文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、時代の潮流と本質をとらえ、型にはめずに挑戦することで「新時代のエンターテイメントを創出する」ことをミッションとし、「エンターテイメントで世界を代表する企業になること」を目指しております。
(2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
①経営環境
②中長期的な会社の経営戦略
IPディベロッパー2.0は、「ヴァイスシュヴァルツ」をベースにGlobal Mega Character Platformを構築し、カードゲームにとどまらず、ライブエンターテイメント領域、マーチャンダイズ領域、デジタル領域等で、自社・他社IP、つまり国内外のキャラクターIPを活用させていただき多面的にサービスを提供するグローバル基盤であり、世界のIP価値の向上に貢献する戦略です。これにより、世界の様々なチャネルからファンを獲得し、収益源を多角化することによって、1部門で得られる収益のボラティリティが高くとも他の部門で補うことができるビジネスモデルとなっております。
2015年1月に発表した「BanG Dream!(バンドリ!)」は、キャラクターの声を演じる声優が実際に楽器を演奏し、生のライブ活動を行うというユニークな発想を起点として開発したIPであり、こうした音楽活動をはじめ、アニメ、TCG、MOG、MDといった様々なメディアミックスと幅広い広告宣伝によって多様なチャネルからファンを獲得しております。収益の面においてもTCGやMOGのみならず、子会社が担う音楽ソフトやMDの売上が順調に伸びており、IPが発展することによって子会社を含む各部門の成長が牽引されるという当社が理想とするビジネスモデルを体現したIPとなっております。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、積層型のIPビジネスモデルを構築する中で、IPごとのランクを見える化し、Sランク(年商100億円以上)IPを3本以上、Aランク(年商40億円以上)IPを4本以上、Bランク(年商10億円以上)IPを5本以上保有することを事業目標としております。
また当社グループは、経営効率向上による収益性の向上と、良質なIPの開発・取得・発展によって企業価値の拡大を図るという観点から、売上総利益金額と売上高経常利益率を経営指標としております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 7ユニット制を確立させ自律成長を促進する
当社グループでは、2023年6月期より下記の通り事業部門を7つのユニットに再編しました。それぞれのユニット長に権限を大幅に委譲しそれぞれの中期経営計画の達成を目指します。
(Ⅰ) TCGユニット:「カードファイト!! ヴァンガード」と「ヴァイスシュヴァルツ」を軸に海外比率50%超を達成し、大幅な成長を目指します。
(Ⅱ) デジタルコンテンツユニット:モバイルゲーム(Apple/Google)と、コンソールゲーム(Switch/Playstation/Xbox/Steamなど)をマルチプラットフォーム戦略に切り替えてグローバルにサービス供給します。
(Ⅲ) BI(Bushiroad International)ユニット:欧米、東南アジア地区を担当し、TCG事業とデジタルコンテンツ事業を展開します。
(Ⅳ) ライブエンタメユニット:「バンドリ!」、「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」、「D4DJ」などのIPでメタバース時代にフィットする音楽ライブ・舞台を軸に、配信、音楽ソフト、音楽著作権等のビジネスをグローバルに展開します。
(Ⅴ) MDユニット:カプセルトイ、フィギュア、各種キャラクターグッズを企画製造し世界に供給します。
(Ⅵ) アドユニット:アニメ・ゲーム・キャラクターIPに関連する総合広告、プロモーション、映像配給、音響制作、声優事業等を展開します。
(Ⅶ) スポーツ&ヘルスケアユニット:「新日本プロレス」と「スターダム」は男女それぞれ日本ナンバーワンから世界屈指のプロレス団体へ成長させること、また、フィットネスクラブ運営を軸足にして「ココロ」「カラダ」「キズナ」をテーマに生涯健康をサポートするヘルスケア事業を拡大します。
② Global Mega Character Platformの確立
我々の事業領域はIP軸で国内と海外に境界はないことを認識し、社内体制も各ユニットともに国内外一気通貫体制を敷いております。(但し、BIユニットは各事業ユニットと連携)ここ数年で日本アニメの海外浸透が進み、各事業ともに世界の市場ポテンシャルが格段に高まっていると考えており、「ヴァイスシュヴァルツ」をベースにGlobal Mega Character Platformを構築することを目指します。これはカードゲームだけでなく、ライブエンターテイメント領域、マーチャンダイズ領域、デジタル領域等で国内外のキャラクターIPを活用させていただくグローバル基盤であり、IP価値の向上に貢献することを意味します。
③ 優秀な人材の採用・育成
当社グループは、IP創出における競争激化、グローバル環境での競争激化、お客様から求められるサービス水準のリッチ化に継続的に対応していくためには、優秀な人材の確保及び育成が必要であると考えております。当社グループは、大幅に権限委譲し、若手でも責任を持った仕事が任せられる体制と、ITツールにとどまらないリアルで包括的なコミュニケーションが可能な機会を積極的に設けるなど、志望者を惹きつけるような仕事環境を進化させてまいります。また、10以上の国籍の社員を擁しダイバーシティと平等性の配慮に注力しております。これらの社内カルチャーや制度により、採用強化につなげたいと考えております。また、マーケットでのプレゼンスやコーポレートブランドを高め、会社の魅力を世の中に訴求していくことも継続的に行ってまいります。
④ 内部統制、コーポレート・ガバナンスの強化
当社グループが今後更なる拡大を図るためには、持続的な成長を支える組織体制・内部管理体制の強化が重要であると考えております。当社グループとしては、内部統制の実効性を高めるための環境を整備し、コーポレート・ガバナンスを充実していくことにより、内部管理体制の強化に取り組んでまいります。また、反社会勢力の排除を目的とした政府方針である「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を尊重し、コンプライアンス経営を徹底いたします。
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