当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ445百万円減少し、21,685百万円となりました。流動資産は前連結会計年度末に比べ318百万円減少し、10,746百万円となりました。これは主に、棚卸資産が423百万円増加しましたが、現金及び預金が322百万円、契約資産が153百万円(前連結会計年度末の流動資産の「その他」に契約資産162百万円が含まれております。)、未収入金が207百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定資産は前連結会計年度末に比べ126百万円減少し、10,939百万円となりました。これは主に、機械装置及び運搬具が367百万円増加しましたが、建設仮勘定が408百万円、のれんが60百万円、ソフトウェアが48百万円それぞれ減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ875百万円減少し、8,171百万円となりました。流動負債は前連結会計年度末に比べ1,072百万円減少し、3,776百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が82百万円、未払法人税等が168百万円、賞与引当金が101百万円、契約負債が102百万円(前連結会計年度末の流動負債の「その他」に契約負債4百万円、前受金51百万円が含まれております。)それぞれ増加しましたが、短期借入金が1,460百万円、修繕引当金が95百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債は197百万円増加し、4,395百万円となりました。これは主に、長期借入金が168百万円、退職給付に係る負債が69百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ430百万円増加し、13,514百万円となりました。これは主に、利益剰余金が151百万円、為替換算調整勘定が220百万円それぞれ増加したことによるものであります。
システム部門とサービス部門は微増だったものの、センサ部門が大きく前連結会計年度を上回ったことにより、全体の受注高は13,028百万円(前連結会計年度比22.5%増)となりました。
受注高と同様にシステム部門とサービス部門は微増だったものの、センサ部門が大きく前連結会計年度を上回ったことにより、全体の売上高は11,144百万円(同7.8%増)となりました。
売上高の増加に伴い、固定費(人件費、生産設備維持費など)の比率が下がったことにより、売上原価率が63.3%と前連結会計年度と比較し1.6ポイント改善しました。その結果、当連結会計年度の売上総利益は、4,084百万円(同12.6%増)と前連結会計年度を大きく上回りました。
売上総利益と同様に売上高の増加に伴い固定費(人件費など)の比率が下がったことにより、売上高に対する販売費及び一般管理費比率は34.2%と前連結会計年度と比較し2.0ポイント改善し、販売費及び一般管理費は3,807百万円(同1.9%増)と前連結会計年度より微増で抑えられました。
売上高の増加による売上総利益の増加により、当連結会計年度の営業利益は276百万円(前連結会計年度は営業損失110百万円)となりました。
当連結会計年度の営業外収益は248百万円(前連結会計年度は271百万円)であり、主な内容は本社ビルなどの受取賃貸料77百万円と雇用調整助成金などの助成金収入69百万円であります。営業外費用は56百万円(前連結会計年度は120百万円)であり、主な内容は賃貸収入原価33百万円であります。その結果、経常利益は469百万円(前連結会計年度は経常利益41百万円)となりました。
当連結会計年度の特別利益は84百万円(前連結会計年度は134百万円)であり、主な内容は子会社の保険事業の譲渡益40百万円、中国子会社の土地使用権の売却益32百万円であります。特別損失は45百万円(前連結会計年度は23百万円)であり、主な内容は検査設備などの固定資産除却損44百万円であります。
税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ356百万円増加(前連結会計年度比232.4%増)し、509百万円となりました。また、税効果会計適用後の法人税等負担額は前連結会計年度に比べ107百万円増加(同96.4%増)し、219百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ8百万円減少(同70.4%減)し、3百万円となりました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ257百万円増加(同888.4%増)し、286百万円となりました。
事業部門別の業績は以下のとおりであります。
受注高は、国内は石油関連業界向けが低迷しておりますが、半導体関連業界向けが2023年3月期出荷分を受注するなど高水準で推移したこと、素材関連業界の中でも特に化学関連業界向けが継続的に堅調だったこと、また、海外においては中国、韓国向けが電気自動車用をはじめとする電池関連業界向けを中心に需要が伸長したことなどにより8,955百万円(前連結会計年度比32.4%増)と前連結会計年度を大きく上回りました。
売上高は、国内は電力関連業界向けに天然ガス計測の大口案件を出荷したこと、受注が好調な半導体関連業界向けが順調に推移したこと、受注高同様に国内の化学関連業界向けが堅調だったこと、また、海外は電池関連業界向けが伸長したことなどにより7,510百万円(同17.3%増)と受注高同様に前連結会計年度を上回りました。
国内システム案件は、受注高、売上高共に官公庁向けが大きく伸長しており、石油関連業界向けも前連結会計年度を上回ったものの、海外システム案件は、東南アジア地域において新型コロナウイルス感染症の変異株の感染拡大に伴う行動制限などによる経済活動停滞の影響を大きく受け、低迷しております。その結果、受注高は1,670百万円(同5.1%増)と前連結会計年度を若干上回りましたが、売上高は国内向けの受注案件の多くが2023年3月期納期であることより、1,270百万円(同21.8%減)と前連結会計年度を下回りました。
主要顧客の石油関連業界は、業界再編、脱炭素社会に向けたエネルギーの置換などにより市場環境は厳しい状況が継続しておりますが、設備投資が既存設備の更新から修繕に移行する機運もあるなかで、保全計画サポートサービスなど地道できめの細かいメンテナンス活動に注力してまいりました。また、JCSS(計量法校正事業者登録制度)校正事業、他社製流量計の校正やメンテナンスの拡販を展開し、収益の純増に取り組んでまいりました。その結果、受注高は2,403百万円(同5.3%増)、売上高は2,363百万円(同2.2%増)と前連結会計年度を若干上回りました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ289百万円減少し、3,190百万円となりました。
