業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の進展により経済活動の回復に向けた動きがみられましたが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響によりエネルギー価格の高騰、物価の上昇等により、先行き不透明な状況となっております。

当社グループが属する住宅関連業界におきましては、「ウッドショック」による木材価格の高騰が続き、また年明けからの円安進行も輸入材の価格上昇に影響を与えております。なお、住宅への需要は、2020年で落ち込むも、新設住宅着工戸数は、2021年6月から2022年5月までの累計で前年比5.0%増加となりました。

このような状況のもと当社グループは、木材の仕入価格を販売価格に転嫁するとともに木材の安定確保に向けて購入先を増やし、また既存取引先のみならず新規取引先も拡大するなど、受注の安定化に努めてまいりました。

その結果、当連結会計年度の売上高は25,126百万円(前年同期比54.4%増)、営業利益は4,062百万円(同188.4%増)、経常利益は4,029百万円(同199.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,766百万円(同210.6%増)となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。当該変更により、従来の方法に比べて、当連結会計年度の売上高は436百万円増加し、売上原価は363百万円増加し、営業利益及び経常利益はそれぞれ72百万円増加しております。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

a) プレカット事業

当セグメントにおきましては、ウッドショック以降、木材の品不足が続いておりましたが、取引先への納品を滞らせることのないよう調達先への働きかけに全力で取り組んでまいりました。また、木材企業としての知識を活かした代替材の提案や新規取引先の拡大を含めて地道な営業活動を行ってまいりました。

さらに、製材や配送の一部を内製化している強みを活かし、生産効率向上、配送効率向上、適正利潤の確保に努め、在来部門は出荷棟数5,014棟(同5.6%増)、出荷坪数173千坪(同5.2%増)、ツーバイフォー部門は出荷棟数1,633棟(同10.3%増)、出荷坪数78千坪(同9.3%増)となりました。

その結果、売上高は21,406百万円(同68.3%増)、セグメント利益は3,349百万円(同319.3%増)となりました。

 

b) 建築請負事業

当セグメントにおきましては、既存取引先に加え、新規取引先からの戸建て物件の受注や大型木造施設の建築請負が増加したことにより、大型木造施設16棟を含む265棟を着工し、197棟(大型木造施設15棟を含む)を完工いたしました。

その結果、売上高は4,066百万円(同8.5%増)、セグメント利益は97百万円(同14.2%増)となりました。

なお、当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用し、収益認識に関する会計処理方法を変更したため、従来の方法に比べて、当連結会計年度の建築請負事業の売上高は437百万円増加し、セグメント利益は46百万円増加しております。

 

c) 不動産賃貸事業

当セグメントにおきましては、保育所、介護施設向け賃貸施設等から安定した賃料収入を維持しております。賃料の他、2022年4月に開所しました保育所3施設におきまして、礼金25百万円の収入がありました。

その結果、売上高は718百万円(同15.0%増)、セグメント利益は556百万円(同21.2%増)となりました。

 

 

d) その他事業

当セグメントには、不動産販売事業を区分しております。

不動産販売事業におきましては、土地18区画を販売、木造注文住宅8戸を建築着工し、完成住宅3戸を引き渡しました。

その結果、売上高は480百万円(同26.0%増)、セグメント利益は13百万円(同5.4%増)となりました。

なお、当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用し、収益認識に関する会計処理方法を変更したため、従来の方法に比べて、当連結会計年度のその他事業の売上高は34百万円増加し、セグメント利益は1百万円減少しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,512百万円(105.9%)増加し、4,885百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

a) 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は3,375百万円(前年同期は1,113百万円の獲得)となりました。これは主に、売上債権及び契約資産の増加額1,462百万円、棚卸資産の増加額611百万円法人税等の支払額589百万円等の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益3,970百万円減価償却費407百万円、仕入債務の増加額1,287百万円等の増加要因があったことによるものであります。

 

b) 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は826百万円(前年同期は1,167百万円の使用)となりました。これは主に、不動産賃貸事業における賃貸施設の新規取得を中心とした固定資産の取得による支出888百万円等の減少要因があったことによります。

