文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
「Customer Satisfaction through Lumber」(木材を通じて顧客に満足いただける取引に徹する)を社是とし、社是から社名をシー・エス・ランバー(C.S. LUMBER)といたしました。具体的には以下の経営理念を経営の基本方針として事業に取り組んでおります。
(経営理念)
一、我社は、木造住宅資材の販売流通を通して社会に貢献する。
二、我社は、顧客満足と会社の繁栄、社員の幸福を一致させる。
三、我社は、数値に基づく行動と現場主義の徹底を行動原理とする。
(2)中長期的な経営戦略
当社グル-プが属する住宅関連業界では、コロナ禍を経て消費者の価値観の変化やニーズが多様化しています。加えて、木材流通市場では、地政学リスクと為替相場の影響で不確実性が増しています。木造住宅の新設住宅着工数は、底堅く推移してきましたが、木造住宅の販売価格の上昇は、住宅建築を先延ばしにする消費者が増えることにもなりかねません。新設の住宅市場は、長期的には半減するというシンクタンクの予測もあり、非常に厳しい事業環境だと認識しております。
こうした課題に対処するため、10年後の2032年5月期をターゲットとする、
<プレカット事業を基盤としつつも、プレカット事業の枠にとらわれることなく、創意工夫で多様な収益源を創りながら、事業の拡大、成長を続ける企業集団を目指す>
「シー・エス・ランバーVISION 2032」を掲げ、この実現に向けてスタートを切る最初の3年間を「中期経営計画2025」として、セグメント別の施策を確実に推進してまいります。
①セグメント別の施策
(プレカット事業)
顧客基盤の強化と安定した棟数の出荷を行うため、営業力の強化に努めてまいります。加えて、建材の取扱いを開始し、プレカットと併せて建材の提案を行い、売価の維持に努めてまいります。また、木材流通の不確実性が高まる中、供給を絶やさないよう木材調達を継続し、徹底的な歩留りを追求するとともに、配送の一部を内製化している強みを活かし、配送率向上も推し進めてまいります。さらに、大工職人の育成を通して、取引先を支援することで、より競争力を高めてまいります。
(建築請負事業)
取引先への提案力の強化に加え、不動産会社や工務店への新規取引強化、紹介ルートの確保等、営業体制の再構築に努めてまいります。また、脱炭素などの社会の持続可能性や企業の社会的責任に対する意識が社会全体で高まっております。改正木材利用促進法により木材利用の拡大が見込まれる非住宅案件にも積極的に関与し、アパート・保育所などで蓄積された大型木造建築ノウハウをフル活用していきます。
(不動産賃貸事業)
東京都心部を重点エリアとし、さらに保育所、福祉施設を増やしていくよう投資を継続し、長期契約が可能な賃貸物件での経営安定化を図ってまいります。また、将来の分譲化を視野にいれた収益物件を拡大してまいります。
(その他事業)
不動産販売事業では、計画的に分譲住宅用地の確保を行い、安定的に分譲販売を行っていくためのノウハウ蓄積と販売仲介企業との連携強化を図ってまいります。アパートなどの収益物件を、しかるべきタイミングで分譲販売していく比較的長期のサイクルも含めて、分譲用地の確保をしてまいります。
②その他の取組み
将来の経営幹部の育成、女性社員の活躍促進に向けた環境整備に取り組み、社員の知識向上・スキルアップを図る教育体制の構築を進めてまいります。加えて、リスク管理体制の強化、グループ企業間の連携強化を通し、永続的に発展できるよう企業価値を高めてまいります。
(3)目標とする経営指標
中長期的には、着工数が減少していく見込みの中、木材価格の低下、競合との競争が激しくなることが予想されます。その中で、増収と安定的な利益確保を進め経常利益率12.0%を確保し、自己資本利益率10.0%以上の利益率を維持できる企業をめざします。また投資を継続しつつ借入金の返済を推進し財務体質の改善を図ってまいります。「中期経営計画2025」では、全社員が目標に向かって進み、日ごろから工夫と改善を繰り返すことを習慣にし、数字をもとに行動することで、永続的に成長を続ける強い企業集団になることを図ってまいります。
初年度となります2023年5月期の通期業績予想としましては、売上高は26,000百万円、営業利益は3,100百万円、経常利益は3,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は2,000百万円、最終年度計画である2025年5月期は、売上高は29,000百万円、経常利益は3,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は2,400百万円を目標としております。
(注)業績見通しについては有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
(4)対処すべき課題
世界規模での気候変動やそれに伴う自然災害の激甚化、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い環境意識の高まりや急速なDX化が進んだほか、年明けからのウクライナ情勢緊迫による資源価格高騰など、企業を取り巻く環境は想定を超えるスピードで変化しております。当社の事業領域である住宅関連業界においても中長期的には、人口・世帯数の減少や会社間の競争激化が進むと考えております。
また、当社グループは、企業運営に内在するリスクについて、随時、リスクの把握とその顕在化の予防に努め、今後セグメント別の施策を確実に推進していくことが目標達成のための課題と捉えています。
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