業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の概況)

(1) 業績

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、「本感染症」といいます。)の影響により引き続き厳しい状態が継続しており、先進国を中心とした各種の経済施策や、新型コロナワクチンの接種普及などにより若干の回復基調を期待はするものの、依然不透明な状況からは脱しきれずの状況が続いております。この様な中、当社グループは自主開発事業においては、市場ニーズを捉えた監視カメラのデジタル対応製品の販売が好調に推移したことに加え、ステイホームにより増加した写真愛好家の需要増を取り込むことで露出計販売も伸張し、前連結会計年度を上回る売上高を確保することが出来ております。しかしながら、受託生産事業においては、本感染症の拡大影響のほか、米中の貿易摩擦の長期化などの影響を受けた事務機器の受託生産販売が振るわずで、大きく販売を落とし当初見込みを下回るなど、中国受託事業の不振に足をすくわれる形で、当社グループの連結売上高は、5,864百万円(前期比8.1%減少)と前年より減収との結果となりました。

一方、損益面では、監視カメラの採算性向上や採算性の良い露出計の販売が増加したことに加え、固定費全体の見直しや削減取り組みの成果などで営業損益が改善し、営業利益は113百万円(前期は97百万円の営業損失)となりました。経常損益は、海外子会社における外貨建債務の評価替えに係る為替差益11百万円の計上、並びに国内子会社において本感染症拡大の影響などによる受注減を受け実施した一部従業員の休業施策に伴う雇用調整助成金20百万円の計上などにより、146百万円の経常利益(前期は137百万円の経常損失)を確保しております。また、親会社株主に帰属する当期純損益は、125百万円の純利益(前期は80百万円の純損失)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

(自主開発)

露出計、カラーメーター、光学式マーク読取装置(OMR)、記録計、温湿度記録計、粘度計、無機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)及び監視カメラ等の自主開発については、BtoB商材にあたるカラーメーター、計測機器及び粘度計が新型コロナウイルス感染症の影響を受け販売減となったものの、監視カメラのデジタル対応製品の受注増並びにステイホームにより増加した写真愛好家の需要増を取り込むことで露出計販売が伸長し、売上高は2,680百万円(前期比6.8%増加)となり、セグメント損益は3百万円の損失に止まったものの、監視カメラの採算性向上及び前期実施した棚卸資産の処分損解消などにより、前期に比べ114百万の良化(前期は118百万円のセグメント損失)となりました。

 

(受託生産)

複写機オプション・ユニット、プロッタ、表示パネル、各種電子機器の基板実装及び束線加工等、取引先からの生産委託を受けて組立及び実装・加工などを行う受託生産については、主に、新型コロナウイルス感染症などの影響を受けての市況低迷で最終顧客における予算凍結などが多発し、事務機器受託を中心に減収傾向が続いており、売上高は2,889百万円(前期比18.5%減少)となりましたが、利益面では、固定費見直し削減及び前期実施の棚卸資産の処分損解消などを進めたことにより、セグメント損益は8百万円の損失に止まったものの、前期に比べ95百万円の良化(前期は103百万円のセグメント損失)となりました。

 

(不動産賃貸)

当事業は、商業施設及び工場建物の賃貸により、売上高は293百万円(前期比1.3%増加)となり、セグメント利益は231百万円(前期は231百万円のセグメント利益)となりました。

 

 

資産、負債及び純資産の状況を示すと、次のとおりであります。

 

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べて4.7%減少し、4,254百万円となりました。これは主として商品及び製品、原材料及び貯蔵品が減少したことによるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて19.9%増加し、2,764百万円となりました。これは主として新倉庫建設による建物及び構築物が増加したことによるものです。

この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて3.7%増加し、7,018百万円となりました。

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べて10.2%減少し、1,074百万円となりました。これは主として短期借入金の返済によるものです。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて8.2%増加し、398百万円となりました。これは主として繰延税金負債の増加によるものです。

この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて5.9%減少し、1,472百万円となりました。

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて6.6%増加し、5,545百万円となりました。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末の76.7%から78.8%になりました。これは主としてその他有価証券評価差額金の増加によるものです。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、607百万円となりました。これは主に、棚卸資産の減少483百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、297百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出325百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、199百万円となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出114百万
円によるものです。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

