課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、経営理念である「クライアントファースト」を追求するために、光学視点のモノづくりで技術革新を起こし、より幸福な社会を実現することをミッションに掲げております。クライアント及び社会のニーズに応える製品やサービスを実現し、IoT関連製品・サービスの提供、環境問題解決への貢献、インダストリー4.0の実現及び持続的発展社会の実現に努めてまいります。

 また、これらの技術革新を牽引できる人材の育成も、企業の継続的な成長には欠かせない要素であると考えております。若いエンジニアを中心に、アート思考、チャレンジ精神、柔軟性から生まれる「革新」と、誠実さ、スピード、楽しさに裏打ちされた「確信」を通して、より高い技術レベルと共にクライアントのニーズに応えられる企業グループを目指してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、投資家視点を重視した企業価値向上の観点から、株主資本利益率(ROE)から株主資本コストを控除したエクイティスプレッド(ES)の向上を目標としております。また、株主資本利益率(ROE)の向上と投資家との積極的な対話に努め、株主資本コストの低減に努めております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループでは中期事業計画を策定しており、今後のより安定的な成長と利益確保を続けるために、当社の強みである光技術をコアとした事業展開を行っております。

 IoT関連事業セグメントにおいては、新規顧客の開拓や、より高度な技術が求められる自動運転市場向けイメージセンサの検査用光源装置の技術開発への取り組みを強化いたします。これにより市場における優位性を向上させるとともに、AI(人工知能)を活用した自動運転システムの実現にも貢献してまいります。

 環境エネルギー事業セグメントにおいては、子会社の株式会社エア・ガシズ・テクノスが持つ印刷機業界でのノウハウを活かし、既存製品の性能向上及び新しい製品ラインアップの拡充に取り組んでまいります。

 インダストリー4.0推進事業セグメントにおいては、主に子会社の明立精機株式会社及び株式会社東京テクニカルがそれぞれの事業領域において技術開発を積極的に行うことで、シェア拡大を目指してまいります。さらに、この他にFA画像処理分野及びレーザー加工機分野の2つの新規分野への挑戦を行っており、中長期的な成長ドライバーとなるよう積極的に事業を推進しております。

 なお、各事業セグメントにおける事業環境や事業の内容につきましては「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 また、中長期的な新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 1)経営成績」に記載のとおりであります。

 

(4)経営環境及び優先的に対処すべき課題

 当連結会計年度における世界経済について、新型コロナウイルス感染症においては、ワクチンの接種が進んだこと等により徐々に経済活動が再開しているものの、中国ではロックダウンが発生する等、完全な回復には至っておりません。

 さらに、サプライチェーンの混乱による部材不足やロシア・ウクライナ情勢等の悪化により、事業環境及び世界経済が不安定な状況は今後も継続すると認識しております。また、詳細な事業環境については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 このような状況のもと、当社グループでは、中長期的に成長し続けていくために、部材不足等への対応や、不透明な社会情勢の緩和を見据えた研究開発及び技術革新による新規事業の創出に努め、以下の課題に優先的に取り組んでまいります。

①技術開発体制の強化

 当社グループが属している市場は、技術的最先端市場であります。当社グループが今後も競争優位を発揮し、高収益性を維持するためには、時代の先を行く、技術開発体制構築が不可欠であります。また技術開発には粘り強い実験が不可欠であり、課題に対する答えを自分で探すことができる人材採用を重要視しております。

②クライアントニーズへの迅速な対応

 当社グループでは、製品技術力だけでなく、創業以来のモットーである「クライアントファースト」を合言葉としたきめ細かな対応サポートも競争力維持には不可欠であると認識しております。グループ従業員に対しては、常日頃「クライアントファースト」を徹底するよう指導し、お客様の心のヒダをつかむ事業展開を行ってまいります。

③原価低減と生産効率の向上

 製造メーカーにとって高品質を維持しながらの原価低減並びに生産の効率化は永遠のテーマであります。当社グループでは、この課題に取り組むため、より一層の生産性の向上及び製造体制の構築に努めてまいります。

④サプライチェーンの混乱による部材不足等への対策

 製造業において問題となっている部材不足について、当社グループでは先行手配を実施することで部材の確保及び大幅な原価の高騰等を抑えております。当社グループの製品において納期遅延が発生しないよう、引き続き製品を安定して供給可能な体制の維持に注力してまいります。

 

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