおり、第1次中期経営計画を策定し2022年12月期から2024年12月期までの期間における累計値として営業キャッシュ・フロー200億円~250億円、2022年12月期から2024年12月期までの期間における平均値として1人あたり営業利益/年(連結)600万円、ROE10.0%以上、売上高研究開発費率5.0%、1人あたり教育研修費用/年(単体)50,000円を目標としております。

引き続き積極的に事業と経営の改革を続け、企業価値の向上に向けてグループ一丸となって努力してまいります。

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