自主開発

2,193

97.0

受託生産

2,735

80.3

合計

4,929

87.0

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 金額は販売価格によります。

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当社グループは、長期契約等による受注はなく、自主開発による製品の生産は需要予測に基づく見込生産、生産受託による製品の生産は得意先の生産計画を考慮した見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

自主開発

2,680

106.8

受託生産

2,889

81.5

不動産賃貸

293

101.3

合計

5,864

91.9

 

(注) 1 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

KONICA MINOLTA BUSINESS TECHNOLOGIES MANUFACTURING(HK)LTD.

743

11.7

セイコーインスツル株式会社

642

10.1

 

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3 当連結会計年度については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため、記載を省略しております。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況の分析・検討内容)

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準、及び「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づいて作成しております。

連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債の連結貸借対照表計上金額並びに当連結会計年度における収益・費用の連結損益計算書計上金額に影響する判断、見積りを実施する必要があります。

当社グループの重要な会計方針は、第5「経理の状況」の1「連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

1.繰延税金資産

当社グループにおいては、当連結会計年度末における繰延税金資産の回収可能性の判断にあたって、将来の課税所得の見積りに新型コロナウィルス感染症の拡大による影響を反映しており、その影響が当社グループを取り巻く環境にも及ぶ可能性があるとの仮定を置き、将来の課税所得にマイナスの影響を与えるものとして見積りを行っております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 財政状態についての分析

当社は適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保および健全なバランスシートの維持を財務方針としています。

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)比250百万円増加して、7,018百万円となりました。流動資産は前期末比207百万円減少の4,254百万円、固定資産は前期末比458百万円増加の2,764百万円となりました。

流動資産の減少の主な要因は、現金及び預金が前期末比218百万円増加したものの、商品及び製品が前期末比201百万円減少並びに原材料及び貯蔵品が212百万円減少したことによるものであります。

固定資産の増加の主な要因は、有形固定資産が前期末比262百万円増加したこと並びに投資有価証券が198百万円増加したことによるものであります。

当連結会計年度末の総負債は、前期末比91百万円減少の1,472百万円となりました。流動負債は前期末比121百万円減少の1,074百万円、固定負債は前期末比30百万円増加の398百万円となりました。

流動負債の減少の主な要因は、短期借入金が前期末比117百万円減少したことによるものであります。

固定負債の増加の主な要因は、繰延税金負債が前期末比79百万円増加したことによるものであります。

当連結会計年度末の純資産は、前期末比342百万円増加の5,545百万円となりました。

なお、自己資本比率は、前期末の76.7%から78.8%となり、1株当たり純資産額は、前期末の3,108.66円から3,312.04円となりました。

また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う資産・負債への影響については、当連結会計年度末時点において、繰延税金資産に一定の影響がありましたが、今後当社グループの販売先企業やエンドユーザへの影響度合い及び当該感染症の収束の時期によっては、当社グループ全体の財政状態に更なる影響を及ぼす可能性があります。

 

 

② キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析」を御参照下さい。

 

(資本の財源及び資金の流動性について)

当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、製品製造にかかる原材料等の仕入、事業戦略に基づく新製品の開発費等があります。

また、設備投資資金需要の主なものとしては、金型を含めた生産設備等の取得費用を予定しております。

当社グループの資金運営は、事業活動にかかる運転資金については主として営業キャッシュ・フローで獲得した資金及び自己資金を財源としておりますが、必要に応じて金融機関の当座貸越枠なども利用することによって、流動性の確保に努めるとともに、現預金保有残高も高水準を維持しており、安定的な事業活動を行うことが可能となっております。

なお、当連結会計年度末における金融機関からの借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は、273百万円となっております。

また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うキャッシュ・フローへの影響については、当連結会計年度末時点では軽微でありますが、今後当社グループの販売先企業やエンドユーザへの影響度合い及び当該感染症の収束の時期によっては、当社グループ全体のキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 経営成績についての分析

「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析」をご参照下さい。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

(4) 経営者の問題認識と今後の方針について

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。

 

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