 

c) 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は40百万円(前年同期は148百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,500百万円短期借入れによる収入175百万円等の増加要因があったものの、社債の償還による支出100百万円長期借入金の返済による支出669百万円短期借入金の返済による支出623百万円リース債務の返済による支出207百万円長期未払金の返済による支出34百万円、及び配当金の支払額91百万円等の減少要因があったことによります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

 

a) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

プレカット事業

20,228,114

171.7

建築請負事業

不動産賃貸事業

その他事業

合計

20,228,114

171.7

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.金額は、販売価格によっております。

 

b) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

プレカット事業

22,183,656

175.9

4,768,455

169.5

建築請負事業

3,724,005

101.1

728,490

103.5

不動産賃貸事業

その他事業

156,265

86,250

合計

26,063,927

160.0

5,583,196

158.8

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.上記「その他」区分の受注高及び受注残高は、開発分譲地における木造注文住宅の建築請負に係るものであります。

 

c) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

プレカット事業

20,228,114

172.0

建築請負事業

3,699,286

105.5

不動産賃貸事業

718,348

114.9

その他事業

480,475

126.0

合計

25,126,225

154.4

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.上記「その他」区分の販売実績のうち、開発分譲地における木造注文住宅の建築請負に係る販売高は、70,014千円であります。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a) 財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産の残高は、前連結会計年度末に比べて4,942百万円(30.7%)増加し、21,031百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ4,542百万円(68.7%)増加し、11,156百万円となりました。これは主に、現金及び預金2,492百万円、受取手形、売掛金及び契約資産(前連結会計年度末における受取手形及び売掛金)1,423百万円、販売用不動産299百万円原材料及び貯蔵品241百万円増加したこと等によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ400百万円(4.2%)増加し、9,875百万円となりました。これは主に、賃貸不動産(純額)780百万円増加したこと等によるものであります。

 

当連結会計年度末の負債の残高は、前連結会計年度末に比べて2,253百万円(19.0%)増加し、14,146百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ2,152百万円(35.3%)増加し、8,250百万円となりました。これは主に、短期借入金448百万円減少したものの、電子記録債務1,191百万円1年内返済予定の長期借入金463百万円未払法人税等669百万円増加したこと等によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ101百万円(1.8%)増加し、5,895百万円となりました。これは主に、社債100百万円リース債務160百万円減少したものの、長期借入金366百万円増加したこと等によるものであります。

 

当連結会計年度末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比べて2,688百万円(64.1%)増加し、6,885百万円となりました。これは主に、利益剰余金2,688百万円増加したこと等によるものであります。

 

b) 経営成績の分析

プレカット事業において、ウッドショック以降、木材の品不足が続いておりましたが、取引先への納品を滞らせることのないよう調達先への働きかけに全力で取り組んでまいりました。さらに、歩留まり率の向上と柔軟な代替樹種への変更等による対応に加え、生産効率、配送効率の改善に取り組むことで、当連結会計年度の売上高は25,126百万円、営業利益は4,062百万円となりました。

当連結会計年度の経常利益は、営業外収益88百万円、営業外費用122百万円の計上により4,029百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等合計1,203百万円を計上したことから2,766百万円となりました。

なお、当連結会計年度の財政状態及び経営成績の詳細につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

b) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要の主なものは、販売用不動産の取得、プレカット製品生産設備の新設及び更新、並びに賃貸用不動産の取得であります。調達手段は、主として金融機関からの借入金によっております。

当連結会計年度末の有利子負債は7,225百万円となりました。有利子負債につきましては、当社グループの事業活動により獲得するキャッシュ・フローから返済を行う方針であります。

(有利子負債の内訳)

短期借入金

600

百万円

社債

350

長期借入金

5,811

長期未払金

23

リース債務

440

 

 

なお、現時点において新型コロナウイルス感染症拡大の資金繰りへの影響はなく、今後も限定的と想定しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りのうち、特に重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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