文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するように努めております。
「全従業員の物心両面の幸福と安定を追求致します。世界中の人々の喜びのためにクリエィティブな美しさを宿したジュエリーを創造し提供し続けます。」という当社の経営理念を実現するために下記の経営方針を掲げております。
1.夢あふれる商品を造ります。
2.造り手の満足、買い手の満足、使用者の満足、この三つの満足が成り立つことだけを行います。
3.感謝の心を忘れません。
4.誠実で透明な情報公開を致します。
5.世の為、人の為になる個人であり企業体であり続けます。
なお、当社グループは、経営の基本方針に基づき、魅力的で価値のある商品づくりを行うことが重要な経営課題と考えております。また、安定的な経営基盤確保のため、内部留保に重点を置くとともに株主に対する利益還元を重点課題として認識しています。
(2) 目標とする経営指標
将来に亘る事業の存続と発展を期するためには、継続的な新商品の開発研究と、人材確保、並びにこれらの活動を支える利益が不可欠であると考えています。
このため、当社グループでは、営業利益率を重要な経営指標と位置付けています。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2025年7月期までの3か年を対象とした中期経営計画「Challenge for innovation」を推進し、長期にわたって安定的に収益を生み出す収益構造の改革を目指してまいります。目標達成に向けた重点戦略である「強み(技術・特許)を活かす、伸ばす」「次世代の人材を育成する」「スピードアップ、効率を上げる」の3項目に則り、収益構造の改革を図り、成長を持続させてまいります。
具体的には、海外事業を成長強化事業として位置付け、これまでの「Dancing Stone」に次ぐ、新商品「スターシリーズ」や「Single Dancing Stone」といった新たな特許技術を世界に発信してまいります。世界各国の代理店やエージェントとの契約を進めることに加え、渡航制限の緩和により対面での参加が可能となった国際宝飾品展示会へ積極的に参加し、米国市場やインドを中心としたアジア市場の新たな販路拡大にも注力してまいります。また、部門別採算制度を導入し、各部門の業務を数値として見える化することで、無駄のない事業運営を行う自律的な組織体制を構築してまいります。管理面においても、新システムを導入して業務改革を推進し、今期よりスタートした「クロスフォー for Business」(※)によるウェブ受注をより一層推進するなど、バックオフィス業務の効率化を追求するとともに、施策実行スピードの向上を図る体制を構築して更なる収益機会の獲得を目指してまいります。
これらを加速させることで、売上の拡大と利益率の改善を目指すとともに、常に新しい価値を創造できるリーディングカンパニーを目指して取り組んでまいります。
※ 「クロスフォー for Business」とは、企業間の取引(モノやサービスの売買など)をインターネット上で行うサイトであります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社を取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症拡大や円安進行による物価上昇の長期化に伴う消費者の需要減少、また、地金やダイヤモンドなどの原材料価格の高騰が原価率に悪影響を及ぼすなど、先行き不透明な状況が続いております。厳しい環境下ではありますが、環境の変化に柔軟に対応し、企業価値及び業績のさらなる向上を目指し、以下の課題に取り組みたいと考えております。
(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)
① 技術開発
ジュエリー・アクセサリー等の宝飾品の製造は、機械化が難しく職人の手作業により製造されています。製造工程の機械化ができれば、使用する貴金属の削減や大量生産による市場への安価な製品供給等も可能となります。このため、タイの協力工場と連携しオートメーション生産体制を構築し、本格稼働を開始しております。加えて、「Dancing Stone」、「スターシリーズ」、「Single Dancing Stone」に次ぐ特許技術等を開発し、安定した収益を継続的に確保して行くために、開発体制の整備を図ることを重要な課題と認識しております。
② 新規事業の創出
企業収益を確保し、成長し続けるためには、既存事業の伸長はもとより従来とは異なる成長分野において、新たな事業を創出していくことを重要な課題と認識しております。そのためには社内リソースの活用だけではなく、外部リソースを活用することが重要と考えており、事業提携等のあらゆる可能性を追求してまいります。
中長期的成長に不可欠な経営基盤の強化という観点から、財務基盤の強化及び計画的な設備投資を継続して行います。また、常に変化する経営環境にいち早く対応するために、生産性の向上や費用対効果が悪い施策の見直し、徹底的なコスト削減の実施等を行い、コスト水準をもう一段階抑制し、業績改善に向けた経営基盤の強化に努めてまいります。
(その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)
① 生産性向上のためのシステム活用
当社グループは、一人当たり生産性の向上による全社的なコスト低減に努めております。今後も引き続き、人材育成・教育によりシステム処理能力の向上を図り、BtoBサイトを活用した非対面型ビジネスモデルへの転換やデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進して、利益率の改善に努めてまいります。
今後の業容拡大に向け、当社グループの成長に貢献できる優秀な人材の育成・獲得が重要と考えており、特に海外事業を充実させることを目的に実務的なスキル強化・人材育成に取り組んでまいります。また、これまでの価値観に捉われず、変化に柔軟に対応できる人材が必要であると考えており、社内外の研修やOJTを通じて一人ひとりの従業員が業務の見直しや改善提案ができるよう育成してまいります。
当社グループは経営の健全性を保つために、キャッシュ・フローを重視した経営に努めておりますが、今後の事業強化や拡大を図るための資金が必要となります。手元資金に加え、資金調達を実施し、成長に資する財務基盤を構築してまいります。
インドを中心とした東南アジア等の各国の経済成長は著しく、それに伴い宝飾品市場も今後より一層拡大すると見込んでおり、当社グループの成長を加速するうえで海外における事業拡大は必須であると認識しております。そのため、今後も継続して既存市場の深耕や新規市場の開拓を推進するため、新たな海外販売代理店及び優秀なエージェントの獲得等によって戦略的なグローバル展開を強化してまいります。
当社グループは、「Dancing Stone」に関連する特許の期間満了後も競争優位性を確保するために顧客に提供する商品、サービスにおいて信頼感、安心感をブランドとして浸透させることが重要であると認識しております。そのため、商品の品質向上に努めるとともに、新規開発した「スターシリーズ」、「Single Dancing Stone」等の拡販に努め、顧客に当社ブランドの知名度を向上させるための施策を積極的に実施してまいります。
⑥ 模造品対策
正規取引の機会提供により、模造品製造業者をライセンス契約先に転換する施策を実施しております。現地弁護士事務所と連携し模造品排除の活動を継続的に実行するとともに、模倣品対策サービスの活用や販売政策を通じて模造品を駆逐する取組みを進めてまいります。
⑦ 自然災害への取り組み
新型コロナウイルス感染症の長期化が予想される中で、震災や水災等の自然災害に対しても、当社グループは社員及び関係するステークホルダーの健康や安全を最優先に考えて事態に対応します。また、事業継続計画(BCP)等に基づき、非常事態の事業への影響を最小限に止めるよう体制の整備に努めてまいります。
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