営業活動の結果、得られた資金は1,227百万円(前連結会計年度は824百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益509百万円、減価償却費547百万円、売上債権及び契約資産の減少額220百万円により資金が増加したためであります。
投資活動の結果、支出した資金は113百万円(前連結会計年度は981百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入259百万円、定期預金の払戻による収入253百万円により資金が増加した一方で、有形固定資産の取得による支出429百万円、定期預金の預入による支出210百万円により資金が減少したためであります。
財務活動の結果、支出した資金は1,527百万円(前連結会計年度は1,273百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入800百万円により資金が増加した一方で、短期借入金の純減少額1,639百万円、長期借入金の返済による支出502百万円、配当金の支払額134百万円により資金が減少したためであります。
当連結会計年度における生産実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注状況を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略
しております。
経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものです。
当企業グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク 」に記載のとおりであります。
当連結会計年度末において、2,491百万円の有利子負債残高があります。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,190百万円であり、新商品の開発に向けた研究開発費や今後の新規事業への展開、さらに生産効率向上を目的とした製造設備等への投資に充当してまいります。
なお、当社は、資金確保を目的として、金融機関との間で当座貸越契約2,270百万円の契約を締結しております。
当企業グループは、2018年5月に策定し、2021年2月に2022年3月期まで1年間延長することを公表しました中期経営計画「ADVANCE 2.0‐2021」において売上高14,000百万円、営業利益率7.0%、ROE4.0%を目指すべき経営指標としておりました。
当企業グループは石油関連領域を主要な取引先としておりますが、石油関連市場における開発投資は脱炭素社会が推進される中で縮小しており、収益基盤の多様化を課題として捉え取り組んでまいりました。当連結会計年度では、センサ部門において、国内はテレワーク、オンライン学習などのコロナ禍需要により市場が活況な半導体関連業界向けが高水準で推移したこと、海外は中国、韓国向けが電気自動車用をはじめとする電池関連業界向けを中心に需要が伸長したことにより受注が好調で、売上につきましても順調に推移しましたが、石油関連市場向けの低迷を補うまでには至りませんでした。また、システム部門についても東南アジア区域における新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の停滞の影響を大きく受け、受注、売上ともに低迷した結果、当連結会計年度の全体の売上高は目標値を下回る結果となりました。また、営業利益につきましては、経営基盤強化の基本方針の「収益性向上」を目指し、高付加価値製品に重点を置き、人員やコストを効率的に投下するなどの施策を実行してまいりました。しかしながら、当連結会計年度では、売上高の低迷の影響が大きく、営業利益の目標値までの確保には至りませんでした。
2023年3月期は、2022年3月15日に公表した2023年3月期を初年度とする中期経営計画「Imagination 2025」において策定した各戦略をグループ一丸となって着実に実行するとともに、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 」で課題といたしました事項にも取り組み、当企業グループの持続的な成長を目指し、事業活動を通して社会に貢献することにより、企業価値の向上に努めてまいります。
当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響をおよぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」をご参照ください。
イ 棚卸資産の評価
商品及び製品ならびに仕掛品は、取得原価で評価しておりますが、正味売却価額が取得原価より低下しているときには、取得原価を正味売却価額まで切り下げております。正味売却価額の見積りには、将来の追加製造原価および販売直接経費の予測が必要となりますが、その見積りには不確実性を伴い、実際の結果が見積りと異なる場合には、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
繰延税金資産の計上にあたっては、将来の税金負担額を軽減する効果を有するか回収可能性を判断しております。この判断については、主に収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を満たしているかどうかにより判断しております。この判断において、当社および一部の子会社の事業計画を利用する場合がありますが、実績は、将来の不確実な経済条件の変動によって計画と異なる場合があります。その場合、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当企業グループは、国内および海外で実施した投資活動や事業買収の結果、有形固定資産、無形固定資産(含むのれん)を連結貸借対照表に資産として計上しております。
これらの投資を行う際には、投資の経済性、超過収益力、成長性、シナジー効果、リスク等を見積り、投資の合理性を評価しております。
しかし、経営環境や競合状況の変化等により予想通りの成果が得られないと判断される場合には、当該資産の将来の回収可能額を見積り、当該資産について減損損失を計上する可能性があります。
その場合は、当企業グループの経営成績および財政状態に悪影響をおよぼす可能性があります。
減損損失を認識するかどうかの判定および使用価値の算定には、将来キャッシュ・フローの見積りが、正味売却価額の算定には、資産または資産グループの時価および処分費用見込額の見積りを行う必要があります。
当該見積りについて、将来の不確実な経済状況の変動等により見直しが必要となる場合、追加の減損損失が発生する可能性があります。また、将来における実績値に基づく結果が、これらの見積りとは異なる可能性があります。
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