文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは「患者のためになり、医師の役に立つ製品の開発・生産・提供を通して世界の人々の幸福に貢献する」ことを理念に、専門的医療機器を開発から販売まで一貫して手掛け、広く世界に提供しております。更に「順法精神と独創技術を持ち将来利益を確保する」を経営基本方針に掲げて、将来利益の最大化に努めております。
(2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
高齢化の進展及び医療技術の高度化は医療費の急増をもたらすことから、先進各国では医療費抑制政策が次々と打ち出されております。これらの医療制度改革に対応すべく、経営の効率化、経費削減やデジタル化が推し進められ、医療機関のコスト意識はより一層高まっております。また、原材料・エネルギー価格の高騰に加え、主要先進国での急激な利上げの加速等、今後も先行き不透明な状況が続くものと見込まれます。その一方で、新型コロナ感染症のワクチン接種率の増加に伴い社会経済活動の正常化が見込まれており、感染症予防意識の高まりによる市場の活性化、さらには新興市場においては、医療インフラの整備及び所得向上による需要の拡大も予想されます。
このような環境におきまして、当社グループは「世界一の品質」を経営の中核に据え、「真のグローバル企業」への変革を進めてまいります。
営業・販売面については、よりグローバルな視点でのマーケティング活動を強化することによって「地域密着型営業」を展開し、①新興市場の一人当たりGDP増加、症例数増加に伴う医療用消耗品需要の捕捉、ならびに②先進市場における新たなニーズをタイムリーに捕捉し、製品化に繋げるグローバルマーケティングを実現してまいります。新興市場の当面のターゲットは、中国、インド、ASEANといったアジアの成長著しい巨大市場ですが、東南アジアに新たな販売拠点の設立等を通じて、地域に根差したマーケティング活動を推進することで現地ユーザーニーズの把握及び販売網の拡大に努めてまいります。
先進市場向けの売上拡大については、新製品の開発・投入により実現してまいります。開発テーマの選定については「選択と集中」の方針をより鮮明化し、新たな独創技術の獲得、コア技術の深化及び上市スピードの向上を図ります。また、開発マーケティング及び営業部門との連携を強化することで日本のみならず海外の医師の声を取り入れるグローバルな新製品開発体制を構築してまいります。
生産面については、特にベトナム生産拠点であるMANI HANOI CO.,LTD.において、生産設備の自動化・省人化を進めることで生産効率を改善し、原価低減を図っていくとともに、AIの導入・スマートファクトリー構想を進めることで「世界一の品質」を揺るぎないものとする生産体制構築をしてまいります。また、ドイツ子会社では新本社・工場の建設を進め、歯科用修復材の生産キャパを拡大することで、将来の受注増に対応してまいります。さらに、医療機器メーカーとしての供給責任を果たすために、BCP対策を促進することで安定的な製品供給体制を構築してまいります。
これらの活動を通じて、「良い製品」による「良い治療」を世界中の医療現場に普及させることで、世界の医療の質向上に貢献し、企業理念である「患者のためになり、医師の役に立つ製品の開発・生産・提供を通して世界の人々の幸福に貢献する」を実現してまいります。さらに持続的な成長と持続可能な社会の実現の両立を目指すべく、中期経営計画に掲げた「マニーサステナビリティ」を着実に推進してまいります。
一方、今後の持続可能な成長を実現するために十分な体制を維持強化すべく企業競争力の源泉となる人材への投資を増やしていき高度な専門知識や経験を有する人材を育成すると同時に、多様性の容認と働きがいのある職場環境の醸成を推進してまいります。さらに、海外でのオペレーションの拡大に伴い、海外拠点におけるガバナンスや内部統制の強化、ひいてはグループ内のコミュニケーションの活性化を通じたグループ全体としての企業理念、ビジョンの共有・浸透も優先的な課題として認識し、積極的に取組んでまいる所存です。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
企業価値を増大するために、営業利益伸び率を重要な経営指標と考えております。また、効率経営の指標として、売上高営業利益率、自己資本当期純利益率につきましても重要視しております。
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